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観た映画の感想など

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公共の敵

2006-03-26 | 新作
型破りなアウトロー刑事と冷血な連続殺人犯が対決。

ソル・ギョングが演じるカン・チョルジュン刑事は、チンピラにたかり、堂々と無断欠勤し、麻薬取り引きまでやっていて、監察課に目をつけられている。一方、イ・ソンジェが演じるファンドマネージャーのチョ・ギュファンは、ちょっとしたトラブルで人を殺してしまう冷血な殺人鬼の顔を持つ。ギュファンは金銭トラブルで両親を殺すのだが、チョルジュンは直観的にギュファンが犯人だと確信。上司の指示も聞かずにギュファンを追いかけ回す。

熱血刑事と凶悪犯の対決、というストーリーならありふれているが、この作品は警察のデタラメさを徹底的に描いているのが面白い。チョルジュンにかぎらず刑事たちはろくに働かず、課長は怒鳴るしか能がない。それだけでなく、チョルジュンが適当にしょっぴいてきたヤクザを懸案の窃盗事件の犯人に仕立てようとしたとき、課長もそれに荷担してしまうのだ。監督は警察に対する不信感を広めたいのか、と疑いたくなる。コメディータッチなので怒る前に笑ってしまうのだが。

2002年の作品だが、たまたまシネマート六本木で「韓流シネマ・フェスティバル2006」をやっていたので見れた。既に続編も公開されているようだ。なんとか観る機会はないものだろうか。

公式サイト:なし
トラックバック先:なし
評価:★★★★★

白バラの祈り

2006-03-25 | 新作
ナチス時代のドイツで反戦ビラを作って逮捕、処刑された女子学生の物語。

ゾフィー・ショルは反戦グループ「白バラ」の活動に参加し、ビラを作って兄とともに大学へ行く。人目につかないように注意してビラを廊下に置いていったが、大学当局の人間に目撃されてその場で逮捕されてしまう。ゾフィーは最初は犯行を否認するが、いっしょに逮捕された兄が犯行を認めたことを知って方針を転換。ヒトラーの功績を主張する尋問官モーアに対し、ナチスがユダヤ人や精神障害者を虐殺していることを指摘し、ドイツ兵は無駄死にしていると断言する。モーアが「兄に言われてやっただけということにしろ」とすすめても拒否し、断頭台を選んだ。

ゾフィー役のユリア・イェンチは眼に力強さがあった。モーア役のアレクサンダー・ヘルトはナチスを支持しつつもゾフィーに助け船を出すという役どころを好演。

ただ、ゾフィーとモーアの対決が作品の大半を占めていて、白バラがどんなグループだったのかは簡単に描かれているだけなのは残念だった。ちょっと単調すぎる感じ。尋問官と議論して何の意味があるのか?と思ってしまった。


公式サイト:http://www.shirobaranoinori.com/
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評価:★★★★
コメント (2)

クラッシュ

2006-03-21 | 新作
人種間の「衝突」をテーマにロサンゼルスの二日間を描く。

人種差別主義者の警官グラハムは、黒人夫婦が乗る車を止めて難癖をつけ、武器の検査と称して妻の全身を触りまわる。同僚の巡査ハンセンは嫌悪感を抱き、配置転換を願出る...

雑貨店を営むペルシャ人ファハドは、ヒスパニック系のダニエルに鍵の修理を依頼する。ダニエルは鍵よりもドアを直すべきだとアドバイス。しかしファハドはアドバイスを言葉通りに受け入れず、鍵を直せ、と繰り返した。その晩、店が強盗に荒らされてしまう。ファハドはダニエルを逆怨みし、銃を持ってダニエルの家へ向かう...

こんなエピソードがいくつも折り重なり、アメリカ社会の現実をえぐりだしている。昨日見た「シリアナ」が大きなストーリーの中に複数のエピソードを配置しているのに対し、この作品は複数のエピソードで一つのテーマを描いていると言えそうだ。

人種差別主義者のグラハムは、後半になると逆の役回りになっていく。彼に嫌悪感を抱いたハンセンは、彼自身にとっても意外だったであろう事件を引き起こす。問題の難しさが浮き彫りになる展開だ。

ダニエルが娘に着せた「透明のマント」のエピソードは一服の清涼剤。


公式サイト:http://www.crash-movie.jp/
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評価:★★★★

シリアナ

2006-03-20 | 新作
改革指向をもった中東某国の王子と、彼によって利権を失いかけているアメリカの石油企業との関係がストーリーの中心だ。そこに、王子を暗殺するよう指示されたCIA工作員、王子にとりいってビジネスを拡大しようとするエネルギーアナリスト、石油企業の合併話に割り込んでいく弁護士、油田で働いていて解雇されたパキスタンの青年、といった様々な関係者のストーリーが折り重なる。

「トラフィック」の脚本を書いたスティーブン・ギャガンが脚本と監督をつとめていて、この作品も複数のストーリーが並行して進むという同じスタイルになっている。ただ、「トラフィック」よりこの作品のほうが難しくなっている感じがする。もっとハッキリ言えば、複雑すぎて理解できない。

ただ、この作品はアラブ人がナマ身で描かれているのが非常にいい。油田を解雇された青年がイスラム神学校に誘われ、「テロリスト」へと仕立てあげられていく過程が丁寧に描かれている。ハリウッド風の、紋切り型の「テロリスト」像にはなっていない。また、「SAYURI」に出てくる日本人や「ホテル・ルワンダ」に出てくるルワンダ人が英語しか喋らないのとは異なり、この作品に出てくるアラブ人はちゃんと自分自身の言葉を喋っていた。


公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/syriana/
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評価:★★★★

送還日記

2006-03-18 | 新作
韓国の非転向長期囚が釈放されてから北朝鮮に送還されるまでの日々を記録したドキュメンタリ。

彼らは1990年代に次々と釈放され、韓国での生活を始める。市民運動のグループやカトリック教会が彼らの生活を支援。その関係でこの作品のキム・ドンウォン監督と接点ができた。当時、非転向長期囚を無条件で北に送還すべきか、拉北者や国軍捕虜との交換にするべきか、という論争があり、監督は無条件送還を主張する趣旨のドキュメンタリとしてこの作品の撮影を開始したという。しかし2000年の南北首脳会談によって送還が実現し、そのようなドキュメンタリを作る必要がなくなった。

そんな経緯を反映してか、この作品はタイトル通り日記のスタイルだ。非転向長期囚が歌で金日成を讃えるのを聴き、戸惑ったこと。以前は北朝鮮に友好的だった旧知のジャーナリスト(石丸次郎氏)が北朝鮮の体制を批判するのを聞き、否定しきれないものを感じたこと。普通なら作品の背後に隠れてしまう、そんな監督の思いがナレーションとして挿入されている。12年にわたったという撮影期間の重みを伝えるにはそれがちょうどよかったのかもしれない。私はナレーションの多い作品は嫌いなのだが、このドキュメンタリのスタイルには全く違和感がなかった。

ところで、この作品は釈放された非転向長期囚がたくさんの人々によって支えられていたことを伝えている。しかし作品中に出てくる送還後に北朝鮮が作ったニュース映像は「南でひどい目にあった英雄が北に戻って幸せに暮らしている」という基調だった。南にいた頃のほうが生き生きとしているように思えたのは私の先入観によるものだろうか。

公式サイト:http://www.cine.co.jp/soukan
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評価:★★★★★

力道山

2006-03-11 | 新作
戦後のヒーロー、力道山の生き様を描く。

戦争中に相撲部屋に入門し、戦後に関脇まで昇進したが、不可解な理由で大関にはなれなかった。そこでプロレスに転向し、アメリカで修行して(日本にはまだプロレスはなかった)、日本に戻り日本プロレス協会の設立に参加。プロレスブームを巻きおこす。

みどころは何といっても力道山役のソル・ギョングだ。体重を増やしてガッシリした体つきになり、試合のシーンは迫力十分。ほとんど日本語ばかりのセリフもこなしている。見事な役者魂と言うしかない。日本語が完璧でないところは、レスラーとして大成功しつつも孤独だった点を表現するにはちょうどよかったとも言えそうだ。

力道山を非の打ちどころのないヒーローとして描いているわけではない。力士時代、後援会長に取りいるために一芝居打ったり、レスラーとして成功した後、朝鮮人の旧友が訪ねてきても「朝鮮語を喋る友人はいない」と言って会おうとしなかったり。最後はチンピラに難癖をつけてボコボコにし、反撃で刺されてしまう。プロレスの世界がヤクザとつながっていて、八百長もあった点も描かれる。力道山は八百長の約束を破って試合に勝ってしまうのだが、それでも八百長を約束したという事実が消えるわけではない。この映画をみて力道山の偉大さを再確認するのは難しい。

興味深かったのはアメリカから来たシャープ兄弟との対戦シーン。卑怯な反則技を使うシャープ兄弟に力道山が反撃すると、実況のアナウンサーと解説者は「ニッポン、バンザイ!」と我を忘れて絶叫する。あれれ、韓国映画がこんなふうに盛り上がっちゃっていいのか?と戸惑った。


公式サイト:http://www.sonypictures.jp/movies/rikidozan/
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評価:★★★★★
コメント (2)

機動戦士ZガンダムⅢ-星の鼓動は愛-

2006-03-10 | 新作
劇場版Zガンダムの第三作。

ティターンズとエウーゴの戦いにジオン再興を掲げるアクシズが割って入り、三つ巴の戦いになる。さらに各勢力内部での権力争いもあり、テレビシリーズの知識がない私にとっては全く理解不能なストーリー展開。Wikipediaあたりで予習しておくべきだったか。

今回出てきた一番の悪役はアクシズのハマーン・カーンだと思うが、それが対ティタイーンズでエウーゴと手を組むというのは分かりにくすぎるし、見ていて腹立たしかった。戦闘シーンも、カミーユやクワトロが敵を次々に撃破、というわけではなく、互角の戦いばかり。爽快感がない。

ガンダムシリーズにモビルスーツが登場せず、したがってガンプラが派生せず、したがってガンオタが発生しなかったとしたら、ガンダムシリーズは高級な戦争ドラマとして宮崎駿作品に匹敵する位置を獲得できたのかもしれない。しかしそうはならなかった。ガンダムシリーズはしょせんガンオタのための作品にしかなっていない。惜しい気がする。


公式サイト:http://www.z-gundam.net/
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評価:★★★★★