染織工房きはだや 「店主の独り言」

きはだや店主が今日の出来事を語る。喚く。話す。切る。
でも日記は苦手。
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椅子が好き。

2020年01月18日 | 店主の一日
椅子が好きです。
椅子は実に絶妙のバランスでできています。
僕は不器用なので椅子を作るには能わないですが、脚が抜けたりしたのを直そうとしても、座った時の力が均等にかかるように組み直すのは意外と難しかったりします。
ちょっと前の話なのですが、出張時に見た展示。


まさに椅子のレジェンドです。
同じ椅子なのですがクッション部分が時代の変遷によってどのように変わってきたかを解説してあります。
新しい素材が開発されることによって作りが変わってきたことがわかります。
解説にはクッションの硬さや耐久性についてもふれられています。
展示には各々の椅子が置いてあって座ることができます。
今はベルトとウレタンが主流になっているようですが、恐らく、一見同じに見える現代の材料においてもそれ相応の差があるのだと思います。


着物においてもそれは同じで、一見、織りのデザイン性に目を惹かれますが、糸の種類や組合せによって、出来上がりは大きく左右されます。
昔、僕の尊敬する小売店さんのご主人が「日本工芸展でも少なくとも、織物は触らせてもらわないと見ただけではその良さがわからない。『お触り券』でも売って触らせてくれたらいいのに」と仰っておりました。
こうして、同じなのだけど中身の違う椅子に座れると言うのは実によいです。

他にも氏が作成した椅子が実際においてあって座ることができます。
シャレた椅子というのは意外と実生活では使いにくかったりするものでもあります。
三本以上の脚と座面を最低の条件とする椅子のデザインはとても興味深いです。


竹橋の近代美術館にもいろんな椅子があって、座りながら展示を見れるのもよいです。

そうそう。江戸川乱歩の「人間椅子」もよいですね。
何年か前に壇蜜がラジオで朗読していたことがあって、これも秀逸

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