今日は水品さんのテコになって紅花染め。
紅花には二種類の色素が含まれていて、一つは黄色い色素のサフラーイエロー、もう一つが赤い色素のカルタミンです。大概の草木は水に入れたり、煮たりするとその色素が溶け出すのですが、紅花はちょっと変わっていて、黄色と紅を別々の行程で抽出します。紅花を水に入れると黄色の色素が出てきます。これがサフラーイエロー。この色素が出た後の紅花をアルカリ性の溶液に浸けると紅の色素が出ます。これがカルタミンです。紅花から直接に紅の色素を取り出す事は多分、できないんだと思います。
紅花と云えばすっかり米沢です。紅花紬も名産品の一つに数えられていますが、米沢で紅花紬を作ったのはそれほど古い話ではなく、実の所、僕の母方の祖父というのが、その創始者でございます。「日本伝統織物集成」と云う本がありますが、祖父の名前がその織った生地とともに貼ってあったのを見た時には大変感動いたしました。上杉鷹山公も栽培を奨励した紅花ですが、元々は口紅用に作られたものが多く、祖父が紅花染めを始めた時もカネボウが口紅用に作っていたものをなんとか分けてもらって始めたと聞きました。
閑話休題
染めるのはそれほど時間のかかる話ではないのですが、抽出にそれなりに時間がかかります。その辺は事前に水品さんに願ってありましたので、後はショールを染めるだけ。なんだか都合のいい草木染め教室みたいです。
サフラーイエローで染めたのはこちら。乾く前はそれなりの色をしていたのですが、乾いたらすっかり薄くなってしまいました。もうよっと重ねて染めないといかんですかね。でも、いいと思いますよ、この色。
でも穏やかな感じでそれほど悪くない気もします。
こちらは紅のカルタミン。
紅の色合いがとてもきれいです。かなり生地の薄いショールですが、こちらはしっかり紅色です。
中にポツポツとあるのは真綿。これがアクセントになっていい感じです。
塊になっているとかなり赤くみえますが、拡げるときれいな紅色です。ちょっと羽織るように使うときれいなんじゃないかと思います。
今回はこれと一緒に糸も染めました。この糸を使って織るのはまだ、しばらく先の気がしますが、請うご期待です。ショールの方は近々、会場にもっていけるんじゃないかと思います。