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観た映画の感想など

GOAL!

2006-05-29 | 新作
メキシコ生まれの青年、サンティアゴがイングランドのプレミアリーグで活躍するまでを描く、FIFA公認のサッカー映画。

サンティアゴは父に連れられてアメリカに不法入国。ロサンゼルスの地元チームで活躍しているところが元サッカー選手のグレンの目に止まる。サンティアゴはグレンのすすめに従ってイギリスへ渡り、ニューカッスル・ユナイテッドのトライアルを受ける。

サッカー選手になる夢を理解しようとしない父、新入りをつぶそうとするニューカッスル・ユナイテッドの先輩選手、失敗すれば後がない人生。しかしギリギリのところで助け船を出してくれる人が現れる。そんなサンティアゴを演じるクノ・ベッカーは20代後半だが、カワイイ感じ。みんなに愛されるキャラクターか。

しかし、あっというまにプレミアリーグで活躍するようになるのは凄すぎないか? 次回作ではレアル・マドリードに移籍するようだし。もうちょっと底辺でもがいた方が映画的には面白かった気がする。

公式サイト:http://www.goalthemovie.jp/
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評価:★★★★★

ナイロビの蜂

2006-05-15 | 新作
人道支援活動に参加しているテッサと、外交官の夫ジャスティン。テッサは製薬会社がケニアで新薬の人体実験を行っていることを知り、告発しようとするが、何者かによって殺されてしまう。ジャスティンは外交官の職務を捨て、妻がやり残した仕事を続けようとする。

純愛映画みたいな宣伝とは違い、殺人事件の謎ときを中心にした硬派なサスペンスだ。テッサを演じたレイチェル・ワイズがこの作品でアカデミー助演女優賞を受賞したが、ジャスティン役のレイフ・ファインズも退屈な外交官が妻の死をきっかけに変わっていくさまを好演していた。

それにしても、先進国の映画界が貧困・腐敗・独裁といったマイナスイメージから離れてアフリカを描く日は来るのだろうか。

公式サイト:http://www.nairobi.jp/
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評価:★★★★★


RENT

2006-05-13 | 新作
ニューヨークで暮らす若者たちを中心にしたミュージカル。家賃も払えないままボロアパートに居座りつづけるミュージュシャンのロジャーとドキュメンタリー作家志望のマークを中心に、ロジャーにアタックするダンサーのミミ、マークの元恋人のモーリーン、モーリーンの現在の恋人のジョアンヌなどが登場する。

かなり「純度の高い」ミュージカルで、普通のセリフはごくわずか。予告編に使われていて、本編では冒頭で流れる"Seasons of love"がとにかく素晴らしい。とくにジョアンヌ役のトレーシー・トムズの声がいい。もう映画の続きはいいからこの曲だけ繰り返し聴かせてくれ、と思ってしまったほど。ジョアンヌが歌うシーンがもっとあったらよかったのだが。

同性愛のカップルが二組登場し、そのうち一組は両方ともHIVキャリア。もう一組は結婚式を挙げ、両親にも祝福される。普通の映画なら深く掘り下げるテーマだが、ミュージカルなので歌とともに流れていった。いいのか悪いのか。

公式サイト:http://www.movies.co.jp/rent/
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評価:★★★★

戦場のアリア

2006-05-02 | 新作
第一次大戦時、フランス軍、スコットランド軍、ドイツ軍が対峙する最前線でクリスマス休戦が実現し、敵同士の兵士たちが塹壕から出て交流した。そんな歴史的事実を描いた作品。

ドイツ軍の兵士として前線にいたオペラ歌手が歌っていると、それを聴いたスコットランド軍から拍手が起こる。さらにスコットランド軍の兵士がバグパイプを演奏し、オペラ歌手がそれに合わせて歌いながら塹壕から出ていく。戦場の空気は消え、戸惑っていた将校たちも「頂上会談」で休戦することに決める。

たんに休戦するだけでなく、兵士たちが交流を始めてしまうのが面白いところだ。見ぶり手振りで話し、家族の写真を見せあい、サッカーに興じる。挙げ句のはてには敵軍に「これから我が軍の砲撃がある」と知らせ、自軍の塹壕に避難させてしまう。もう休戦どころではない。

ただ、映画作品としてはちょっと単調だったか。戦場で兵士たちが交流した事実を淡々と描いただけのように感じた。そんなことが起こったのは兵士たちの間に厭戦気分が広がっていたからだと思うのだが、その描写は十分ではなく、オペラ歌手が奇跡を起こしたかのような物語になっていた。

公式サイト:http://www.herald.co.jp/official/aria/
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評価:★★★★