昨日に引き続き、国交省の「マンション管理標準指針」(平成17年12月)の中の、「防災対策」(「標準的な対応」と「望ましい対応」)についての「コメント」を、少し長いですが、以下にご紹介します。
◆火災や震災などの災害から住民の生命、身体、財産を守ることもマンション管理組合の重要な役割の一つです。そのため、標準管理規約でも「防災に関する業務」を管理組合の業務の一つとして明記しています。
◆防災に関する業務としては、まず、消防法に定められた事項を確実に実施することが第一歩となります。具体的には、防火管理者の選任と消防計画の作成、消火・通報・避難の訓練、消防用設備等の点検を実施することが必要です。
◆このうち、消防計画については、住民全員に周知することも不可欠です。また、避難等の訓練頻度については、法令上の定めはありませんが、年1回を目安に定期的に行うことが必要と考えられます。(なお、飲食店等が入っている複合用途防火対象のマンションの場合には、年2回以上の実施が義務付けられています。標準管理規約の複合用途型の定義とは異なります。)
◆さらに、災害時の避難場所や災害発生時の避難等の対応の手順や実施体制を明らかにし、確実に周知することも生命・身体・財産を守るためには欠かせません。発災時の対応については、消防計画で明らかにされている場合もあると思われますが、そうでない場合は別途作成し配布する必要があります。
◆火災や震災等以外に、水害に関する事項等は、消防法に定められていません。別途対応が必要となります。
◆また、災害発生時に安全に避難できるよう、想定される被害状況や避難所の位置・経路等を記載したハザードマップを行政が作成・配布している場合があります。こうしたものも含めて行政等が提供している「防災・災害対策に関する情報」を積極的に入手し、住民に周知することも重要です。
◆なお、消防法上の義務づけの対象は、居住者数50人以上のマンションとなっていますが、これに達しない規模のマンションでも同様の対策を講じておくべきです。
◆従って、「(1)防火管理者の選任」、「(2)消防計画の作成及び周知」、「(3)消防用設備等の点検」、「(4)災害時の避難場所の周知」、「(5)災害対応マニュアル等の作成・配布」、「(6)ハザードマップ等防災・災害対策に関する情報の収集・周知」、「(7)年1回程度定期的な防災訓練の実施」の全てを満たしていることを「標準的な対応」としています。
◆以上は、防災対策として必要最小限のものですが、さらに次のような対策を講じることが望ましいと考えられます。
◆一つは、「災害時に必要となる道具・備品・非常食類の備蓄」をすることです。具体的に備蓄すべきものとしては、食料・水・テントなど避難生活に要するものや、住戸内に閉じこめられた人の救出に用いる工具類や安否確認のためのハンドマイク、医薬品など災害対応に要する道具等が想定されます。この備蓄を集会所やロッカー等に施錠して管理する場合には、災害時に解錠できる体制を確保することは言うまでもありません。
◆また、災害弱者については優先的に救助等にあたる必要がありますので、「高齢者等が入居する住戸を記した防災用名簿の作成」を行い、各地方公共団体と協議のうえ提出しておくことも有効です。このような名簿は、個人情報保護法や個人情報保護条例との関係に十分留意し、本人の同意を得る等により作成するとともに、目的外には使用してはならず、適切な管理が必要です。
なお、防災用名簿とハザードマップ等を組み合わせて使用することも有効な対策の一つとして考えられます。
◆災害発生時のライフラインの停止等の場合に、「居住者の安否を確認できる体制の整備」も過去の災害の教訓を踏まえると必要となるでしょう。
◆さらに、災害発生時には被害状況や復旧見通しに関する情報が入手できず、不安な状況が続いたり、生活に支障が生じることもあります。このような場合には、情報が円滑に行き渡らなくなることが少なくありませんが、こうした事態を避けるためにはあらかじめ「災害発生時における被害状況・復旧見通しに関する情報の収集・提供体制の整備」が望ましいと言えます。
なお、大規模な災害はもとより、中規模な震災でもエレベーターが停止し、その状況や復旧見通しがわからないため問題となった事例もあります。エレベーターがマンション生活に不可欠となる高層マンションなどでは特にこうした事態も想定した情報の収集・提供体制の整備の必要性が高いと考えられます。
◆これらの防災対策は、法定されたものを含み、重要で責任のある業務の場合も少なくないので、専任の防災担当理事を選任するなどの工夫も必要でしょう。
◆近隣自治会等の地域ぐるみで防災対策に取り組んでいる場合には、それに参加や連携することも有効な手段です。
◆火災や震災などの災害から住民の生命、身体、財産を守ることもマンション管理組合の重要な役割の一つです。そのため、標準管理規約でも「防災に関する業務」を管理組合の業務の一つとして明記しています。
◆防災に関する業務としては、まず、消防法に定められた事項を確実に実施することが第一歩となります。具体的には、防火管理者の選任と消防計画の作成、消火・通報・避難の訓練、消防用設備等の点検を実施することが必要です。
◆このうち、消防計画については、住民全員に周知することも不可欠です。また、避難等の訓練頻度については、法令上の定めはありませんが、年1回を目安に定期的に行うことが必要と考えられます。(なお、飲食店等が入っている複合用途防火対象のマンションの場合には、年2回以上の実施が義務付けられています。標準管理規約の複合用途型の定義とは異なります。)
◆さらに、災害時の避難場所や災害発生時の避難等の対応の手順や実施体制を明らかにし、確実に周知することも生命・身体・財産を守るためには欠かせません。発災時の対応については、消防計画で明らかにされている場合もあると思われますが、そうでない場合は別途作成し配布する必要があります。
◆火災や震災等以外に、水害に関する事項等は、消防法に定められていません。別途対応が必要となります。
◆また、災害発生時に安全に避難できるよう、想定される被害状況や避難所の位置・経路等を記載したハザードマップを行政が作成・配布している場合があります。こうしたものも含めて行政等が提供している「防災・災害対策に関する情報」を積極的に入手し、住民に周知することも重要です。
◆なお、消防法上の義務づけの対象は、居住者数50人以上のマンションとなっていますが、これに達しない規模のマンションでも同様の対策を講じておくべきです。
◆従って、「(1)防火管理者の選任」、「(2)消防計画の作成及び周知」、「(3)消防用設備等の点検」、「(4)災害時の避難場所の周知」、「(5)災害対応マニュアル等の作成・配布」、「(6)ハザードマップ等防災・災害対策に関する情報の収集・周知」、「(7)年1回程度定期的な防災訓練の実施」の全てを満たしていることを「標準的な対応」としています。
◆以上は、防災対策として必要最小限のものですが、さらに次のような対策を講じることが望ましいと考えられます。
◆一つは、「災害時に必要となる道具・備品・非常食類の備蓄」をすることです。具体的に備蓄すべきものとしては、食料・水・テントなど避難生活に要するものや、住戸内に閉じこめられた人の救出に用いる工具類や安否確認のためのハンドマイク、医薬品など災害対応に要する道具等が想定されます。この備蓄を集会所やロッカー等に施錠して管理する場合には、災害時に解錠できる体制を確保することは言うまでもありません。
◆また、災害弱者については優先的に救助等にあたる必要がありますので、「高齢者等が入居する住戸を記した防災用名簿の作成」を行い、各地方公共団体と協議のうえ提出しておくことも有効です。このような名簿は、個人情報保護法や個人情報保護条例との関係に十分留意し、本人の同意を得る等により作成するとともに、目的外には使用してはならず、適切な管理が必要です。
なお、防災用名簿とハザードマップ等を組み合わせて使用することも有効な対策の一つとして考えられます。
◆災害発生時のライフラインの停止等の場合に、「居住者の安否を確認できる体制の整備」も過去の災害の教訓を踏まえると必要となるでしょう。
◆さらに、災害発生時には被害状況や復旧見通しに関する情報が入手できず、不安な状況が続いたり、生活に支障が生じることもあります。このような場合には、情報が円滑に行き渡らなくなることが少なくありませんが、こうした事態を避けるためにはあらかじめ「災害発生時における被害状況・復旧見通しに関する情報の収集・提供体制の整備」が望ましいと言えます。
なお、大規模な災害はもとより、中規模な震災でもエレベーターが停止し、その状況や復旧見通しがわからないため問題となった事例もあります。エレベーターがマンション生活に不可欠となる高層マンションなどでは特にこうした事態も想定した情報の収集・提供体制の整備の必要性が高いと考えられます。
◆これらの防災対策は、法定されたものを含み、重要で責任のある業務の場合も少なくないので、専任の防災担当理事を選任するなどの工夫も必要でしょう。
◆近隣自治会等の地域ぐるみで防災対策に取り組んでいる場合には、それに参加や連携することも有効な手段です。