
長文なので、興味のある方は読んでみてね。
『私の夫と結婚して』日本オリジナル版が強烈。
韓国版よりもおもしろい3つの理由
昨年韓国版が特大ヒットを記録したリベンジドラマ、『私の夫と結婚して』
日本オリジナル版が最終回を迎えた。
食い入るように観入ってしまう理由として、優秀な韓国版を超える
3つのポイントがあった。
理由1. 悪を悪として始末しない、情緒あるグレーゾーンの秀逸な描き方
最終回を迎えた今作、全10話というコンパクトなボリュームに、
理由1. 悪を悪として始末しない、情緒あるグレーゾーンの秀逸な描き方
最終回を迎えた今作、全10話というコンパクトなボリュームに、
韓国版と匹敵する抑揚とサプライズをてんこ盛りさせた日本版オリジナル。
全話視聴して感じたのが、悪役である友也(横山裕)、そして麗奈(白石聖)が
圧倒的な闇や欠落を心地よいグラデーションで描いていたことだ。
クライマックスの主人公、美紗(小芝風花)と麗奈の告白と対話は、
クライマックスの主人公、美紗(小芝風花)と麗奈の告白と対話は、
韓国版よりもエモーショナルなものに仕上がっている。
視聴する側の気持ちを「正義」の象徴である主人公へと寄せていく
韓国版の描き方とは異なり、「悪」の裏側にある理由や心情を露わにし
気持ちを理解させる流れが個人的にとても良いと感じた。
悪を悪として切れ味よく描く韓国のマインドは大好きだ。
悪を悪として切れ味よく描く韓国のマインドは大好きだ。
日本の悪役の曖昧な描き方にイライラすることも多々ある。
ただし、今作に関しては日本版が醸す白黒つけないグレイッシュさが
作品に深みを出していた。
納得の最終回! 友也と麗奈がタイムリープして2回目の人生を歩むのでは、
とすら思えた。

理由2. 横山裕&白石聖の怪演。“悪役”が韓国版よりも容赦なく強烈
韓国のウェブトゥーンを原作としてるため、すでに大ヒットを記録した
韓国版(2024)と現在配信中の日本オリジナル版は軸となる設定が同じだ。
殺された主人公、美紗。美紗を死に追いやった夫、幼少期からの親友。
思いがけない「死」の瞬間、まさかのタイムリープが起き、
10年前に戻ってしまうという第一話のセンセーショナルな幕開けは両作同様。
そこで、主人公が裏切り者のふたりへリベンジを仕掛けていく今作。
リベンジと言っても相手は手強い。横山裕演じる夫・友也(ともや)と
リベンジと言っても相手は手強い。横山裕演じる夫・友也(ともや)と
白石聖演じる麗奈(れいな)が、もう驚愕するほどに苛立たしく、
腹が立つのである。
どうやったらこんなに人をイラつかせることができるのか?というレベルの
友也のヘラヘラした言動や行動。
恋人である主人公・美紗へのモラハラは日常茶飯事。
親友の麗奈も負けていない。息をするようにマウンティングを繰り返し、
美紗を不幸のどん底へと追いやることへの集中力が凄すぎる。
意地悪選手権が行われたら間違いなく3位以内入るだろう——と、
意地悪選手権が行われたら間違いなく3位以内入るだろう——と、
とにかく“悪”に徹しており、結果、物語に集中させてくれる。
韓国版にもこのふたりはメインキャラクターとして登場しているけれど、
そのふたりよりも相当腹立たしいし、
何より、人間らしい奥行きがあるのがすごい。
“ビッチ”な行動を繰り返す麗奈を演じる白石聖の表情筋の使い方は、
“ビッチ”な行動を繰り返す麗奈を演じる白石聖の表情筋の使い方は、
コメディ作品まではいかないさり気なさで、昼ドラのわかりやすさの3歩手前
という匙加減。怒りに震えて顔を引きつらせる演技は素晴らしすぎる。
横山裕演じる友也の、何も考えてない表情に筋肉が抜け落ちたような
コンニャク感も素晴らしすぎる。
僕はこんなにもナチュラルにヘラヘラした演技を見たことがない
かもしれない。その上で、物語のキーポイントでふと「人間的な素直さ」が見え隠れする。絶妙な目線の配りだったり、熱を帯びた表情だったり、
とにかく、いい塩梅で「どんな人間も人の子だ」と思わせるピュアな何かを
醸す。そのあたり、韓国版よりもかなり緻密で繊細ものになっている。
横山裕さん、白石聖さんは、意外と見たことのない新しいバランスの悪を
演じていると強く感じた。
視聴者をムカつかせながら、同時に「かわいそうかも」と思わせるなんて、
神技だ。
理由3. 順序立てて描く美紗の「精神の自立」。その表現に心を鼓舞される
もうひとつ、韓国版よりも丁寧に描かれているのが、小芝風花演じる主人公・
理由3. 順序立てて描く美紗の「精神の自立」。その表現に心を鼓舞される
もうひとつ、韓国版よりも丁寧に描かれているのが、小芝風花演じる主人公・
美紗の成長プロセスである。
韓国版の主人公は10年前にタイムリープし、自分を死に追いやった夫が
目の前にあらわれるとすぐさま怒り狂い、髪をひっぱり、戦いを挑む。
日本版の主人公は、タイムリープする前と内面に変化はなく、
ただただ怯え、自我を出さずにひっそりと状況を観察していく。
控えめな日本の国民性を反映しているということもあるとが思うが、
スタート地点を「過去と変わらない自分」にしているのが非常に今っぽい。
とある回で、美紗はトイレの鏡の前に立ち自分の勇ましい表情を見て
とある回で、美紗はトイレの鏡の前に立ち自分の勇ましい表情を見て
こうつぶやく。「私も性格悪くなったな」。
裏切りものコンビに復讐をしていく中で、「なぜやり返すのか」
「なぜ自分は騙されてきたのか」を自問自答しながら一喜一憂していく姿が
丁寧に描かれているため、無理なく成長を受け入れられる。
鏡のつぶやきのシーンは、そのプロセスの中間地点で美紗が自らの客観的に
観察した瞬間であり、変化を受け入れた大切な時間でもあると思う。
また、小芝風花のいい意味での地味なヴィジュアルがすごくいい。
また、小芝風花のいい意味での地味なヴィジュアルがすごくいい。
不幸が似合う、というのはこの作品において絶対だし、
華やかさが漏れだしてしまう人はきっとこの役を演じることが
できなかったとも思う。
かつて自分をいじめたクラスメイトたちが集う空間にスタイリッシュな
スタイルで登場したり、楯突いてはいけない人物との食事会に
突然ハードなロックスタイル(美紗はそのスタイルを“ギャル”と
自負しているが)であらわれたり、ポイントで華やかなオーラを放つ
ギャップも爽快だ。出す時は出す! という美人オーラが
非常に眩しく、かっこいい。
「死」を経験する前の人生では内に秘めた感情を表に出さず、
「死」を経験する前の人生では内に秘めた感情を表に出さず、
他者の要求をすべて受け入れてきた美紗。
その優しさ、たおやかさがまったく他者へと伝わってこなかったけれど、
2回目の人生は違う。
殻をじわじわと破り、新しく孵化していく姿に共鳴する人が
多いのではないだろうか。
か弱いヒナがたくましい親鳥となっていくほどに美紗は成長し、
最終回、第10話での観覧車でのシーンで美紗の自立は完結していく。
それにしても韓国はすごい。今作を観始めた際、
それにしても韓国はすごい。今作を観始めた際、
「あれ、これ日本作品なのにすごく作りが丁寧!」と思い、
シーンとシーンのつながりやテンポの良さにグイグイ引き込まれていった。
第3話あたりで「スタジオドラゴン」のクレジットに気づき、
少し切ない気持ちにもなった。
日本人による日本作品だと思い込んでいたため、やっぱり韓国のスタッフ制作
だったのか……納得、と。
しかし最終回まで視聴し思ったのが、日本的な情緒や人を人として最後まで
しかし最終回まで視聴し思ったのが、日本的な情緒や人を人として最後まで
見届ける奥ゆかしさって、改めていいなとも思った。
韓国人だけではこの世界観は作れなかったもでは、とふと思えたのだ。
何より、このように日韓で新しい取り組みができるってすごく素敵なこと。
撮影技術など含め韓国はエンタメ先進国なので、たっぷり日本も
吸収しまくってクオリティがアップしていくと嬉しい! と心底思う。
今作、『私の夫と結婚して』はクリエイティブの架け橋としても重要な、
視聴必至ドラマシリーズなのかもしれない。 「Editor: Toru Mitani」
私も、日本版視聴終えました。
韓国のあの悪役を、日本俳優は誰が演じられるのだ…と思っていたけど、
横山裕演じる夫・友也と白石聖演じる麗奈・・・・
本当に腹が立つし、イラつかせる二人の演技・・・・
横山ってこんな人なのって思ってしまう(笑)
白石さんはよく知らないけど、韓国版の女優より意地悪最強!
あまり期待しないで、見始め・・・最初は韓国版とそっくりと思ったけど、
だんだん、日本版は予測不能のストリーになっていく・・・・
時々出てくる日本の日常の風景、そして美しい景色・・・・
韓国の人が製作ってことで納得です。
最後まで見終わって、韓国版の最終話ってどんなだったか忘れて・・・
私の脳内は、日本版に書き換えられています。
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