これは、ヴァイオリンを造る道具の一つです。
それを、自分でいろいろ作ってみました。
上から、55Cという構造用の鋼、
ヨーロッパの鋼
そして自分で火作りした鋼。
このヨーロッパの鋼が柔らかく、刃物としての切れがいまいちという感じでしたのでいろいろ作ってみたのです。
でもどれも納得いかず、
「左小信」という、100年以上道具を造っている鍛冶屋さんにお願いしました。
それがこれ、
流石に見た感じから違います。
通常の刃物より少しだけ柔らかくしてもらいました。
刃の先端を使うので、硬すぎると刃が欠けますが、少し柔らかいと摩滅はするけれど欠けにくいのです。
やはりプロが作ると、最初の素材の選択から違ってきます。
二胡も道具ですね。
皆さん、どれくらいこだわっていますか?
これは良い意味でのこだわりだと思うのです。
ヴァイオリンの世界では、プロの演奏家の楽器へのこだわりはすごいものがあります。
二胡の世界はどうなのでしょうか。
もちろんより良い物と皆さんお考えなのは分かりますが、
私がお会いしたことのある日本人の演奏家の方は、不満足ながらこの楽器、、という感じのようです。
ですから皆さん相当な数を持っていまして。
でもまだこれ、というのに、出会っていない感じでしょうか。
それはそうですよね、出会うには、二胡の製作工房へ行って、そこで、自由に選べないと難しいですよね。
良く中国人の先生や楽器屋さんがこれはプロが使うものだからと、50万も70万もするようなもの販売しています。
また、ある先生は、このような楽器は良いのだと何かに書いていたりする割に、そこの生徒さんのを見せてもらうと、
問題がたくさんなどという事もあります。
面白いのは、このように皮の柔らかい楽器は駄目!すぐに使えなくなると、おっしゃっている先生のお友達が、
明らかにそのようなものを販売していたりもするのです。
そういう点での横のつながりというのは無いのでしょうか。
良いものがわかっているのと、販売するというのは別の事のようです。
皆さんの中にも、楽器を調整したりしている人がたくさんいらっしゃると思います。
駒まで作ってこれは良い、でもしばらくするとなんだか、音がイメージと違ってなどという事もあると思います。
今回、刃物をいろいろ作って、結局は素材。
二胡でいえば木でしょうね。
そして最後の焼き入れは、蛇皮にあたるのかもしれません。
蛇皮をどんな張り方をするかで、その楽器としての生命が決まってしまうところがあります。
蛇皮はこんな種類が鱗の大きさがか色がとか、プロも含めて皆さんいろいろ言います。
刃物の焼き入れは一発勝負です。
やり直しがきかないのです、
失敗すれば折れやすかったり、曲がったり様々な問題が出てきます。
でも蛇皮は張り替ができるのです。
10年近く二胡を造ってきて、蛇皮の張りのむずかしさがようやっとわかってきたようです。
前の項で書いたように、日本には相当良い紫檀が出回っています。
まだ小葉紫檀が現在のように無くなると思われていなかった時のものです。
でもそれらは、量産品の一部として扱われていたものでした。
これはそこそこ良い紫檀だからそこそこ良い皮をという程度の作りであったようです。
「左小信」はいろいろなところで販売されています。
ハンズなどにもあるのです。見に行って何か違うという事で、小信の工房へ行って相談したのです。
やはりありました、プロ用と愛好家用と分けて作っているのだそうです。
鋼はもちろん同じです。
焼き入れももちろん、しかし、刃渡りや鋼のバランス、そして地金の柔らかさなど小津やら違いがあるようなのです。
二胡でも、これだけ良い紫檀なら、それに相応した皮をという思いは、制作するものにはあります。
又まれに、ご依頼でこの老紅木は良いから一番良い皮を張ってくださいと、言う方もいらっしゃいます。
しかし、胴のの木の強さ厚みなどに比べてよく振動する皮を張ってしまうと、胴が耐え切れません。
良く鳴るけれど、ウルフ音の塊みたいなことになってしまいます。
鋼でも種類はいろいろあります、その種類にあった焼き入れというのがあります。
焼きを強くするとかけてしまい折れてしまいます。
皆さん良い木をお持ちです、
気にはそれぞれ音色があるし、木自体にプロ用などは無いと思います。
本当にプロ用とは、その樹種に合った皮を選択し張ることだと思います。
皮絵お張り替えれば皆さんお持ちの楽器は、みな名器に仕立て上げられると、
最近では少し、、ですが、自信を付けてきたようです。
追記
鍛冶屋さんに作ってもらった刃物は、歯が仕上げてないのです、
その仕上げは自分の腕で磨くのです、
二胡と同じですね。
湿度がもう少し下がってから蛇皮に掛ります。
今は人工皮CDMだけにしています。