何十年も前に、言葉によらない思考をしていたらしい私は
「遥かなノートルダム」という本で
思考は言葉によるものらしい、
ということで、とても驚いたのでした。
数十年ぶりに図書館で借りて読んでみると
それらしい部分は見つからず
逆にこんな言葉が見つかりました。
「言葉は思考ではない。」
記憶というのは不思議なものです。
さらにこう続いていたのでした。
「思考がその周囲をめぐり
定義しようとして
それに向うものである。」
あれからずいぶんたっていても
相変わらず、理解できない部分が多く
この本に登場する名著の数々も
読むことはなかったのでした。
ただ頭の部分にあるこの文だけは
何十年も前と同じように
心を強くとらえたのでした。
「時は容赦無く過ぎていく。」
あの頃と同じように、いやあの頃よりも一層
時の流れに追いつけず、流される日々なのでした。