お城でグルメ!

ドイツの古城ホテルでグルメな食事を。

狩猟の館 グラニッツ

2024年05月15日 | 旅行

われわれがリューゲン島で滞在しているアパートメントから30分ほど山地トレッキングをすると、狩猟の館グラニッツに着きます。年間25万人以上の訪問客があるという人気のお城で、約1.000ヘクタールもの、前世紀の終わり頃から生物生息圏保護地区に指定されている森の真ん中にあります。

 

山地を走る観光列車

この地には18世紀の前半に3階建ての狩猟小屋が建てられ、19世紀の前半に取り壊されました。その後も何回か、建てられて撤去される、ということが繰り返されました。

現在の〈狩猟のためのお城 グラニッツ〉は19世紀前半に、北イタリアのルネサンス風城館に似せて建造されました。建物の四つ角と真ん中に塔を持つ建造物です。

  

狩猟の館 1 & 2

  

真ん中の塔 ・ 壁の装飾

このお城は昔からヨーロッパ中の貴族や著名人に愛された旅行先で、1944年まである家族の私的住居でしたが、戸主が拘留された後、ナチス党員たち (国民社会主義者たち) の管理下に置かれてしまいました。最終的には、ドイツ民主共和国 (東ドイツ) が誕生するにあたり国の所有となり、それは今でも続いています。

戦中に拘留された戸主の孫にあたる人物が、家族の財産であるこのお城を取り返そうと裁判を起こしましたが敗訴したそうです。なぜなのか、私にはわかりません。この館は今世紀の初め頃大規模な修理修復を施されて、数年前から博物館になっています。

  

鹿の角を使った椅子 と テーブル ・ 鹿の角を使った照明 

狩猟の館 グラニッツには、地下にボリュウムのある田舎料理を食べさせる料理店があって食欲をそそる良い香りが漂っていますが、ここでは食べません。昼食はごく簡単に済ませて、今夜、うちの宿から歩いて5分のところにある〈四季〉というホテルの中の〈フロイスティル〉という名前のレストランに行きます。ミシュラン1つ星なので楽しみです。

  

レストランの入り口 ・ 招き猫

 

我々のテーブル (手前)

レストランはホテルとは別の入り口で、いかめしくない門構えなので気楽にはいれます。入り口に招き猫を置いてある意味がよく分かりませんが、まぁいいでしょう。小部屋がいくつかある内装で、我々はワインセラーの中のテーブルをもらいました。通常のミシュラン1つ星とは勝手がかなり違います。というのは、テーブルクロスが掛かっていない、台所の布巾のようなナプキン、パンが出てもそれを食べる皿が出ない、いんぎんでなく親しみが持てるけれども少し雑なサーヴィス、肩の凝らない居心地、などが特徴です。

  

パン と バター と 黒塩 ・ ナプキン

おどろいたことに、メニューにあるのはコース料理がひとつだけ。その他にはア・ラ・カルト料理も何にもありません。すべての客が同じものを食べるということです。さらにそのコースの内容は、平均3か月間は不変なのだそうです。コースは6品で希望により8品に出来るのですが、増やせる料理はふたつともデザートなので、私たちは6品にとどまりました。

アペリティフとして私はノンアルコールのカンパリを、妻はシャンペンを注文しました。食事中の飲み物は妻は白ワインで私は水。

お通し : メニューにトピナムブール (花の名前)、西洋スモモ、トウヒ (マツ科トウヒ属の常緑針葉樹)と書いてあるのですが、供されたもので確認することができません。でも、少し甘味があってたいへん美味しかったのです。

  

お通し ・ 料理 1

料理 1: 塩に包んで蒸し焼きにしたビート (サトウダイコン) とミンチ肉とチーズのボロネーゼ風料理です。トマト味で美味しいけれども、コースの最初としては少々味が濃すぎるかな?

料理 2: メニューに〈タバラガニ、キュウリ、キュウリ、キュウリ〉とあって、そのとうり、カニがたいへんに少なくて後はキュウリだけ。さっと茹でたと思われるキュウリが少し青臭かったし塩味が足りなくて、あまり感心しない料理です。それにキュウリの量が多すぎました。

  

料理 2 & 3

料理 3: ドイツはジャガイモの種類が多く、それぞれに女性の名前が付いています。皮ごと茹でた〈リンダ〉に、いろんなエキスが入っていそうなバターをつけて食べ、サラダ菜にはドレッシングをかけました。これも料理というのでしょうか。出方が面白いのは確かですね。

料理 4: サフラン入りのお粥の上に、北欧のフィヨルドで捕れたマスの冷たいタルタル (粗引きミンチ) と酢漬けのコールラビがのっています。味の組み合わせが抜群です。ちなみに、お粥のことをメニューには〈液状のライス〉と書いてありました。

  

料理 4 & 5

料理 5: たいへん軟らかい地鶏の肉、ウズラの卵、食感も味も良いエンマーコムギ、紅く染まった甘酸っぱいタマネギです。旨い。

料理 6: ベリーの一種の液果とコテージチーズに麦芽糖がかかっていて、横にアイスクリームがあります。重くなくて美味しい。

 

料理

料理の供し方が何となく日本っぽいのが印象的です。料理以外のことにはそれ程気を使っていなくて、味で勝負し、それが成功しているレストランです。高価でない食材や野菜を多く使っているし、いろいろ節約して料理を安く提供しているのが分かります。普通のひとつ星レストランの半額に近い値段なのです。

今回の休暇旅行では比較的よくレストランを利用しましたが、最も美味しく最も満足度が高い夕食のひとつになりました。妻も大満足です。(ヨカッタ、ヨカッタ)

 

〔2018年10月〕〔2024年5月 加筆・修正〕

 


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