二胡工房 光舜堂

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自分で直せる駒の問題。神戸元町の「あーるふぅ」さんでの調整会

2024-06-07 09:53:17 | 二胡の救急箱に書かなかったこと
先週土曜日1日と、2日は神戸元町の「あーるふぅ」さんでの調整会でした。
土曜日は4名様のはずが、部屋が一杯になるほどのお客様。
又飛び込みの方などもいらっしゃいまして、随分にぎやかな調整会になりました。
いつものように、まずは木軸を削りなおして弦を取り替えてなど、基本的な作業が多かったのです。
土曜日だけでなく日曜日もでしたが、いくつか駒の件で特徴的なことがありました。
それは、光る駒!!、、なんだか漫画の題のような。
まさに、光っているのです。
いくら光物の好きな国民性とは言え、駒まで光るほど塗装するのが増えてきたようです。
これ、駒が振動しない理由の一つです。
塗装も問題ですが、紫檀黒檀などの駒は磨くと油分の多いせいでやはり光ります。
これも、駒が振動しない問題の一つです。
塗装してあるものも、磨いて光っているものも、120番くらいの紙やすりで塗装を落としてください。
光っているものはやはり120番くらいで荒らしてください。
途端に、楽器が鳴るようになります。
駒自体が振動するのでしょうね。
塗装してあると振動が抑えられてしまいます。
音色が良くなると、おっしゃる方もいますが、本当に音色が良くなるのは弾きこみです。
そんな駒を塗るような小手先技では本当の良い振動にはなりません。
また、紫檀黒檀を光るまで磨いた駒というのもあります。
見た目で言えば高級感にはなるのでしょうが、鳴らなくなる原因の一つです。

これヴァイオリンの駒なども同じですが、中国製のヴァイオリンにつけてある駒は、メーカーによってはかなりしっかりと磨きあげられています。
ヴァイオリンの場合、駒の影響は二胡の駒の比ではありません。
駒一つで全く違う楽器になるくらいにヴァイオリンの駒は音の成り立ちの一つです。
その磨いてある駒をやはり120番くらいで表面だけ荒らすだけで響きがかわります。
でも、二胡とは違い高価なものが多いヴァイオリンの駒ですし、音に直接影響しますので、これは良い職人さんにやってもらってください。

二胡の駒、もう一つは、鳴りにくい駒。
音色は良いし好きなのだけれど、なんだか音が小さい。
これ、いわゆる老紅木の駒に多いのです。
それも木を油で煮込んで柔らかくしたもの。
駒は、硬くて小さい(できる限りですよ)のが良い振動を引き起こします。
というより、駒の素材の振動が弦の振動の音を邪魔しないくらいの大きさ。
ところが油で煮込んで柔らかくなったのは、いかにも二胡の音という感じがあります。
新しい楽器などですと、二胡はどうしても金属的な雑音などが聞こえて来ます。そこでこの油で煮込んだ老紅木の駒なのでしょう。
でもこれならないのです。柔らかいですから、他の木に比べて。
ですので、
こんなふうに駒の穴を広げます。すると軽くなり、音色は変わらず良く振動するようになります。
ドリルがあれば早いのですが、このように細い刃物で削ってもどなたにも削れます。
二胡を楽しむ、というのは音色だと思うのです。
本来ならば弾きまくって、2年ぐらいすると良い音色になるのですが、二胡を始めたばかりですとなかなかそうもいきません。
そこで駒などで工夫する方も多いようですが、や配力振動させないと本来のおとに近づきません。
今回の出張調整会も、皮の張替えや胴の割れなど、なかなか関西ではやってくれる工房もないようで何台かお預かりしました。
来週あたりから、ネオちゃんにもてづだってもらうようにして、少しづつ二胡の皮張り、あるいは胴の修理など、実践的に教えていこうと思っています。
いずれは私が行かれず、ネオちゃん一人で調整会をひらくのでしょうから、しっかりと伝えておきます。
ご参加の皆さん、ありがとうございました、。
本当に何時間もかけて参加してくれた方も多く、少しでもお役に立てたようでよかったです。
今回は本当に皆さんの笑顔が忘れられません。
ほぉさんだったら、面白おかしく、鳴尾さんから受けたネオちゃんのボーイングレッスンの事、あるいは「二胡の救急箱」を見てご自身で調整した楽器を持ってこられた方、和紙の人工皮を始めてみて感動しておられた方の話などなど沢山の出来事を書けるのでしょうね。神戸元町の出張調整会でした。
来年、もしいかれるようでしたら、またこのくらいの時期に行こうかと考えています。
どうぞよろしくお願い致します。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ
https://koshundo.base.shop/



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