新装!中島賢介研究室

勤務大学における授業内容や雑談に関する説明などを中心に綴ります。よかったらお立ち寄りください。

心は再び山岳文学へ

2009-07-28 09:38:00 | 研究
 後輩から、「先輩、卒論で何書こうかなと思うんですが」と聞かれて、
思わず「山岳文学はいいよ。だって、毎日アルプス見ながら生活してきただろ。必要とあれば山に登るといい。」と答えたことがあります。
 今では、山岳文学の奥深さを軽視した、何とも浅はかな発言をしてしまったことに大変後悔しています。
 内村鑑三と志賀重昂の自然観の相違を始め、世界の山岳に魅せられた人、日本アルプスにこだわり続けた人など、山を愛した人それぞれがとても示唆に富んだ名文を遺しています。
 若い時期に、このことに気づいていたなら、今の私はもっとましな人間だったに違いありません。他人に不要なアドバイスをする位なら、自分の興味をもっと突き詰めておけばよかった。
 このことは教育者の端くれになった今でも同じことが言えます。自分を高めなければ学生に大切なことを伝えることができない。山は私に教えてくれます。