牧師の読書日記 

読んだ本の感想を中心に書いています。

6月27日(木) 「渡辺善太全集6<聖書解釈論⑨>」 渡辺善太著

2013-06-27 06:44:20 | 日記

 聖書本文の意義決定的解釈の第二は「聖書の象徴的解釈」である。本からの引用。「人間の言語は本来象徴的性格をもっている。、、、、聖書の語句または表現が象徴的であるということは、その本文の辞義と文意とが、その解釈によって無視または変更せられるということを意味しない。その本文の辞義と文意とは、どこまでもそれが辞義的に意味するごとく解釈せられ、しかしてその結果その文章が象徴的であるか否かが問われるのである。」

 著者は聖書の表現において発見する象徴には五種類あるとしている。1.辞句的象徴、 2.秘義的象徴 3.具体的象徴 4.思想的象徴 5.行為的象徴 の5つである。

 それぞれについて結構詳しく説明されているが、一つだけ取り上げる。秘義的象徴には「色」や「数」などが象徴として用いられていることが書かれている。「数」の秘義的使用だが、「3」(三位一体の神など)は神的完全数を意味している。「四」(西南北南など)は地的または人的完全数。「7」(7日目、安息日など)は3と4が合わされた完全数。「十」(十戒など)は7と3が合わされた全数。「十二」(十二部族、十二使徒など)は神的完全数の3と人的完全数の4を乗じたものである。「四十」(ノアの洪水、イエス・キリストの受けた誘惑など)は「試練」や「審判」などを意味している。

 ただこの「数」の解釈も気を付けないと、聖書に出てくる「数」を何でもかんでも象徴的に解釈しようとすると、強引な解釈(自分にとって都合の良い解釈)となってしまい間違うことになる。