みんなのマンション

輪番制で、マンション管理組合の理事になった一素人(現在理事長)が、あれこれ考えた事、見た事、調べた事。その他諸々。

「分譲マンション管理費 住まぬ人に増額 適法」 最高裁判決

2010年02月06日 | 管理費・修繕積立金


古新聞を整理していたら、新聞の一面にこんな記事が出ていたんですね。

1月27日の新聞ですから、もう10日余り前のニュースですね。

ここんところ、まともに新聞読んでなかったので、知りませんでした・・・



マンション管理費、住まない所有者へ増額認める 最高裁

 分譲マンションの管理組合費の額をめぐり、部屋を持ちながら自らは住んでいない「不在所有者」には「居住所有者」より額を上乗せして払わせていいかどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第三小法廷(堀籠幸男裁判長)は26日、「上乗せは許される」との判断を示した。管理組合の役員を務めない不在所有者と居住所有者との不公平感を和らげる手段として認めた。最高裁がこうした判断を示したのは初めて。

 訴訟の舞台となったのは、1970年前後に分譲された大阪市北区のマンション(868戸)。年々、所有者が住まない部屋が増え、2004年ごろには約170戸に上った。居住所有者から不満が出るようになり、管理組合は同年3月の総会で不在所有者だけから「協力金」を取ることを決めた。第三者に部屋を貸している一部の不在所有者が拒否したことから、組合側が支払いを求めて提訴した。

 このマンションの管理組合費は月額1万7500円(一般管理費8500円、修繕積立金9千円)で、訴訟ではこれに月額2500円を上乗せできるかが争われた。

 第三小法廷は「居住所有者だけが組合の役員となってマンションの保守管理に努め、不在所有者はその利益のみを享受していた」と指摘。「管理組合の業務や費用は本来、組合員が平等に負担すべきだ」と言及し、金銭的負担で不公平の是正をはかることは合理的だと認めた。

 そのうえで、上乗せ額が管理組合費の15%と、さほど高額でないことや、大半の不在所有者が支払いに同意していることなどを考慮。「不在所有者ががまんすべき限度を超えているとはいえない」と結論づけ、支払っていない不在所有者側に未払い分を納めるよう命じた。

 国土交通省は、管理費や修繕積立金の負担義務や使い方などについて、管理規約の標準的なひな型を示している。ひな型は「役員は居住中の組合員から選ぶ」とする一方で、不在所有者の協力金の規定はなく、徴収するか否かは各建物の管理組合の判断に委ねられている。人数と所有面積の双方で4分の3以上が合意すれば、管理規約を変更でき、協力金の徴収を認めている。

 日本マンション管理士会連合会によると、築年数が古い建物ほど所有者の高齢化が進み、賃貸に出す所有者も増えて、管理組合の役員の担い手が不足する傾向が大都市でみられるという。一方で、大半の入居者は管理費を安く抑えたいため、管理組合の運営資金は不足がちで、同連合会は、今回の判決が呼び水になって、今後、不在所有者から、協力金の徴収を始める管理組合が急増する可能性があるとみている。

 各地のマンションの役員経験者らでつくるNPO法人・全国マンション管理組合連合会によると、協力金を徴収しているのは、100戸以上の大規模な建物が多いという。

 谷垣千秋事務局長は「画期的な判決。協力金には、貸す所有者が増えて管理組合が空洞化するのを防ぐ目的と、役員をやらずに済むことへのペナルティーを科す意味がある」と話す。(中井大助、歌野清一郎)

(2010年1月27日 朝日新聞)




まぁ、概ね妥当な判決と言えるのではないでしょうか。

「管理組合の業務や費用は本来、組合員が平等に負担すべき」であり、
「金銭的負担で不公平の是正をはかることは合理的」だとの指摘は、
全くその通りと思います。

今後は、不在所有者と、居住所有者とで、管理費額を変えるケースが
増えてくるかもしれないですね。



このマンションは1970年前後の分譲との事。
・・・という事は、築40年くらいという事になりますね。

記事によれば、年々所有者が住まない部屋が増え、築34年頃には、約2割の住戸が、所有者が住まない部屋になったとの事。

年を経るごとに、住民の高齢化と、賃貸の部屋の比率が上昇する事は、避けられない事なんでしょうね。

そうなると、役員業務の負担が、一部住民に偏ってしまうという事は、充分に起こり得る事でもあります。

ウチはまだ築5年弱のマンションですが、将来的には決して他人事ではありません。

まぁ、避けられない事象だとしても、多くの人が「住み続けたい」と思えるマンション、
管理やコミュニティの状態が良く、資産価値をできる限り維持できるマンションに
して行く事が、諸問題解決のポイントなのかなぁ、と思いました。

駐車場収入・修繕積立金・管理費問題

2007年04月24日 | 管理費・修繕積立金
<4月理事会>

4月10日付で書いた点を、理事会でぶつけてみました。

専門のコンサルタントの方に指摘された話から始めて、

●駐車場収入の扱いがおかしい(全部管理費収入に入っている)。
●機械式駐車場の長期修繕計画がおかしい(金額が明らかに不足、更新年が明らかに遅い)。
●駐車場収入を何割かでも修繕積立金に入れることが必要。同時に管理費支出の抜本的見直し(更なる削減)が必要。

といった説明をしました。

しかし、意外にも、反応はほとんどと言って良いほど、ありませんでした。

理事長さんが「たしかに30年は持たないでしょうねぇ」と言われた事と(既に認識している問題だというような感じでした)、別の理事さんが「とりあえず機械式駐車場のメーカーに再見積を依頼してはどうでしょうか?」と言われた事くらいで、これ以外には、役員さんたちの反応はゼロでした。

ウチのマンションは、管理会社の担当者以外に、管理人さんも出席しているのですが、管理人さんが「たしかにこの状態だと、管理費に“おんぶにだっこ”なんですよね」と言われました。
本来役員さんから欲しかった反応が、管理人さんから出て来た事が意外でしたが、その時「正にそうなんです!」とつい力んでしまいました。

管理会社の担当者は「要は考え方の違いですから・・・」と何度も言われてましたが、何が「考え方の違い」なのか、後でいくら思い返してみても、発言の意味がはっきり思い出せません。
今度聞き直そうかとも思いますが、要は煙に巻かれたって事?

いずれにせよ、今日の所は、とりあえずメーカーに再見積を依頼して、その結果を現在の長期修繕計画と比較して、今後の扱いを考える、という結論に至りました。

管理費値下げ

2007年04月23日 | 管理費・修繕積立金
<4月理事会>

もうあとちょっとで総会になるという事で、来期の予算関連の話になります。

さて、全く予想していなかったのですが、管理会社から管理費・設備保守費の値下げの提案がありました。

管理会社が、設備保守点検関連の、各業者に値下げ要請をし、見積書を提出してもらったのです。
全ての業者が値下げに応じたわけではなく、中には逆に値上げになった業者もあったのですが、だいたい応じてくれた業者の値下げ率が5%前後、トータルではおよそ2%程度の値下げとなりました。

また、管理会社に支払う管理委託業務費のうち、事務管理業務費も約4%ほどの値下げとなりました(管理員業務費と日常清掃業務費は変わらず)。

こちらから交渉しても、値下げには応じてくれない管理会社が多いと聞きますが、特に依頼したわけでもないのに値下げに踏み込んで頂いた担当者のご努力には、素直に感謝したい所です。

まぁ、アフターサービス対応絡みで、相当管理会社の株が落ちていたのは事実ですから、あるいはここで値下げ提案をして、住民の理解を得ることにしようと考えたのかもしれません。

とはいえ、トータルでは2%前後の値下げです。
この程度の値下げでは、修繕積立金不足の不安を解消するまでには到底至りません。

管理会社からは、また、管理費の余剰金のうち半額程度を修繕積立金に振り替える提案もありました。

ん百万程度の、けっこうな額が振替となりましたが、第1期の保守点検のうち、無料サービス期間がけっこうあったのとか、予算に計上していた建築設備法定点検費が、点検をやらなかったので(本当はやらなくてはいけない)まるまる浮いたとか、そんなこんなで余ったお金なので、おそらく来期以降はこれほどの余りは期待できないと思われます(何も手を打たなければ)。

というわけで、更なる管理費値下げを訴えるべく、話を切り出してみたのですが・・・。

専門家に相談

2007年04月10日 | 管理費・修繕積立金
マンション管理のコンサルタントの方に、マンションの管理費と修繕積立金の適正額について、相談してきました。

●管理費が適正かどうかというのは住民が判断すること(多少割高でも管理会社のネームバリューに重きを置くというような人もいる)。
●建物を実際に見てみない事には、割高かどうかの正確な判断は下せない。

という前提つきではありましたが、マンションの予算書と長期修繕計画を見てもらいました。

コンサルタントの方曰く、
「明らかにおかしい」と思える点が2点ある。それは、

(1)駐車場収入が全て管理費収入に入っている。
(2)長期修繕計画の中の、機械式駐車場の数字(更新、塗装、部品交換、駆動部修理)が、明らかにおかしい。
それに更新が30年後になっているが、屋外で雨ざらしの機械式駐車場が30年持つ筈がない。

という事でした。

(1)は当ブログでも、以前に記した事があります。
機械式駐車場の憂鬱(1)
機械式駐車場の憂鬱(2)

(2)についても、以前に少し触れた部分があります。
機械式駐車場の憂鬱(3)

長期修繕計画の、機械式駐車場の更新・塗装・修理等の数字が、相当に問題があるようです。
コンサルタントの方は、桁が一つ違うのではないかと、何度も見直したくらいです。

ちなみに、長期修繕計画では、当マンションの修繕積立金は、3年毎に戸あたり1500円ずつの値上げをして、やっと収支トントンくらいの計画になっています(それでも大規模修繕の年などはマイナスになっています)。

しかし、コンサルタントの方は、この分では2000円くらい値上げしないと持たないのではないかという見解でした。

他に、管理費では、エレベーターの保守点検費は高い。
逆に、清掃は、この程度の規模のマンションにしては、足りないのではないか、という疑問を持たれました。

ざっと見た感じで言えば、15%程度の管理費削減は可能なのではないかとの事でした。

このコンサルタントの方は、当マンションの管理会社と、以前に少しお仕事で関わりを持たれた事があったようで、いろいろ興味深い裏話なども聞かせて頂きました。

この相談は、正確な診断ではないのですが、それでもいろいろ参考になるお話を聞くことができ、とてもためになりました。
駐車場の長期修繕計画のいい加減さは、何となくそうかなとは思っていましたが、嫌な予感が的中してしまいました。
とりあえず、この話を、次の理事会でお話しして、役員のご意見を伺おうと思ったのでした。

共有部の電気料金削減について

2007年03月24日 | 管理費・修繕積立金
(3月理事会)

管理会社が懇意にしている業者なのかどうかわかんないけど、管理会社が、とある会社(電気料金削減のコンサルティングをしているそうです)に、共有部の電気料金削減案提示を依頼して、その結果が提示されました。
4.2%分削減可能との診断でした。
削減できた額の半額を3年分支払えばOKとの事で(つまり成功報酬)、特に断る理由もなく、理事会として業務依頼を決定しました。
しかし、4.2%って、どうなんでしょうか。やりようによっては、もっと大幅な削減ってできないもんなんでしょうかね。
馬鹿にならない出費(年間約280万円)なだけに、気になります。

積立金「不足」43% 築20年以上のマンション修繕(2)

2007年01月08日 | 管理費・修繕積立金
修繕積立金の不足問題について触れます。
積立金「不足」43% 築20年以上のマンション修繕(1)』において、以下のような日経新聞の調査結果を掲載しました。

【修繕積立金の過不足状況】
 足りている(計画通り) 53.4%
 やや不足している 29.6%
 かなり不足している 13.8%
 無回答 3.2%
(合わせて43.4%が、修繕積立金が計画より不足と回答)

さて、修繕積立金が不足している管理組合が43.4%というのが、多いと感じるか少ないと感じるか。
日経の記事は、何となく、「43%もいますよ」・・・というニュアンスを私は感じたのですが、私個人の直感としては、正直たった43%か?と思いました。

例えば、廣田茂著『マンション管理はこうして見直しなさい』では、以下のような箇所があります。

5、6年ほど前までに分譲されたマンションなら、当初設定された「管理費」はほぼ100%割高です。デベロッパーが系列管理会社に十分利益が上がるようにしているためで、業務仕様を変えることなく、平均2~3割は下げられます。その一方で「修繕積立金」はほぼ100%不足しています。こちらは管理費とは違って、管理会社にすぐ入るお金ではないので、販売戦略上、目安の安さを優先しているためです。

「ほぼ100%」というのは、おそらくは著者の仕事上の実感であり、あまり厳密な話ではないとは思うのですが、それにしても「ほぼ100%」と「43%」では違い過ぎます。

この疑問というのは、私一人のものではなかったようで、ときどき当ブログにコメント、トラックバックを頂いている方のブログにも、その記載がありました。

デンコさんの『マンション管理組合元理事長ブログ』(2006年11月14日)
深山州さんの『マンション管理士がありったけを語ります』(2006年11月13日)

デンコさんは、そもそも不足の認識が無い、積立金の範囲内を前提に修繕している、組合・住民に問題意識が希薄、というケースが多いのではないかと推測されています。
一方、深山さんは、調査対象が問題意識の高い組合が多い、というご意見で、ご自身の実感としては、半分以上が今後20年以内に修繕積立金不足になり、30年でみれば9割方不足している、との事です。

いずれもなるほどと思わせられるご意見と思います。
こうして見ると、自分の直感も、あながち間違ってはいなかったのかな、とも思います。

先日当マンションで取ったアンケートでは、修繕積立金に関しての意見というのは全くありませんでした。
築年数の浅いマンション住民にとっては、どうしても、今見えている問題の方が気になり、修繕積立金などは、まだまだ先の問題という感じがすると思いますが、いずれ避けては通れない問題になる事は間違いありません。

積立金「不足」43% 築20年以上のマンション修繕(1)

2007年01月06日 | 管理費・修繕積立金
2ヶ月近く前の新聞記事の話題ですが、ご紹介します。

11月7日付の日本経済新聞によると、築20年以上のマンション管理組合を対象に調査したところ、43%が「修繕積立金が不足している」と回答したとの事です。

この調査結果内容や関連記事が、何日かにわたって掲載されましたので、調査結果に関する部分のみを、本日はご紹介します。

【修繕積立金の過不足状況】
 足りている(計画通り) 53.4%
 やや不足している 29.6%
 かなり不足している 13.8%
 無回答 3.2%
(合わせて43.4%が、修繕積立金が計画より不足と回答)

【修繕積立金滞納住戸がある物件】
 3ヶ月以上滞納している住戸がある 50%

【大規模修繕の費用】
 自前の積立金ですべて賄った 58.8%
 住宅金融公庫など金融機関から借り入れたり、住人から急きょ徴収 34.6%


【一戸あたりの月額積立金】
 1万円以上2万円未満 46%

【積立金の運用】
 銀行などの定期性預金 68%
 普通預金 57%


【耐震診断】
 実施率 12.9%

【耐震補強工事】
 実施率 1.5%

【将来の建て替え】
「検討していない」 90%
「検討していない」+「検討したが建て替えはしない」 96.7%


【将来の建て替えを検討していない理由】
 大規模修繕で対応できる 57%

【世帯主で最も多い年代】
 60代以上 37.6%

【管理組合役員のなり手】
 役員のなり手不足を感じている 82.9%

【管理組合役員のなり手不足の理由】
 仕事が多忙 67.4%
 高齢者が増え、体力的に無理 65.8%


【住人の関心度】
 高い 47%
 低い 50.5%


【高齢者が誰にも気付かれずに自宅で死亡する「孤独死」】
 発生した 13%

【1人暮らしの高齢者世帯】
 住人の10%以上を占める 43.7%
 住人の20%以上を占める 16.9%
(築年数別では、築20年以上30年未満で36.8%、築30年以上で55.4%のマンションが
 1人暮らしの高齢者世帯を10%以上抱えている)


【共用部分のバリアフリー化】
 実施済 39.3%
 検討中 19.1%
(戸数別では、300戸以上のマンションで50%が実施済み、50戸未満では30.7%にとどまる)


【マンションみらいネット(国土交通省の補助事業)】
 登録している 4%
 これから登録する予定、または検討中 9.8%
 みらいネットを知らない 21.8%


【管理組合の法人化】
 実施済 16.4%
 予定がある、検討したい 16.2%


【区分所有者の総会への出席率(委任状を除く)】
 出席率0~25% 29.9%
 出席率25~50% 42.8%


【空き室数】
 空き室ゼロ 19.9%(築20年以上30年未満)
 空き室ゼロ 12.4%(築30年以上)


この調査は、日経リサーチが9月から10月にかけ「NPO法人 全国マンション管理組合連合会」を通じ、86年以前に完成した物件1576組合に調査票を郵送した。回答数519(60244戸)。
・・・との事です。

管理費の不足

2006年08月16日 | 管理費・修繕積立金
私のマンションの、今年(第2期初め)の総会において、管理費の不足についての話が少し出ました(管理費不足については8月9日のブログでも少し触れました)。
駐車料収入の不足が影響して、将来的に管理費の不足が心配される。
よって、「収入増」と、「支出減」を考えなければならない。
・・・との事でした。
収入増については、空き駐車場の活用法等が、また、支出減については、エレベータ保守費用が、特に検討課題になっているとの事でした(多少高くついてもメーカー系のメンテナンス会社の方が安心だという意見もあるようです)。

さて、管理費の現時点での赤字を埋めるだけであれば、エレベータ保守費を節約するだけでも良いのでしょうが、「機械式駐車場の憂鬱」(8月8日~8月14日ブログ)でも触れたように、駐車料収入を最初から当てにして管理費予算を組むと、将来駐車場利用者が減った時に、その都度管理費収入が減り、影響を及ぼす事になってしまいます。
では、駐車料収入は、保守点検にかかる費用分以外は、修繕積立金に入れましょう、という事になったとしますと、たしかに将来の駐車場利用者減少(もちろん減少しない可能性もありますが)が管理費へ影響する事はなくなりますし、修繕積立金不足の心配も少しは和らぎます。
ですが、そうなりますと、8月12日のブログにおいて、「マンション管理士の散歩道」さんから頂きましたコメントにもありますように、管理費収入が大幅に減ってしまう事になりますから、それまでの管理費支出や長期計画を、根本的に見直しせざるを得ない事になってしまいます。
理事会や総会で、もしこんな提案をしたら、管理費の赤字をどうやって減らすか考えてるのに、赤字をますます増やす事を言って、どうするの!? などと突っ込まれそうな感じもします。

管理の質を落とさずに、管理費全体を削減する(しかも大幅に)となると、かなりやっかいな問題となりそうな感じがします。
マンション管理士等、外部の経験者の力を借りる事も検討した方が良いのかもしれません。
理事会や住民の賛同を得られるかは、また微妙な問題ではありますが・・・。
少し検索をかけてみますと、管理費削減について相談を受け付けてくれる会社等が、いくつかあるようです。
中には無料簡易査定のような事をしてくれる所もあるようです。

なお、手元の書籍では、「NPO集住センター監修『マンション管理組合の理事になったとき最初に読む本』(主婦と生活社)」の中には、管理費の費目ごとの「目安金額」が掲載されています。
また、「廣田茂著『マンション管理はこうして見直しなさい』(ダイヤモンド社)」では、やはり項目ごとに、「割高目安金額」が掲載されています。
とりあえず現在の管理費が割高かどうかを知るには、参考になるのではないかと思います。

「マンション管理組合の理事になったとき最初に読む本」には、とてもわかりやすい一文が、巻頭に載っていますので、以下に紹介します。

「みなさんはテレビや冷蔵庫を買うときに、メーカー希望小売価格より2~3割は安く買うことが多いでしょう。しかし、競争原理が働かない管理委託費は、メーカー希望小売価格を払っているのと同じです。それなのに、誰も疑問を持たず値引きを求めないのはなぜでしょう。」

機械式駐車場の憂鬱<補足・2>

2006年08月14日 | 管理費・修繕積立金
NPO法人 全国マンション管理組合連合会」という団体のホームページでは、「全管連標準管理規約」というものを独自に作成し、公開しています。
国交省の標準管理規約よりも、さらに管理組合の立場に立って、踏み込んだ内容になっているもののようです。

【参考HP】
「全管連 標準管理規約」を発表(福岡マンション管理組合連合会HP)
改正で高まる資産価値 マンション かなめは管理規約(中日新聞HP)

ちなみに、この「全管連標準管理規約」では、駐車料収入等の事を指していると思われる「専用使用料」についての記述が、以下のようになっています。

「専用使用料は、修繕積立金として積み立てるものとする。」

おお。簡潔明瞭。

機械式駐車場の憂鬱<補足>

2006年08月13日 | 管理費・修繕積立金
国土交通省が2005年12月に出した「マンション管理標準指針」では、「予算・決算」の「区分経理」についての「望ましい対応」を以下のように記しています。

「機械式駐車場等で維持管理に多額の費用を要する施設を有する場合は、駐車場使用料会計等を管理費会計及び修繕積立金会計とは区分している。

これは実施率はまだ低いようですが、機械式駐車場の問題性が徐々に広まりつつある事の現れではないでしょうか。
今後の課題として、検討に値する事ではないかと感じます。

機械式駐車場の憂鬱(5)

2006年08月12日 | 管理費・修繕積立金
マンションの管理規約には、この駐車料収入に関する規定が、どのように条文化されているかが気になり、調べてみました。
国土交通省では、マンションの管理規約の標準的なモデルとして「標準管理規約」というものを定め、ホームページ上で公表しています。
私のマンションの管理規約を見てみますと、国土交通省の標準管理規約に、多くの部分で則って作られており、細かいところで、ある程度のアレンジがなされているのがわかります。
自分のマンションの管理規約と、国土交通省の標準管理規約を見比べてみるのも、おもしろいかもしれません。

さて、その国交省の「標準管理規約」においては、駐車料収入の処理については、どのように表記されているでしょうか。
以下に記します。

「駐車場使用料その他の敷地及び共用部分等に係る使用料は、それらの管理に要する費用に充てるほか、修繕積立金として積み立てる。」

一方、私のマンションの管理規約はというと、以下のようになっています。

「駐車場使用料、駐輪場使用料、その他敷地及び共用部分等に係る使用料は、それらの管理に要するに充てるほか、その施設使用料の一部を修繕積立金として積み立てることができる。」

「一部」というのは、具体的にどのくらいの比率が上限となるのかわかりませんが、なるべく修繕積立金への流れを抑えたいという、管理会社またはデベロッパーの恣意的な判断が、こうした表現となっている気がします。
わざわざ標準管理規約をこのように書き換えた真意は何か、管理会社に聞いてみたら、果たしてどのような答えが返ってくるのか、ふと考えてしまいました(そこまで追求すべきかどうかはまた別問題ですが・・・)。

はぁ、長々書き連ねてしまいました。
自分の備忘録というか、メモ代わりという意図で始めてみたブログですので、元より完成度の高さは度外視しているのですが、思い付いた事を端から書いて行ってしまった為に、とりとめの無い文章になってしまいました。
今後もこんな感じで行ってしまう気もしますが、よろしければまたご訪問ください。

機械式駐車場の憂鬱(4)

2006年08月11日 | 管理費・修繕積立金
これだけいろいろ問題がありそうな、駐車料収入の管理費会計組み込みが、何故現実に多くのマンションで行われているのでしょうか?
管理会社やデベロッパーの何らかの思惑でもあるのでしょうか?

書籍『マンション管理はこうして見直しなさい』では、以下のように記述されています。
「デベロッパーは販売戦略上、管理費の額を抑えるため、管理会社は毎月入ってくる管理委託費を一定水準確保するため、駐車料収入を自分たちに都合よく振り分けているのです」

これでは、何だか不動産業界は、魑魅魍魎の世界だという感じもしてしまいますが、残念ながら100%消費者の立場に立った会社というのは、なかなか存在しないというのは、現実のようです。

たしかに、思い出してみると、私がマンションを購入する際に、管理費と修繕積立金の金額(しかも内訳ではなく、あくまで毎月いくら取られるのかという「総額」の部分)ばかりに意識が集中し、それぞれの金額の妥当性や根拠といった事にまでは、考えが及ばなかった事はたしかです。
だからといって、買ったことを後悔しているわけではないのですが、そうした表面的な所にばかり意識が行ってしまう、私を含め消費者側の傾向が、不動産業界の、ある意味いびつな面を助長させてしまっているのでしょうか。

機械式駐車場の憂鬱(3)

2006年08月10日 | 管理費・修繕積立金
さて、ここで一つ疑問に思った事があります。
駐車料収入を修繕積立金会計に回さないと修繕積立金が不足してしまうと言われるくらい、機械式駐車場というのはお金がかかる代物なんだろうか?
あるいは、修繕積立金というのは、そんなに不足しがちなものなんだろうか?

まず、機械式駐車場がどれくらい費用がかかるものなのか、という事については、いくつかの、個人の方のサイトやブログに、財団法人マンション管理センターという所の算出方法が載っていました(マンション管理センターのホームページも見てみましたが、掲載の有無自体がよくわかりませんでした)。
やはり相当お金のかかるものである事は確かのようです。
私が見た個人サイトの試算では、3段ピット式駐車場で、1台当たり、およそ月12000円という説と、15000円という説がありました。
駐車料の相場が安い郊外等の地域だと、駐車料収入だけでは機械が維持しきれないマンションも、珍しくはないようです。
おまけに、機械の耐用年数は、15~20年と言われています。
「耐用年数」=「建物・機械など固定資産の税務上の減価償却を行うにあたって、減価償却費の計算の基礎となる年数。財務省令に定められている。」(大辞泉=YAHOO!辞書)という意味ですから、実際の寿命はもっと長い可能性もありますが、「メーカーが保証する耐用期間(15年)までもたないこともわかってきました」(千代崎一夫『マンション管理士が教えるだまされない鉄則100』講談社)という説もあります。
なお、私のマンションの長期修繕計画案では、駐車場機械の更新は30年後となっていました。
また、計画上の費用も、先述の試算額と比べて、だいぶ安いようです。
何を根拠に30年なのか、管理会社に聞いてみたいところです。

次に、修繕積立金の不足具合に関する事ですが、やはり全体的な傾向としては、管理費は割高で、修繕積立金は不足している、という場合が多いようです。
読売新聞2006年1月28日の記事によれば、「国土交通省がまとめた昨年の調査(全国約300管理組合が回答)では、『修繕積立金がやや不足』は約3割、『かなり不足』は約2割を占めた。」という事です。
合わせて約5割のマンションは、修繕積立金が不足している事になります。
読売新聞2005年7月2日の記事では、「NPO集住センター(東京)の有馬百江常務理事」のコメントとして、「管理費を削減し、その金額を修繕積立金に回すべきです」という言葉を紹介しています。
また、私がいくつか覗いたサイトの中で、不動産コンサルティング会社「さくら事務所」の土屋輝之さんの、次の言葉がとても印象に残っています。
「マンション管理組合の宿命は大規模修繕の際に、借金をしないで修繕を完璧に実施できるように1円でも多くの修繕積立金を確保することです。これは単純明快ですが、管理組合はそのためだけに存在すると言っても言い過ぎではないくらい大切な事です。・・・・・肝に銘じて下さい」(さくら事務所のホームページ中「所員の不定期日記」2004.3.15の日記より)

機械式駐車場の憂鬱(2)

2006年08月09日 | 管理費・修繕積立金
何故駐車料収入は修繕積立金会計に組み入れるべきなのか。
「将来、装置の入れ替えが必要となった際、管理費会計に組み入れて日常の経費に使っていると、その費用が不足してしまう」(読売新聞2005年7月30日付記事)という事と、「車を手放し、駐車場を使わない人が現れると、管理費会計に影響する」(同)という事が、その理由として挙げられています。

ちなみに、私のマンションはといえば、駐車場が3割ほど余っているため、当初から駐車料収入=管理費収入が不足しています。
しかし、管理費支出はほぼ当初の想定通りでありますから、このままでは何年か先には赤字になってしまう事が目に見えています(機械保守費用が当初何ヶ月かはサービスになるため、初年度は赤字にはなりませんでした)。

考えてみると、駐車場というのは、居住者全員が使っているわけではありませんから、駐車場にかかる費用は、あくまで駐車場使用者が拠出するお金で賄う事を原則にしなければならないのかもしれません。
駐車場の更新や修繕で莫大なお金がかかり、そのために月々の修繕積立金アップや一時金徴収等の必要が生じてしまったら、駐車場を使用しない方々にとっては、不公平感が生じてしまうでしょう。

機械式駐車場の憂鬱(1)

2006年08月08日 | 管理費・修繕積立金
私がマンション管理に関して調べ始めた時、たまたま最初に興味を持ったのが、駐車料収入の扱いについてです。

基本的に、マンション管理に関わるお金は、「管理費」と「修繕積立金」に区分され、別会計として管理されます(実は、こういう事すら、さほど今まで気にもとめて来なかったわけですが・・・)。
管理費は、マンションの日常管理に使われ、修繕積立金は、定期的に行われる大規模修繕・改修等に使われます。
で、駐車料収入については「機械式の場合、保守費用や電気代以外は、修繕積立金会計に組み入れるのが原則」(読売新聞2005年7月30日付記事)というのです。
「この原則を守っていないケースが非常に多く見受けられます。駐車料収入のかなりの部分、ひどい場合には全額を管理費会計に組み入れているのです。」「駐車料収入の処理の仕方を見るだけでも、デベロッパーや管理会社の姿勢が分かるといっていいでしょう。」(廣田茂著『マンション管理はこうして見直しなさい』ダイヤモンド社

何故この事に私が興味を持ったかと言いますと、一つには、機械式駐車場というのは、べらぼうにお金がかかるものらしい、とどこかで聞いた事があったというのもありましたが、もう一つは、調べればすぐにわかる事なので、それで「管理会社の姿勢が分かる」なら、こんな楽な事はない、とまぁ面倒臭がり故の不純な(?)動機からでありました。

そう思って、自分のマンションの予算書を見てみましたら・・・、みごとに駐車料収入は、管理費枠に入っておりました。
しかも全額・・・。
これって正に「ひどい場合」・・・?
ちなみに、いくつか書籍やサイトを当たった限りでは、この件については同様の意見であるものがほとんどでした。
逆(「管理費に入れるべき」等)は、私が見た範囲ではありませんでした。