みんなのマンション

輪番制で、マンション管理組合の理事になった一素人(現在理事長)が、あれこれ考えた事、見た事、調べた事。その他諸々。

「分譲マンション管理費 住まぬ人に増額 適法」 最高裁判決

2010年02月06日 | 管理費・修繕積立金


古新聞を整理していたら、新聞の一面にこんな記事が出ていたんですね。

1月27日の新聞ですから、もう10日余り前のニュースですね。

ここんところ、まともに新聞読んでなかったので、知りませんでした・・・



マンション管理費、住まない所有者へ増額認める 最高裁

 分譲マンションの管理組合費の額をめぐり、部屋を持ちながら自らは住んでいない「不在所有者」には「居住所有者」より額を上乗せして払わせていいかどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第三小法廷(堀籠幸男裁判長)は26日、「上乗せは許される」との判断を示した。管理組合の役員を務めない不在所有者と居住所有者との不公平感を和らげる手段として認めた。最高裁がこうした判断を示したのは初めて。

 訴訟の舞台となったのは、1970年前後に分譲された大阪市北区のマンション(868戸)。年々、所有者が住まない部屋が増え、2004年ごろには約170戸に上った。居住所有者から不満が出るようになり、管理組合は同年3月の総会で不在所有者だけから「協力金」を取ることを決めた。第三者に部屋を貸している一部の不在所有者が拒否したことから、組合側が支払いを求めて提訴した。

 このマンションの管理組合費は月額1万7500円(一般管理費8500円、修繕積立金9千円)で、訴訟ではこれに月額2500円を上乗せできるかが争われた。

 第三小法廷は「居住所有者だけが組合の役員となってマンションの保守管理に努め、不在所有者はその利益のみを享受していた」と指摘。「管理組合の業務や費用は本来、組合員が平等に負担すべきだ」と言及し、金銭的負担で不公平の是正をはかることは合理的だと認めた。

 そのうえで、上乗せ額が管理組合費の15%と、さほど高額でないことや、大半の不在所有者が支払いに同意していることなどを考慮。「不在所有者ががまんすべき限度を超えているとはいえない」と結論づけ、支払っていない不在所有者側に未払い分を納めるよう命じた。

 国土交通省は、管理費や修繕積立金の負担義務や使い方などについて、管理規約の標準的なひな型を示している。ひな型は「役員は居住中の組合員から選ぶ」とする一方で、不在所有者の協力金の規定はなく、徴収するか否かは各建物の管理組合の判断に委ねられている。人数と所有面積の双方で4分の3以上が合意すれば、管理規約を変更でき、協力金の徴収を認めている。

 日本マンション管理士会連合会によると、築年数が古い建物ほど所有者の高齢化が進み、賃貸に出す所有者も増えて、管理組合の役員の担い手が不足する傾向が大都市でみられるという。一方で、大半の入居者は管理費を安く抑えたいため、管理組合の運営資金は不足がちで、同連合会は、今回の判決が呼び水になって、今後、不在所有者から、協力金の徴収を始める管理組合が急増する可能性があるとみている。

 各地のマンションの役員経験者らでつくるNPO法人・全国マンション管理組合連合会によると、協力金を徴収しているのは、100戸以上の大規模な建物が多いという。

 谷垣千秋事務局長は「画期的な判決。協力金には、貸す所有者が増えて管理組合が空洞化するのを防ぐ目的と、役員をやらずに済むことへのペナルティーを科す意味がある」と話す。(中井大助、歌野清一郎)

(2010年1月27日 朝日新聞)




まぁ、概ね妥当な判決と言えるのではないでしょうか。

「管理組合の業務や費用は本来、組合員が平等に負担すべき」であり、
「金銭的負担で不公平の是正をはかることは合理的」だとの指摘は、
全くその通りと思います。

今後は、不在所有者と、居住所有者とで、管理費額を変えるケースが
増えてくるかもしれないですね。



このマンションは1970年前後の分譲との事。
・・・という事は、築40年くらいという事になりますね。

記事によれば、年々所有者が住まない部屋が増え、築34年頃には、約2割の住戸が、所有者が住まない部屋になったとの事。

年を経るごとに、住民の高齢化と、賃貸の部屋の比率が上昇する事は、避けられない事なんでしょうね。

そうなると、役員業務の負担が、一部住民に偏ってしまうという事は、充分に起こり得る事でもあります。

ウチはまだ築5年弱のマンションですが、将来的には決して他人事ではありません。

まぁ、避けられない事象だとしても、多くの人が「住み続けたい」と思えるマンション、
管理やコミュニティの状態が良く、資産価値をできる限り維持できるマンションに
して行く事が、諸問題解決のポイントなのかなぁ、と思いました。