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観た映画の感想など

単騎、千里を走る。

2006-02-12 | 新作
末期ガンで入院中の息子に代わり、中国でする仮面劇を撮影するために旅に出る高田剛一。ところが息子が撮影する予定だった俳優、李加民は刑務所に入っていた。役人になんとか頼み込んで会わせてもらうと、李加民はは息子に会いたいと言って泣きだし、仮面劇どころではなかった。そこで剛一は彼の息子に会いにいくことを決意する。

張芸謀監督は「君よ憤怒の河を渉れ」以来の高倉健ファンだという。それが口先だけのものでないことはこの作品をみればわかる。高倉健が「立っているだけでサマになる」俳優だということをよく理解しているようで、道端に立つ高倉健のロングショットが何度か出てくる。

高倉健が演じる高田剛一は、結局のところ「単騎、千里を走る」というほど苦労しているわけではない。日本語をカタコトしか話せないガイドはガイドは身ぶり手ぶりだが、無口な高倉健に身ぶり手ぶりは似合わない。この映画では困ったら携帯電話で別のガイドに連絡して通訳してもらっていた。便利すぎる。その一方、ナレーションの形で高倉健に高田剛一の心情を語らせたため、「無口な高倉健」のイメージが薄まっているようにも感じた。ナレーションで心理描写というのは安易すぎるが、日中合作だとこのあたりが限界なのだろうか。


公式サイト:http://www.tanki-senri.com/
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評価:★★★★