墨工房日記

墨職人の楽しみながらの、奮闘記

松煙焚き--その1

2013年09月19日 | Weblog
工房に帰ったら、
たとえ短い時間でも、松煙焚きをします。松煙とは、松を燃やすと出てくる煤です。
この煤と膠を練り合わせて、松煙墨を作ります。
使う松は松脂がのった、肥松と呼ばれる物です。松は山で枯れ10-20年たつと、一部に松脂が溜まります。この部分を山から下ろし、更に、余分な部位を落として脂分の多いとこのみにします。
煤になるのは、脂分ですので、それ以外の部位は燃やしません。
この部位が多いと、煤が白っぽくなります。黒味が強い程、良いです。ここまでの肥松作り作業は、山で伐採などの作業に従事する方々にお願いしています。
探しに行っても枯松に出合う機会は少なく、広範に山を歩き、知りつくしている彼らの応援無くして、成りません。
2年前の紀伊半島を襲った集中豪雨の時には、山に入る林道が寸断され、その後1年以上にわたり肥松が入手出来ませんでした。
松の準備が整うと、いよいよ、私の出番!焚込みです。
続く


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