かなり多くの方から、『麗風』と『音風』の違いについて、メールやコメントなど、
あるいはご来店の上での質問が多いです。
また質として、性能として、その弓としての材料の仕様も気にされる方もいます。
通常、二胡の弓は、竹と馬毛と、弓魚によって作られます。
竹は、篠竹の一種を使います。
また手元のところは、毛を束ねて、プラスティックの板で成形し、南方系はテグスを使って巻き込んでいますが、
最近ではそれが手に当たって痛いという事で、上からナイロン系熱収縮チューブを巻いてあるところも出てきました。
北方系は手元のところは、やはり熱収縮チューブです、ナイロン系もありシリコン系もあるようです。
また馬毛は、そのほとんどがモンゴルや内モンゴルの馬毛を脱色した物を使っていました。
最近、無脱色の馬毛を使っているところも出てきたようですが、
無脱色の馬毛は、松脂のノリがとても悪いですが、耐久力はあります。
が、まだ、それほど広くは使用されていません。
また、不思議なことに価格の安い弓の中には、無脱色の馬毛を使っているものもあります。
さて福音弓ですが、
竹は、篠竹の一種であり、無節と言われる物を使っていますが、
実際には節は、手元から、200ミリ前後のところに一つあります。
竹の長さは、820ミリ±3くらいです。
太さはいろいろありまして、一番太い節のわきで、6・25ミリから、7・98ミリくらいあります。
『西風』の場合、バイオリン用として発売されている物でも、最高級と言われている馬毛を使用しています。
『東風』は、無脱色の馬毛と、黒い毛を使っています。
普通の馬毛の重さは、大体0・03グラム前後、3本で0・1グラム前後です。
黒毛は太くて強く、0・04グラム前後、『東風』に使う時に選び出した毛種の場合、5本で0・2グラム前後あります。
ただし馬毛は、仕入れた1束の中でも剛毛もあれば細い毛もあり、それぞれ重さも違いますので、まったく同じではありません。
弓に作る時にはトータルの重さで作ります。
また、この黒毛は多少縮れもあり、『東風』の雑味のある音を作り出す基にもなっています。
竹に巻いてあるチューブは、軟質難燃性ポリオレフィン樹脂を巻いてあり、
重さもあり、手元の重さを作り上げる要素の一つです。
いままでの中国製の弓の品質の不安定さを解消し(買って手元に来なければどんなものかわからないですから)
曲がりすぎたり、軽すぎたり、硬すぎないように、竹を加工し、どの弓をお客さんが選ばれても、
問題なく弾ける弓という事を目指して作り上げてきました。
ですから安心して通販できたのです。
そして、『麗風』ですが、
竹の加工をさらに進めて、全体にわたって、火をかけ、十分な油抜きをし
竹の反発力を強めました、
少しの加重でも、弓全体が反応しやすいようにです。
そして重さも、ほぼ統一して、弓としては、少し重い56から、58グラム前後に作りました。
(ちなみに市販の弓は、43グラムくらいから、65グラムくらいの幅があります。)
ただし、全体のバランスを手元に重さをつけることで、とても軽く運弓できるようにしてあります。
元の竹の重さが、18グラムから24グラムくらいの幅もあり、
硬さもそれぞれに違い、また竹全体の曲がりも、手元の曲がるもの、先端の曲がるもの、全体にきれいに曲がるもの等あります。
それを、手元を強く固くして、手元の荷重が先端まで安定してかかるようにし、
先端にも重さをかけて、弓の重さだけで先端まで鳴るように作ってあります。
ですからロングトーンはとても安定し、そして、手元の硬さのおかげで、
少しの動きで早く弓を動かしても、音がしっかり出るようにしてあります。
バランスは、チェロの弓を見本にしてあり(ヴァイオリンは弓全体の重さが弦に乗る形ですので二胡とは違います)
竹それぞれの硬さの違いで、すこしづつ調整してあります。
手元の辺りは、何人かの体格の違いのある演奏家に依頼して、
親指の当たるところ、人差し指に竹が乗るところなど、
また、中指が竹の内側に当たるところの太さの加減など、調整して形作ってあります。
また『麗風』は、昔の弓の毛の張り方を参考にして作り上げました。
音の芯が作りやすく、音の立ち上がりも早く、毛の使い方ではかすれるようにも弾け、
ピアニッシモでもきちんと音になりやすくしたのですが、
ここで問題が出ました。
実は、この『麗風』を作るのに協力してくれた人たちは絶賛してくれたのですが、
そこの生徒さんたちの2割くらいの方は雑音もなく弾けたのですが、
残りの8割くらいの方達が、今までの弾き方ですと雑音になってしまうのです。
教室によっては、ほとんどの生徒さんがこの『麗風』、きれいに弾けるのですが、
ある先生が「脱力すればするほどこの弓は音色が良くなるけれど、脱力できていないと、雑音になる」と
生徒さんに説明すると、その生徒さんの中には、しばらく『麗風』を試していて、次第に
とてもきれいな音色に弾けるように鳴る方もいらっしゃいましたが、
それでも、半分くらいの方は、この『麗風』ですと、開放弦を弾いているときには問題無くとも、
曲を弾き始めると途端に雑音が出てくる人が多かったのです。
そこで考え出したのが、『音風』です。
『音風』は竹の強さも重さもバランスも、『麗風』と同じです。
毛の質も同じです。
ですから『麗風』を弾ける人が、『音風』を弾いても同じ音色になります。
ただし、毛の束ね方は、『西風』や『東風』と同じで、皆さんどなたにも弾きやすく、
この『音風』で雑音の出るような方はいらっしゃらないはずです。
『麗風』と『音風』との決定的な違いは、音の通りと、スピードに対する反応でしょう。
『麗風』はとても音の通りがよく、芯があり、速く弾いた時に弓の反応がとても良くなります。
『麗風』・『音風』は共に、『西風』や『東風』などと違い、音色の特質よりも、弾きやすさと演奏のしやすさなどを優先してあります。
音色的には、「『西風』のクリアーさより、むしろ『東風』に近いが、それよりシルキーボイス」
とご協力いただいた方はおっしゃっています。
そして同じ弓でも弾く人によって音色が違う、というのがより強調されたような気もしますが、
音色ばかりは文章にして表せませんので、ぜひ弾いてみてください。
今回、このような分かりにくさもあり、お試しいただけるのが一番ですので、
光舜堂にご協力いただける楽器屋さんに、サンプル弓をお預けして、なるべく多くの方にお試しいただけるようにしたつもりです。
また『麗風』の通販は、この弓をとても気に入ってくださり、ぜひこの弓を販売したい、
雑音が出た等のお問合せなど、何かあればしっかりと説明できるからと、おっしゃっていただけた方にお引き受けいただきました。
お試しいただける楽器屋さんは、
浜松のアオイ楽器店さん、
名古屋のマックコーポレーションさん、
金沢のニコミュージックラボさんです。
4月28日以後からお試しいただけます。
もちろん光舜堂にも、商品はありませんがお試し用サンプル弓はあります。
こちらのサンプル弓は、21日以後置いてあります。
どうぞよろしくお願いいたします。
あるいはご来店の上での質問が多いです。
また質として、性能として、その弓としての材料の仕様も気にされる方もいます。
通常、二胡の弓は、竹と馬毛と、弓魚によって作られます。
竹は、篠竹の一種を使います。
また手元のところは、毛を束ねて、プラスティックの板で成形し、南方系はテグスを使って巻き込んでいますが、
最近ではそれが手に当たって痛いという事で、上からナイロン系熱収縮チューブを巻いてあるところも出てきました。
北方系は手元のところは、やはり熱収縮チューブです、ナイロン系もありシリコン系もあるようです。
また馬毛は、そのほとんどがモンゴルや内モンゴルの馬毛を脱色した物を使っていました。
最近、無脱色の馬毛を使っているところも出てきたようですが、
無脱色の馬毛は、松脂のノリがとても悪いですが、耐久力はあります。
が、まだ、それほど広くは使用されていません。
また、不思議なことに価格の安い弓の中には、無脱色の馬毛を使っているものもあります。
さて福音弓ですが、
竹は、篠竹の一種であり、無節と言われる物を使っていますが、
実際には節は、手元から、200ミリ前後のところに一つあります。
竹の長さは、820ミリ±3くらいです。
太さはいろいろありまして、一番太い節のわきで、6・25ミリから、7・98ミリくらいあります。
『西風』の場合、バイオリン用として発売されている物でも、最高級と言われている馬毛を使用しています。
『東風』は、無脱色の馬毛と、黒い毛を使っています。
普通の馬毛の重さは、大体0・03グラム前後、3本で0・1グラム前後です。
黒毛は太くて強く、0・04グラム前後、『東風』に使う時に選び出した毛種の場合、5本で0・2グラム前後あります。
ただし馬毛は、仕入れた1束の中でも剛毛もあれば細い毛もあり、それぞれ重さも違いますので、まったく同じではありません。
弓に作る時にはトータルの重さで作ります。
また、この黒毛は多少縮れもあり、『東風』の雑味のある音を作り出す基にもなっています。
竹に巻いてあるチューブは、軟質難燃性ポリオレフィン樹脂を巻いてあり、
重さもあり、手元の重さを作り上げる要素の一つです。
いままでの中国製の弓の品質の不安定さを解消し(買って手元に来なければどんなものかわからないですから)
曲がりすぎたり、軽すぎたり、硬すぎないように、竹を加工し、どの弓をお客さんが選ばれても、
問題なく弾ける弓という事を目指して作り上げてきました。
ですから安心して通販できたのです。
そして、『麗風』ですが、
竹の加工をさらに進めて、全体にわたって、火をかけ、十分な油抜きをし
竹の反発力を強めました、
少しの加重でも、弓全体が反応しやすいようにです。
そして重さも、ほぼ統一して、弓としては、少し重い56から、58グラム前後に作りました。
(ちなみに市販の弓は、43グラムくらいから、65グラムくらいの幅があります。)
ただし、全体のバランスを手元に重さをつけることで、とても軽く運弓できるようにしてあります。
元の竹の重さが、18グラムから24グラムくらいの幅もあり、
硬さもそれぞれに違い、また竹全体の曲がりも、手元の曲がるもの、先端の曲がるもの、全体にきれいに曲がるもの等あります。
それを、手元を強く固くして、手元の荷重が先端まで安定してかかるようにし、
先端にも重さをかけて、弓の重さだけで先端まで鳴るように作ってあります。
ですからロングトーンはとても安定し、そして、手元の硬さのおかげで、
少しの動きで早く弓を動かしても、音がしっかり出るようにしてあります。
バランスは、チェロの弓を見本にしてあり(ヴァイオリンは弓全体の重さが弦に乗る形ですので二胡とは違います)
竹それぞれの硬さの違いで、すこしづつ調整してあります。
手元の辺りは、何人かの体格の違いのある演奏家に依頼して、
親指の当たるところ、人差し指に竹が乗るところなど、
また、中指が竹の内側に当たるところの太さの加減など、調整して形作ってあります。
また『麗風』は、昔の弓の毛の張り方を参考にして作り上げました。
音の芯が作りやすく、音の立ち上がりも早く、毛の使い方ではかすれるようにも弾け、
ピアニッシモでもきちんと音になりやすくしたのですが、
ここで問題が出ました。
実は、この『麗風』を作るのに協力してくれた人たちは絶賛してくれたのですが、
そこの生徒さんたちの2割くらいの方は雑音もなく弾けたのですが、
残りの8割くらいの方達が、今までの弾き方ですと雑音になってしまうのです。
教室によっては、ほとんどの生徒さんがこの『麗風』、きれいに弾けるのですが、
ある先生が「脱力すればするほどこの弓は音色が良くなるけれど、脱力できていないと、雑音になる」と
生徒さんに説明すると、その生徒さんの中には、しばらく『麗風』を試していて、次第に
とてもきれいな音色に弾けるように鳴る方もいらっしゃいましたが、
それでも、半分くらいの方は、この『麗風』ですと、開放弦を弾いているときには問題無くとも、
曲を弾き始めると途端に雑音が出てくる人が多かったのです。
そこで考え出したのが、『音風』です。
『音風』は竹の強さも重さもバランスも、『麗風』と同じです。
毛の質も同じです。
ですから『麗風』を弾ける人が、『音風』を弾いても同じ音色になります。
ただし、毛の束ね方は、『西風』や『東風』と同じで、皆さんどなたにも弾きやすく、
この『音風』で雑音の出るような方はいらっしゃらないはずです。
『麗風』と『音風』との決定的な違いは、音の通りと、スピードに対する反応でしょう。
『麗風』はとても音の通りがよく、芯があり、速く弾いた時に弓の反応がとても良くなります。
『麗風』・『音風』は共に、『西風』や『東風』などと違い、音色の特質よりも、弾きやすさと演奏のしやすさなどを優先してあります。
音色的には、「『西風』のクリアーさより、むしろ『東風』に近いが、それよりシルキーボイス」
とご協力いただいた方はおっしゃっています。
そして同じ弓でも弾く人によって音色が違う、というのがより強調されたような気もしますが、
音色ばかりは文章にして表せませんので、ぜひ弾いてみてください。
今回、このような分かりにくさもあり、お試しいただけるのが一番ですので、
光舜堂にご協力いただける楽器屋さんに、サンプル弓をお預けして、なるべく多くの方にお試しいただけるようにしたつもりです。
また『麗風』の通販は、この弓をとても気に入ってくださり、ぜひこの弓を販売したい、
雑音が出た等のお問合せなど、何かあればしっかりと説明できるからと、おっしゃっていただけた方にお引き受けいただきました。
お試しいただける楽器屋さんは、
浜松のアオイ楽器店さん、
名古屋のマックコーポレーションさん、
金沢のニコミュージックラボさんです。
4月28日以後からお試しいただけます。
もちろん光舜堂にも、商品はありませんがお試し用サンプル弓はあります。
こちらのサンプル弓は、21日以後置いてあります。
どうぞよろしくお願いいたします。
ありがとうございます。
またブログにお書きになられた、
麗風に関して、上級者で使用に向いている奏法と、反対に使用に向かない奏法について、具体的にご説明くだされば幸いです。購入後に向かないと判ったら大変ですから。
どうぞ宜しくお願い致します。