染織工房きはだや 「店主の独り言」

きはだや店主が今日の出来事を語る。喚く。話す。切る。
でも日記は苦手。
皆様の気軽なコメントをお待ちしています。

十日町の豊かさ。

2015年10月29日 | 店主の一日
十日町は豊かだ。
豊かな人は少なくなったが間違いなく、豊かな人は存在する。
「豊か」の指標は勿論、金銭ではない。「気持ちのおおらかさ」です。
そしてその豊かさに触れるのは十日町に住んでいないとそれなりに難しい。

今日は鈴木さんのとこに行ってきました。
昔から真綿作りやら、何からずいぶんとお世話になりました。
今は、それらの事はなく畑仕事が生活の主です。
春になれば種を植え、秋になれば収穫をし、冬になれば餅をつく。
ご高齢であるせいもあるけれど、多分、自給自足+物々交換で十分に満たされた生活ができる人です。
いただいたミカンときはだやで採れた柿と持って行くと相変わらずで歓迎をしてくれた。
一人だと、上がってお茶を小一時間付き合う事になるのだが、今日は妹さんとそのご一家らしい人がいて、玄関で挨拶だけ済ませました。

「わざわざ、来てもらっれ申し訳なかった。花はあるか?ネギはあるか?」と帰りにいつも玄関に並ぶ、作物を分けてくださる。
今、採ってきたばかりだとネギを一掴み。これもたくさんあるからとアスパラ菜を新聞紙に包んでよこす。

「その花も持って行け」と言う。
玄関先に百合の花が何十本もバケツに入っている。
どれほどの物を持ってきたわけでもないので、辞すると、
「そんなにあっても飾る所に困るくらいだから、持って行け」と言う
  〜まあそれもそうだ。いかに家が広くても、カサブランカを飾る場所なんかそんなにたくさんは無い。

「たくさんもらったから持って行け」と言う。
  〜どんな人がこの時期にこんなにたくさんのカサブランカを持ってくるのか全く想像もつかない。

ありがたく五本掴んで分けてもらった。
もう、ネギだか百合だかわからない。


鈴木さんの家に行くととても豊かに気持ちで帰ってこれる。
つかまると時間もかかるが、僕はこの家に行くのが好きだ。
こういう家もずいぶん、減ってきた気がする。
気の大きい、他所にこだわらない、受け入れる度量の大きな人。
十日町の豊かさの真髄はこの辺にあると思うのです。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 生島ヒロシのダイエット | トップ | 鈍色の空 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

店主の一日」カテゴリの最新記事