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風の子広場

特別な意味はありません。近くの広場です。
考えごとをするのに最適な場所です。
エッセーを中心に書いてゆくつもりです。

地下鉄サリン事件(2)

2007-11-07 18:19:20 | 病院のお話
地下鉄サリン事件は1995年三月20日に起こ
った。12人が死亡、数千人が被害者になった。
過去に前例をみない、大惨事になった。少なから
ず、設計に関与している病院が、治療の最前線に
なったことは、生涯忘れるこたはできない。

それから、FY病院の設計の時、病院敷地予定地
の隣り村が、例のサリンを製造していた、サティ
アンのあった村である。この村は、実に空気の良
い村であったことを思い出します。

サリン事件に、関与した信者たちの多くは死刑の
判決がでている。仕方がないといえば、それっき
りですが、信じるということは疑うということが
できなくなることなのかも知れない。

人間を「ばか」にする3つの要素があると、司馬
さんは指摘されている。3要素とは、民族・宗教
そして国家。少量の「ばか」が集団になって、一
目的に対して熱狂がおこると、足し算ではなく、
掛け算になってとんでもない愚考をやる。 真

地下鉄サリン事件(1)

2007-11-05 19:37:20 | 病院のお話
もう何年前になるだろうか?オーム真理教の一派
が起こしたテロ事件です。バイオテロと言っても
いいと思う。

この事件の第一報を聞いたのは、地下鉄の電車の
中であったことをはっきり覚えている。電車のア
ナウンスでは、誰かが白い粉を撒き散らしている
ようですというものでした。

この事件は、詳細がわかるのはずーと後のことで
すが、事件現場の近くの病院には、大勢の被害者
が担ぎ込まれていた。その中に私が設計に関与し
たS病院があった。

この病院は、アメリカの最新の技術を反映して、
作られていた。サリンは神経系にダメージを与
えるようです。サリンは毒ガスで、治療方法は、
普通の医学の守備範囲を逸脱していた。

猛毒の毒ガスをばら撒くなんてことを想定して
いた人はほとんどいなかった。治療方法がわから
なかった。こんな非常事態にこの病院が果たした
役割は大きかった。

病院は、災害(天災も人災も)時には戦場になる
という設計があることをはじめて知りました。
なりふりかまわず、人命を救助する。こんな病院
の設計思想を学ぶことができました。  真

清潔好き

2007-10-31 17:15:40 | 病院のお話
女性に多いのですが、手をひっきりなしに洗う人
がいます。石鹸をつけて丁寧に、10回も20回
も、洗っているのです。手は真っ赤になります。
当然冬は、血がにじんできます。

ここまでする必要はないと、忠告しても効果はあ
りません。こういうタイプに人は、自分は清潔だ
と思っているのでしょう。政治家は見習うべきで
しょうが、一般人は見習うべきではない。

皮膚は一番細菌がいるところです。どうせ細菌な
んて肉眼では見えない。空気中にも、水の中にも
食べ物にも、たくさんいる。人間の体の細胞の数
100兆まではいないと思うが、とても数えられ
る数ではない。

通常の状態では、細菌は免疫機構と、絶妙のバラ
ンスの上に成り立っている。このバランスが崩れ
ると病気になる。私は目に見える汚さはあまり気
にならない。しかし、目に見えないもののほうが
怖い。                真

白内障

2007-10-29 18:00:50 | 病院のお話
私も60歳をすぎたことや、糖尿病を背負って
いるので、半年に一度のペースで眼科で白内障の
定期検査を受けている。今のところ問題はないが
血糖値の高い分、白内障になるのが早いかもしれ
ない。

高齢化すると必ずといってよいほど、人間は白内
障にかかる。今のところ自覚症状はない。眼科医
も、半年に一回定期検査を受診してくださいと
言うだけで済んでいる。

私の母も、80歳をすぎて白内障の手術をした。
日帰り手術が可能なほど簡単なものです。ちらつ
きなどの症状がでたら手術をしてしまったほうが
楽とも考えられる。         

もうひとつ、眼のことで気にかかることがある。
老眼にかからない人がいるかということです。
私の眼はいっこうに、老眼になる気配がない。し
たがって、めがねをかけていないが、右目は
0.1も見えていない。ただ、視力検査ように
暗記しているだけ。

左は良いときは1.0で、バランスが悪い。私の
眼は左右の眼で、近眼と老眼対策の役割分担をし
ているのかもしれない。小学校6年ぐらいから、
ずーと現状を維持している。 


血液製剤

2007-10-28 15:52:44 | 病院のお話
薬害エイズに続いて薬害C型肝炎が問題になって
いる。血液製剤は、人の血液から作られる薬です
薬の需要多く、献血だけでは間に合わないので、
外国から輸入しているようです。

外国産は、ほとんど売血を原料に作られているよ
うです。エイズのときは外国産の非加熱製剤が問
題になりました。人間の血液ですから、当然病原
菌を含む恐れがあります。これからも同じでしょ
う。

問題なのは、薬ですから副作用がある。その副作
用は、使っていないとわからないものがやっかい
です。インターネットの時代なのだから、危ない
と思ったら、ただちに服用を中止する勇気をもつ
ことが重要です。

厚生省は、新薬認可までは、慎重過ぎるほど長い
時間をかけているが、中止するときは自らの保身
を図って、責任回避をする。薬害エイズの反省は
どこにも見当たらない。

薬ですから副作用はいかんともしがたいところも
ある。なにかとよくにていませんか?そうです。
ウィンドウズです。         真

洗面台の鏡

2007-10-27 18:28:39 | 病院のお話
洗面台の鏡のことですが、普通はどこの家でも
あるでしょう。ところが、病院の洗面台の鏡は
必ずしもあるとは限りません。何故かわかりま
すか。

たとえば、抗がん剤治療中の患者さんは、髪の
毛が抜けて行くのです。髪の毛が抜けて行く自分
の顔を見たくない人は、発作的に鏡を割ってしま
う場合があります。

いくらまた新しくしても、同じです。また割られ
てしまいます。そうするうちに、鏡はなくなって
しまいます。多分、エイズ患者の末期は顔がくず
れてしまう可能性があります。

こんな患者さんの病棟は、照明もつけない、つけ
てない可能性もあります。こういう病棟では息を
するのも怖くなります。鈍感な私もおしっこをち
びりました。

病院にお見舞いにゆく場合は、患者さんの病気を
確認してから行った方がよいです。患者さんから
移される場合と、逆に、移す場合があることを忘
れないでください。

私の仕事上で付き合っていた人なんですが、白血
病でなくなりましたが、この場合は、面会はでき
ません。クリーン病室にいる可能性が高く、患者
さんに、病気を移す可能性が非常に大きいからで
す。                真

エイズと結核

2007-10-24 18:08:25 | 病院のお話
昔の話です。今も変わってはいないでしょう。
ある大学の付属病院で、法医学解剖室を作ること
になりました。当然、設計与条件を聞くために、
大学の研究室を訪問しました。

法医学で扱う遺体(死体ではない)は、警察が絡
んでいます。腐乱したものや白骨化したものなど
さまざまです。名取裕子さんが主演しているよう
なきれいごとでは済まされません。

「こういう写真を見せたくはないのだが」と前置
きされてヘアヌード写真を見せてくれました。
当然全裸の遺体です。全裸写真を見ることはあっ
ても、死んでいるものを見た人は少ないのではな
いかとおもいます。

そんな先生が、私も解剖をやってて怖いことがあ
る。先生は、その怖いものに、エイズと結核をあ
げていました。エイズは最近は話題になっていま
せんが、アフリカでは悲惨な状況になっている。

次に、結核なのですが、過去の病気ではない。
耐性結核菌は、抗生物質が効きません。有名人で
最近なくなった人は、渥美清さんが結核だったら
い。

病原菌のほうは、人間より勤勉で子孫を残すのに
必死です。地球温暖化で、どんどん変身して行く
可能性があります。厚生省はなかなか更正してく
れないのが問題があります。

法医学解剖が終わった後は、シャワーを浴びて、
帰る電車の中で、その強烈なにおいで、女の子は
近寄ってこないと言っていました。   真