2年前まで私はビールというものがほとんど飲めませんでした。あんな苦いモン飲んで何が美味いのかとずっと疑問でしたのよ。でもその割に発泡酒とビールの区別は出来てたりします。でもまぁロクに飲めない事には変わりありませんでした。
成人式、そこで数年ぶりにワイルドさんと再会。しょっちゅうワイルドさんの所でお酒を飲むようになりました。歩いて数分なので、千鳥足になりながらも帰ってきたものです。
彼はビールをよく飲んでいました。スーパードライ。ワイルドさんが飲めない私に「まぁ飲めって」とすすめるので最初のうちは結構我慢して飲んでいたんですよ。それでビールの練習だとかっていう記事も書きましたし。
しかしスーパードライはパッケージに書いているように辛口=苦い。初心者の私にとっては苦いビールは大変厳しいものがありました。頑張って缶の半分まで飲むも、あとはワイルドさんにあげたりしてました。そしてある日、ワイルドさんは「これなら飲みやすいぜ」と私に出したのがバドワイザー。日本のビールに比べると薄い、その後海外のビールを飲む事になるんですけど、日本のビールは苦い。
まぁそんな事でバドワイザーは私にとってすごく飲みやすかったワケですよ。飲みの前に買いだしに行ってワイルドさんがスーパードライを飲むなか、私はバドワイザーとかね。ワイルドさんもバドワイザーは好きだったのでよく飲んでました。ここまで来るのに数ヶ月、薄いとはいえようやくビールを美味しく飲めるようになりました。
そして約1年間、私は自分にフィットするビールを探す事になります。エビスやモルツ、サッポロなどマイルドな飲みやすいものを求めて飲んでました。スーパードライも飲んでました。
それで去年の夏。私の先輩がキリン一番搾りを飲んでました。私はキリンビールは苦いというイメージがあり、あまり好きじゃなかったんですよ。その時もスーパードライ飲んでましたし。そしたら先輩が「確かに苦いけど、これがまたいいんだわ」。うーむ。
家に帰ってきて数日。今まで敬遠していたキリンビールを飲み比べてみようという事で先輩が飲んでいた一番搾り、そしてかつて父が飲んでいたラガーを購入。飲み比べてみよう。
まずキリンラガー。……うめー!だが苦い!!……これ一口あれば十分だわ。しかしこの一口目の衝撃はなかなかのものである。次に一番搾り、ラガーのような辛口攻撃は無いものの、味全体が非常にまろやかで飲みやすい。こ…これだ、俺が求めていたビールはここにあったッ!麦芽100%うめぇ。
とはいえ、苦い事には変わりありません。この苦味がまた美味しく感じられたのはビールに慣れていたというのが大きいかと思います。最初の頃だったら問答無用でノーサンキューだったでしょう…。
これから約半年、私のメインは一番搾りとなりビールを買うとなると一番搾り。発泡酒選手権も麒麟淡麗というキリンづくし。でも最近は館ひろしのキリン本格辛口麦もなかなかいい感じである。とにかくキリンの苦味にはまる。
「親父、俺は前は苦くて飲めなかったキリンを飲んでいるんだ。好み似ているだろうかね」
「かもな」
そして数週間前、雪かきを頑張ったら父がお礼にビール買ってきてくれました。10年前に急性膵炎になり死ぬほどビール大好きだった父が息子の為にもう飲めないビールを買ってきてくれましたのよ。なんか悪いねぇ。
父が買ってきたのは自分が大好きだったキリンラガー。一番搾り飲んでいる時も少し飲んでましたけど、苦くて一番搾り飲んでいたんですよ。それを知って父はラガーを買ってきました。なるほど親父、ラガーを飲めって事だな、よし飲んでやろう。
そして飲む私。
に…苦い…だが美味いッ!!そうだ、子供の時に親父に一口もらって「にげー!」って思ったビールはラガーだった。そのラガーを今はとても美味しく感じている。
一番搾りをやっぱり買ってみるものの、やはりラガーに比べると大人しい苦さ。味自体は一番搾りの方が完成されていると思うんですよ。しかしこの苦味…ラガーである。
「親父、もうラガーの苦味じゃないとダメだわ」
「だろ」
現在、キリンラガーに落ち着いた。あんなに苦くて敬遠していたビールが今では最高に感じられる。同じ銘柄のビールを飲む事になるというのも親子なんだろう。実際今もラガー飲みならこれ書いてますし。ラガー美味しいなぁ。
でもタバコの好みは合わないようである。