ドイツのバイエルン州から国境を越えてオーストリアのチロル地方に入ると、山の中にフェルンシュタイン城塞があります。この城は13世紀の終わり頃に建造されたようで、おそらく、破壊、修理、再建、拡張などを経て現在に至るのでしょう。城に属するかたちで、美しい静かな湖があります。城はホテルになっているので、いつか宿泊してみたいと思います。
フェルンシュタイン城塞 ・ すぐ近くの湖
妻と私はさらに南下し、〈ノイシュティフト・イム・シュトゥーバイタル〉という名前の村まで来ました。ノイシュティフトという地名はオーストリアにいくつかあるのでしょう。だから〈シュトゥーバイ谷にあるノイシュティフト〉というのです。この谷のことは妻も私も知らなかったのですが、奥の方に氷河が見える静かな良い谷です。さらに知らなかったことは、この村が草津町の姉妹都市だということです。もっとも、地元の人が言うには、実際の交流はほとんど行われていないとのことです。
氷河を望む ・ 村の入り口にある看板
ここで泊まったホテルは 〈ベルクユヴェール = 山の宝石〉といいます。ウェルカムシャンペンを飲んだあと、化粧の濃い明るいレセプションスタッフが我々の広い部屋に案内してくれました。朝食はこのホテルで、夕食は徒歩3分の所にある同じ経営者のホテル〈ベルクコェーニヒ = 山の王様〉でとるようになっています。
泊まったホテル
レストランではメニューを注文したのですが、前菜2つとデザートは決まっていて主菜だけ4種類の中から選ぶシステムです。給仕は半分セルフサーヴィスで、サラダとパンと食後のチーズは自分で取りに行くのです。しかしながら妻も私もパンとチーズは食べませんでした。
まずサラダから始めました。野菜はすごい数の種類の中から、ドレッシングは数種類の中から自由に選べ、その野菜が新鮮で美味しいのです。
前菜のひとつは〈農民食風ハム〉のムースで、横にタマネギの輪切りがあります。美味しい。
ハムのムース ・ クリームスープ
もう一つの前菜はカワマスのクリームスープです。魚肉の姿は見かけないけれど、その香りと味はあります。なかなかいけます。
妻と私が選んだメインディッシュは子牛の背肉です。野菜のトマト煮込みがかかっていて、リゾットを少し添えてあります。あまり味気がないので塩をふると良くなりました。繊細さはないけれどもまあまあ結構、といったところです。
メインディッシュ ・ デザート
デザートはスイートレモンのパフェと木苺のラグー。別々ではなくて、混ぜて食べると美味しかったのです。
最後はごく普通のエスプレッソで締めくくりました。
全体的に量がちょうど良い上、サーヴィスが早いし手際が良くて1時間半で終わって良かった。ミシュラン1つ星で食べた次の日だったので、量と時間の差が顕著でした。
公平に見て、結構良いレストランだし美味しいと思います。妻も満足だったそうです。
朝食の部屋 ・ 私の朝食
朝食場はホテル内のシンプルだけど美しい部屋です。
朝食には珍しいハーヴ入り白ソーセージもあり、わりと豪華な朝食が出来ました。
興味深いのは、人参と生姜がゴロンと置かれていたことです。人参はそのままかじるか、ニンジンジュースを作るのでしょう。生姜は切片に熱いお湯を注いで、生姜ティーを作るのだと思います。
人参 ・ 生姜
このホテルは家族経営なので、家庭的居心地の良さがあります。
村のようす
シュトゥーバイ谷自体は、今まだ夏シーズンが始まったばかりなので少し寂しいのですが、夏のハイシーズンとスキー客のいる冬シーズンは賑わうと思われます。
〔2018年7月〕〔2024年2月 加筆・修正〕