駅の北側に宇都宮製作所十日町工場というのがあります。本社は東京。
これは戦時中に軍需品の生産を増強させるために十日町に出来たのが始まりです。
宇都宮製作所さんが作ろうとしたのか、公の力があったのかは僕にはわかりません。
当時、僕の祖父は旧十日町の町長をしていました。町長と言っても投票など形だけのようで、本人の意に沿ったものではなかったようです。
祖父は自分で持っていた土地を供出し工場を誘致したそうです。軍需品を作る工場ですから対価などあるはずもないですが、工場で働く人が必要になるので戦争に行く人を減らせると考え随分安堵したようです。
しかし終戦を迎え、土地は接収され祖父は公職追放に遭い難儀をします。
後に土地を供出した事を随分と祖母に責められたそうです。
家に「内務省」の刻印がある古い椅子があります。戦時中に宇都宮製作所の責任者として十日町に来たH氏に祖父の妹が嫁していました。
その椅子は宇都宮製作所さんが備品を入れ替える際にH氏がもらい受けたものなのでしょう。
ホームに登る階段に宇都宮製作所の広告が出ていたので、ふとそんな事を思い出したのです。