姑は相変わらずベッドから起きる筋力は無いが、点滴も取れ、少しだが口から食事を摂っている。
腸閉塞も肺炎も今は治った状態だが、認知症が更に進んでしまった。
誰のことも、もう憶えていない。
あんなに可愛がってくれた私の息子、孫のことも忘れてしまった。
以前なら、忘れても写真を見せれば「ああ、○○ちゃん(私の息子の名前)か」と思い出していたのに、
今は写真を見せても首をかしげ、
「誰だかわからない…」
と言うようになってしまった。
更には、
「この前の日曜日は○○さん(姑の娘である義理の妹)が来たみたいですよ」
と言ったのに、
「○○さんて誰だ?」
と言っていた。
「おかあさんの娘ですよ」
と教えても、
「…わからない」
と、自分の娘のことも忘れてしまっていた。
もしかしたら、こうして会話をしていても、本当は私のことも誰だかわからないのかもしれない。
でも、混乱させては可哀想だから、
「きっと会えば思い出すから大丈夫ですよ」
と言っておいた。
愛する孫のことも実の娘のことも忘れてしまった姑だが、
一応ダンナの名前を出して聞いてみた。
「○○のこともわからないですよね?」。
しかし姑、
「それはわかる」。
ちょ、そうなんだ。
「憎たらしいから忘れない」。
姑キッパリ。笑
いろいろ自分の息子から苦しめられていた姑。
嫌な思い出が今も刺激になって、忘れられないのだろう。
そんなことは忘れて欲しいのに。
バカ息子のことは忘れなくて、
可愛い孫のことと、優しい娘のことは忘れてしまうなんて…
姑よ、そんなアナタの憎たらしい息子は
今日、61歳の誕生日ですよ。