我々が滞在しているカシュから北西に50kmの所にあるクサントスのハイライトは、都市の建物の遺跡に加えて、ユニークなリュキア地方の墓、墓の柱、石棺です。ちなみに、クサントスというギリシャ語の名前は近くを流れるクサントス川に由来しています。
都市に入る当時の門
この古代都市の歴史は約2000年に及び、古代における自立と独立のための闘争の地であった事がその特徴で、約10km離れた古代沿岸のリュキアの都市パタラを海軍および商業港として使用していました。ローマ帝国が支配していた時代にはクサントスはリュキア同盟の長として特に重要で、ローマとの友好的な関係を維持していました。ローマ内戦の混乱の時にクサントスの町は破壊されましたが、その後再建されてローマ劇場とアゴラ (マーケット広場) を備えていました。
遺跡 1 & 2
遺跡 3 & 4
遺跡 5 & 6
遺跡 7 & 8
遺跡 9 ・ 何故か遺跡の中に居るロバ
それ以来、クサントスはローマ帝国による恒久的な保護と発展を享受して来たのです。しかしながら、町の建物はビザンチン時代の初期に荒廃したので、7世紀に住民はサーサーン朝やアラブ人から身を守るために町の背後の丘に後退し、その地を要塞化しなければなりませんでした。そして7世紀から8世紀にかけてのアラブの侵略をきっかけにクサントスはついに大部分が放棄され、取るに足りない村に落ちぶれて行ったのです。
石棺 1 & 2
石棺 3 ・ 墓
19世紀の前半にこの古代都市はイギリスの考古学者によって再発見され、それ以来ロンドンの大英博物館が多くの出土品を所有しています。その後2011年までフランスやその他の国が発掘調査をしていましたが、2012年にトルコ政府から発掘ライセンスを付与されなくなりました。
ところで、トルコにはその甘さで知られたお菓子があります。トルコ語でロクム、英語ではターキッシュ・ディライト(Turkish delight、「トルコの悦び」)と呼ばれる、砂糖にデンプンとナッツ(クルミ、ピスタチオ、アーモンド、ヘーゼルナッツ、ココナッツ)などを加えて作るお菓子です。スーパーにあるのはもちろん、町中には専門店もあります。その歴史はよく分からないけれども、トルコでは15世紀から作られていたそうです。こんにちではバルカン半島、ギリシャの他、欧米でも知られています。
ターキッシュ・ディライト 1 & 2
ロクム 1 & 2
食感はヌガーに似ていて、柔らかく弾力があります。色々な香料の香りがしてそれなりに結構ですが、私には少々甘すぎます。
〔2023年2月〕