二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

中古の二胡について。

2012-05-08 11:27:43 | ■工房便り 総合 
今光舜堂には、中古仲介でお預かりしている二胡が、6台あります。

昨年8月から始めました二胡の中古の仲介。

これはあくまでも、光舜堂がお預かりしているだけの二胡です。

買い取っているのではありません。

中古の二胡を買い取るところもあるとは聞きますが、その買い取り金額というのは殆ど1万円以下だそうです。(そこの店員さんからの話)

或いは、新しい二胡を買う時にその下取りのような形で、値引きのネタになっているようです。

でもこれはどんな形にしろ良い事だと思うのです。

バイオリンなどは、その中古の方が高く売れたりもします。

当然100年200年前の有名な製作者の名前のあるものは、今作られている日本製の物などよりも高額で取引されているのは言うまでも有りません。

私の知り合いは、このような昔のバイオリンを、入手して、一度分解修理して、100万以上の金額で販売している人もいます。

楽器は弾き込んだ物の方が、良い鳴りをするというのが常識の世界だからです。

これは、二胡にも言えます。

弾き込んだ二胡は、良い音がするというのは、皆さんもご存知だと思うのです。

確かに、蛇皮の場合、10数年でその寿命が来ます。

三味線などは、5年ぐらいで張り替えますし、先日お会いした胡弓の木場さんは昨年2回も張り替えたと言っていました。

皮は消耗品なのだと考えて下さい。

特に蛇皮の場合、幾ら養殖とは言え大きな囲いの中で自然に育っています。

ですから、中国の職人さん達も、蛇皮は張ってみなければわからないというのが、殆どのご意見です。

また、その食性や、個体差によっては、下手をすると、1,2年で最初に張った張力が無くなってしまうことも有ります。

この事は、私の作った二胡でも同じ事が言えます。

三味線や、三線などでは、この皮がどう変化するか分からないというのは常識なのです。

ですから、私は皮に、5年の保証期間を設けています。5年以上たてば、もうそれ以上に判らない変化というのは無いと思います。

しかし、私どもに持ち込まれる、中古の二胡は、そのほとんどが、数年は弾き込まれたものですので、

その皮というところでは、後10年ぐらいは問題無いな、というのも多くあります。

木自体は、弾けば弾くほど良くなっていきます。

光舜堂に置いてある、私の作った二胡でも、折角いろいろ工夫して、寝ずに頑張って作ったこれは良いという、昨日出来上がった二胡を置いてあっても、

ご来店のお客様は、以前から置いてあった、皆さんが数か月も弾き込んだシャム柿等と比べて、やはりこれが良いと、シャム柿をますます磨きをかけてくれます。

弾き込んだ楽器は良くなりますからね。

そう言う点でも中古というのは、どう変化するか分かりにくい蛇皮のリスクというのからは逃れていますし、木は良く鳴っています。

安心と言えば安心なのです。

光舜堂では、中古の二胡を持ち込まれた、お客様とご相談の上、金額を決めさせていただいております。

まずはお客様のご希望金額なのですが、殆ど全てのお客様が、とんでもなく安い金額を付ける事が多いのです。

「これだけ良い二胡に、それはあんまりですよ」と言うのは、殆どの場合私の方です。

その楽器の現状の販売価格の3分の1ぐらいを目安にしております。

確かに持ち込まれるのは、初心者用の花梨材の二胡が多いのも事実ですが、中には様々な事情から、60万で購入した物やそれに近い金額の物も有ります。

持ち込まれたお客様の事情を抜きにして考えると、楽器ということだけで言えば、大変なお買い得の二胡も有ります。

楽器は、出会いです。

頭で考えずに、耳と心を研ぎ澄ませて下さい。

自分の本音というのに素直に従えるというのは、良い楽器と出会うという事でもありますが、

良い音楽を紡ぎだす為にも、自分の感性を磨きだす方法です。

如何に自分の心に素直に従えるか、というのは、物作りも、音楽家も必要な事です。

二胡を奏でる以上、初心者も何も関係ありません、皆、音楽家なのです。

そろそろ、楽器は楽器屋で購入、というのが定着しても良いころではないでしょうか?

先日、張艶先生が生徒さんと光舜堂にいらして、その生徒さんが弓を購入されるのをご一緒していらっしゃいました。

私が先生に、「あれ先生は弓とか販売していないのですか?」とお聞きしたところ、

先生曰く、「私はプロ(演奏の)ですから、ビジネスはしません」

脱帽です。

このような先生、W先生や、R先生、K先生、まだ他にもおられると思います。

このような先生のところでしたら、

レッスンの時に、中古の二胡や、どこの二胡でも、持って行けると思います。

時代は変わって行くものです。

中国で二胡を気軽に買って持って来られるような時代にもなったのです。

ウッチーのブログ読んでみて下さい)

自分の気に入った二胡持って習いに行けないというのは、なんだか情けないような気がしますが、いかがですか?

2016年5月追記:
現在は中古二胡のお取り扱いはしておりません。
Comment    この記事についてブログを書く
« 前の記事へ | TOP | 二胡を作っている人への呼び... »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | ■工房便り 総合