これでどうやら、全部の部品が整いました。
部品それぞれには、これで良いところまで仕立てあげたのです。
それでは組み立てですね。
中国では、棹を差し込む胴の穴は、焼き鏝でやっているとのことです。
普通16ミリ×19ミリですから多分、15ミリくらいのドリルで丸い穴をあけて、そこに真っ赤に焼いた鉄の棒を差し込み、焼き切って形にするのでしょう。
しかし鍛冶屋の経験から、鉄の棒を熱する温度の管理が大変でしょうね。
気の方も油分の多い木や、少ない気など色々有りますから、それぞれに合わせて、温度管理するのだと思います。
私も最初は、ドリルで穴をあけて、後はひたすら、金鑢を使って削りだしでした。
金属と違ってすぐ目が詰まりますから、大変に時間のかかる方法でした。
あるとき、中国で焼き切ると言うのをヒントに、こちらも焼き切る方法に切り替えてみることにしました。
鉄を切る、レーザーを使うことにしたのです。
これは良いですね、6000度くらいの細いビームですから。
その上、コンピューター制御です。どの木に開けても同じ形と大きさになります。
いずれ中国でもレーザー切断になって行くと思います。
さて何台か組み立てていろいろ弾いてみると、かなり音が違います。
試しに、一つの胴を使って、棹を色々取り換えてみました。
全部音が変わりますし、音の伸びが違います。
原因が判らず、これは困りました。
ある時、三線と作っている方と話していて、気が付きましたというより教えてもらったと言うべきでしょう。
三線は、硬い棹を使うほど音の伸びが良く、遠鳴りするとのことです。
という事は、同じ樹種なら、木の芯に近い方が硬い。
これは木工の常識ですね。
しかし問題は、木の芯というのは、硬いけれど割れやすいというのも有ります。
製材している時には何ともなくとも、時間が経ってクラックの入ることもあるのです。
そこで芯に近いところだけ取り分けてそれだけを余分に乾燥に掛けます。
それでももしかしたらというのがあり、不安ではありますが、これはメンテナンスをしっかりやるということでクリアーするしか仕方ない事でしょう。
どこがに罅場が入るかは分からないのですから。
木工というのは、下地を作って待つ、これが基本です。
荒く削って、待って更に削って待つという事の繰り返しなのです。
良く聞かれることの一つに、「どのくらいの時間で出来るのですか?」というのがあります。
皆さん誤解があるようですね。
鉄などと違って、一気に作業を進めると言うのが難しいのです。
例えば20年くらい乾燥した丸太があったとします。
まず、荒く製材します。
21ミリの角材の、棹の元の形は、25ミリの角材にして、天井に半年ぐらいは置いておくのです。
製材の時に少し曲がります。
しばらく、(3ヶ月位)置いておいて、
その曲がりを削り取って、23ミリ角ぐらいにします。また3ヶ月くらい経って今度は21ミリの角材にします。
一度に私は、だいたい10台分ぐらいを製材します。
作業自体は半日くらいでしょう。
それから、熱をかけて、更に曲がりを修正します。
それから、また半年ぐらいは待つのです。
その間に、これは使わない方が良いだろうと言う結果が表れてきます。
細かな罅や、一部分だけの曲がり、或いは叩いて聞いた音の良くない物など、これらは残念ながら、廃棄です。(お箸や、簪、箸置き、ペーパーナイフなどになります。きれいですよ)
勿論その間他の作業はやっていますが。
これが木工なのです。
待って、待つ。
如何に自然の力をかわすか、逆らわないか、無理をしないか、焦らないかというのが自然の力に対しての対処の仕方なのです。
それを無理やり、力でねじ伏せようとすれば、必ずしっぺ返しを食らいます。
しっかりやることをやって待つ。
皆さんも、製材したばかりの木が、しばらくすると、そりかえってしまったのを見たことがあると思います。
力で抑え込めば、動こうとするその力が、木自体を痛めてしまうのです。
500年育った木は、500年の力を持っています。
風や重力や、日差しなどに対抗して、20メートルも、30メートルも育つ力というのは、相当なものです、1トンや2トンなどという力ではありません。
それを無理やり製材するのですから、溜まっていた力は必ず何かしらの作用を、出来上がった物に及ぼします。
それを形に整えていくというのは、育ってきた分の年数をかけるのが一番良いのです。
部品それぞれには、これで良いところまで仕立てあげたのです。
それでは組み立てですね。
中国では、棹を差し込む胴の穴は、焼き鏝でやっているとのことです。
普通16ミリ×19ミリですから多分、15ミリくらいのドリルで丸い穴をあけて、そこに真っ赤に焼いた鉄の棒を差し込み、焼き切って形にするのでしょう。
しかし鍛冶屋の経験から、鉄の棒を熱する温度の管理が大変でしょうね。
気の方も油分の多い木や、少ない気など色々有りますから、それぞれに合わせて、温度管理するのだと思います。
私も最初は、ドリルで穴をあけて、後はひたすら、金鑢を使って削りだしでした。
金属と違ってすぐ目が詰まりますから、大変に時間のかかる方法でした。
あるとき、中国で焼き切ると言うのをヒントに、こちらも焼き切る方法に切り替えてみることにしました。
鉄を切る、レーザーを使うことにしたのです。
これは良いですね、6000度くらいの細いビームですから。
その上、コンピューター制御です。どの木に開けても同じ形と大きさになります。
いずれ中国でもレーザー切断になって行くと思います。
さて何台か組み立てていろいろ弾いてみると、かなり音が違います。
試しに、一つの胴を使って、棹を色々取り換えてみました。
全部音が変わりますし、音の伸びが違います。
原因が判らず、これは困りました。
ある時、三線と作っている方と話していて、気が付きましたというより教えてもらったと言うべきでしょう。
三線は、硬い棹を使うほど音の伸びが良く、遠鳴りするとのことです。
という事は、同じ樹種なら、木の芯に近い方が硬い。
これは木工の常識ですね。
しかし問題は、木の芯というのは、硬いけれど割れやすいというのも有ります。
製材している時には何ともなくとも、時間が経ってクラックの入ることもあるのです。
そこで芯に近いところだけ取り分けてそれだけを余分に乾燥に掛けます。
それでももしかしたらというのがあり、不安ではありますが、これはメンテナンスをしっかりやるということでクリアーするしか仕方ない事でしょう。
どこがに罅場が入るかは分からないのですから。
木工というのは、下地を作って待つ、これが基本です。
荒く削って、待って更に削って待つという事の繰り返しなのです。
良く聞かれることの一つに、「どのくらいの時間で出来るのですか?」というのがあります。
皆さん誤解があるようですね。
鉄などと違って、一気に作業を進めると言うのが難しいのです。
例えば20年くらい乾燥した丸太があったとします。
まず、荒く製材します。
21ミリの角材の、棹の元の形は、25ミリの角材にして、天井に半年ぐらいは置いておくのです。
製材の時に少し曲がります。
しばらく、(3ヶ月位)置いておいて、
その曲がりを削り取って、23ミリ角ぐらいにします。また3ヶ月くらい経って今度は21ミリの角材にします。
一度に私は、だいたい10台分ぐらいを製材します。
作業自体は半日くらいでしょう。
それから、熱をかけて、更に曲がりを修正します。
それから、また半年ぐらいは待つのです。
その間に、これは使わない方が良いだろうと言う結果が表れてきます。
細かな罅や、一部分だけの曲がり、或いは叩いて聞いた音の良くない物など、これらは残念ながら、廃棄です。(お箸や、簪、箸置き、ペーパーナイフなどになります。きれいですよ)
勿論その間他の作業はやっていますが。
これが木工なのです。
待って、待つ。
如何に自然の力をかわすか、逆らわないか、無理をしないか、焦らないかというのが自然の力に対しての対処の仕方なのです。
それを無理やり、力でねじ伏せようとすれば、必ずしっぺ返しを食らいます。
しっかりやることをやって待つ。
皆さんも、製材したばかりの木が、しばらくすると、そりかえってしまったのを見たことがあると思います。
力で抑え込めば、動こうとするその力が、木自体を痛めてしまうのです。
500年育った木は、500年の力を持っています。
風や重力や、日差しなどに対抗して、20メートルも、30メートルも育つ力というのは、相当なものです、1トンや2トンなどという力ではありません。
それを無理やり製材するのですから、溜まっていた力は必ず何かしらの作用を、出来上がった物に及ぼします。
それを形に整えていくというのは、育ってきた分の年数をかけるのが一番良いのです。