二胡工房 光舜堂

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史上最高の擦弦楽器用の松脂!

2024-06-18 15:37:52 | 光舜松脂
確かに、売買されているものとしては、史上最高額でしょう。
現在でも、半分以上使われているものでも、3万円や5万円というのがあるようです。未使用の物ですと数十万円という値段が付いたこともあるそうです。

缶ベルですね。これはお客様でもあり、相当松脂の実践的な知識のあるヴァイオリン奏者の方からお借りした画像です。また本体もお借り出来ました。この方は大変光舜松脂も気に入っておられて、今回私の考えている計画にもとても興味を持たれて様々なご協力をいただいております。ありがたいことです。

この缶ベルは1900年代の初めに、ギュスターヴ・ベルナルデルというヴァイオリン制作者のレシピで作られたものだそうです。およそ50年前ごろには発売されなくなっているようです。
(現在ではギュスターヴ・ベルナルデルという名前の松脂がサヴァレス社 から発売されています)
極端な言い方をすると、この缶ベルを目指して現在の松脂メーカーは作っているとも言われるくらいです。
私の疑問は、何故作られなくなったかという事です。
現在作られている各社の松脂は、それほどとんでもないレシピを持っているとは思えないのです。
中には、金紛や、プラチナ紛を入れたもの、あるいは何らかのオイルを入れたもの、そして原料の種類(これは20種類以上あります)そして加熱の方法と時間などのの要素でしょう。
松脂はその加熱の仕方と、加熱時間、そして温度によって、そしてその冷却の仕方によって、結晶の形が変わります。
その結晶の形によって音色やグリップ感が変わってくるようです。
確かに、私が作ってみた結果でも温度の管理はとても難しいのです。
ですので量産するとしたら、温度管理は無視して作る方法以外はないと思われます。安定して作れなくなりますから。
ある程度温度がしっかり管理されるとすると、湯煎でしょう。
お湯は100度で安定します。
又油など使う方法もあるでしょうね。
あとは、天然に熟成されたものを採取してきてそれを基に作り出すかでしょう。
ところが天然熟成の松脂は、何しろ質のばらつきがすごいです。
同じものを集めるのが難しいですね。

さて、缶ベル!
確かに、音色が良いです。
奥深い音色とも言えます。
高音部の音色はかなり豊かな倍音も聞こえて、更にもう少し奥深さを感じます。
ある意味、雑味があるともいえるのでしょう。
4種類ほど試させていただいて、中の一つは、光舜松脂ONに限りなく近い印象を持ちました。
が、もう少し雑味のある感じでしょうね。
確かにヴァイオリンは洋楽器の中では比較的倍音の多い楽器です。
それでも、東洋の楽器などに比べると複雑な音色というよりは、比較的純度の高い音の楽器が多いのです。
その倍音をとても良く響かせるのでしょう。
そういう意味では、二胡にはあまり必要のないむしろもっと純度の高い物、例えば、光舜松脂のHはK100などというのは、倍音の多い、二胡や、コントラバスには合うようです。
もう、一つ送っていいただきました。
それは201solo,という松脂です。
この缶ベルにとても近い音色が出ると言われていたものですが、今は作られていません。
これも無くなっていて、違う種類になっています。
また、pathという松脂もあります。
これも大変細かい粒子の松脂で、天然ん熟成に近いとも言われているものですが、今一人気がないのか、あるいは何か他の理由なのか制作会社が辞めてしまったようなのです。(弦堂さんはかなり持っていらっしゃるようです)
この比較的天然熟成の松脂に近い物、意外と無くなってしまうのが多いようなのです。
原材料が手に入りにくくなったのかもしれません、あるいは安定して作るのに大変な手間がかかるでやめてしまう事もあると思います。
あるいは、他にこの缶ベルそのものに何か問題がるのか??
今缶ベルを前にして、これはなんとか復活させたいと考えています。
松脂作りは奥が深いです。
まだまだ、たくさん弾いてみて、そして作ってみれば、何とかなるかもしれませんね??
松脂工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ




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