三国志(六)のタイトルは赤壁(レッドクリフ)の巻。
孔明は劉備に心を動かされ、臣下となり、曹操への対抗策として天下三分の計を説いた。すなわち、劉備と曹操、孫権とで天下(中国)を三分割して均衡を保たせ、時がきたらいつかは曹操を破り、天下を統一し漢王朝を再興させるという進言である。孔明はこのように言っている。「北に拠った曹操は、すなわち天の時を得たものであり、南の孫権は、地の利を占めているといえよう。将軍(劉備)はよろしく人の和をもって、それに鼎足の象をとり、もって、天下三分の大気運を興すべきである。」 またこのようにも言っている。「呉は遠く、曹は近く、結局われわれの抱く天下三分の理想、すなわち三国鼎立の実現を期するには、あくまで遠い呉をして近い曹操と争わせなければなりません。両大国を相うたせて、その力を相殺させ、わが内容を拡充する。真の大策を行うのはそれからでしょう。」
この第6巻では赤壁で孫権と組んで、曹操と対抗しようとしている。とにかく孔明の知性が光る巻である。