F1ハンガリーGPは3日目を迎えました。東欧のレー
スとして初のレースになったのがハンガリーGPですが、
その舞台は、首都ブタペストの郊外にあるハンガロリ
ンクになります。
全長が、4.381kmとなっており、14のコ
ーナーで構成されたこのコースとなっています。決勝
では70周するので306.63kmで争う事になります。
このサーキットは低速コースであり、オーバーテイク
が難しいレイアウトとなっているため、マシンの性能差
が縮まる上、抜くに抜けない車の後方に数台が連なる事
も多く、過去幾多の名勝負が繰り広げられています。
ブレーキとギアボックスに厳しく、コース内のレ
イアウトも最長のストレートが800m程で、回生を
行うための場所も少ないため、マシンの性能差が出
にくいサーキットになっています。盆地のなので晴
れが多く、暑くなりやすいはずですが、昨年の予選
Q1は荒れに荒れ倒し、SCが4度も入って11台のマ
シンが107%を切り決勝はどうなるんだろうか?と
言う状態でしたから、
【 盆地なので雨は降らない 】
というのも本当だろうか?と疑いたくなりますが、
雨が降ると信じがたい事が起きています。あと、
気温が低いレースもあるので、天候次第で結構変
わってくるのもこのコースの特徴と言えます。近
年のレースでは、特に雨の影響があったレースが
複数あるので、雨が降らないと言う印象は少ない
ですが、昨年の決勝はドライで行われています。
あと、ここはホンダにとっても思い出のある
コースで、ジェンソン・バトン選手がBARホンダ
の時代に初優勝を果たしたのもここですが、あの
レースも雨で荒れ続々とマシンが消えていく壮絶
なレース展開となりました。
モナコ同様に抜きにくいコースレイアウトのた
め予選のグリッドと決勝の戦略が非常に大きいウ
ェイトを占めます。しかし、これまでのハンガロ
リンクのポールシッターが必ず勝っているわけで
もなく、勝率は5割を切っているため、マシンの速
さも当然の事ながら、チームの戦略や采配。ピッ
ト作業なども明暗を分ける事が多いようです。
コースレイアウトは、コントロールラインを通過
すると、急激に下りながら鋭角なヘアピンとなった
1コーナーへ向かいます。搬入通路のアンダーパス
を下り、緩い左ヘアピンを通過。
すぐに右90度ターンを迎えて高低差の激しいアッ
プヒルストレートへ。スピードを生かしたまま、ハ
ンガロリンクでも屈指の難コーナーであるブライン
ドとなった超高速の6コーナーを通過し、スピード
を殺さずに右に大きく回り込む7コーナーへ。
ここからは上り坂が続き、右→左のシケインを通
過します。W字になった連続中速コーナーを抜ける
と2003年に改修されたダウンヒルストレートから右
90度コーナーを通過。左→右と続く連続180度ター
ンをまわって1周となります。
低速コースと言われていますが、低速コーナーばか
りという事ではなく、アップヒルストレートからの左
の高速6コーナーやアクセル全開で抜けるW字コーナ
ーの出口である13コーナー、その直後の右に切れ込む
14コーナーなど高速コーナーも3箇所存在しています。
1つのコーナーでミスをすると3つ4つ先のコーナー
までも確実にタイムを失います。
今回のグランプリはバルテリ・ボッタス選手とキ
ミ・ライコネン選手は母国GPになります。
このコースのポールタイムは、2010年にセバスチャ
ン・ベッテル選手が記録した1'18.773で、ラップレコ
ードは、2004年にミハエル・シューマッハ氏の記録し
た1’19.071となっています。
ちなみに、現役ドライバーで優勝ですが、
■ 2003年 フェルナンド・アロンソ選手
■ 2005年 キミ・ライコネン選手
■ 2007年 ルイス・ハミルトン選手
■ 2009年 ルイス・ハミルトン選手
■ 2012年 ルイス・ハミルトン選手
■ 2013年 ルイス・ハミルトン選手
■ 2014年 ダニエル・リカルド選手
■ 2015年 セバスチャン・ベッテル選手
■ 2016年 ルイス・ハミルトン選手
となっており、ルイス・ハミルトン選手が最多となってい
ます。
今回ピレリが持ち込んだタイヤは
■ ミディアム(白)
■ ソフト(黄)
■ スーパーソフト(赤)
の三種類となっており、今回のグランプリのタイヤチ
ョイスですが、各チームともソフトは1セットのみで
残りの二セットを同じような数量選択しています。
前回のイギリスGPでフェルナンド・アロンソ選手
(マクラーレン・ホンダ)はパーツの交換を行い全て
のペナルティーを消化してこのハンガリーに来るよう
にしていましたから、マクラーレン・ホンダは、ハン
ガリーのレースにかける意気込みがうかがえます。
また、今回のハンガリーGPからザウバーが新しい
空力パッケージを導入したニュースと、ザウバーの時
期シーズンのエンジンとしてホンダではなくフェラー
リを選んだと言う事っが報じられています。
また、ホンダですが、トロ・ロッソとのエンジン契
約交渉を示唆しているという話が出ており、今後の行
方が気になるところです。
初日のセッションでは、午前午後共にダニエル・リ
カルド選手(レッドブル)がトップタイムをマークしてい
ます。2日目になり、予選前に行われた、FP3では、
ポイントリーダーのセバスチャン・ベッテル選手(
フェラーリ)が1'17.017でトップタイムをマークして
おり、2番手タイムには母国GPとなるキミ・ライコネ
ン選手(フェラーリ)が着け、1-2タイムとなりました。
迎えた予選ですが、昨年は大前で大荒れとなりま
したが、今回の予選は天候に恵まれ、26.1℃の気
温のなか行われました。
予選では、初日から速さを見せていたマクラーレ
ン・ホンダが2台揃ってQ3進出を果たしており、グ
リッドが気になる展開となりましたが、Q3では、セ
バスチャン・ベッテル選手(フェラーリ)が今季2回
目、通算47回目のポールポジションを獲得して
います。2番手には、母国GPのキミライコネン選
手(フェラーリ)が着け、フェラーリがフロント・ロウ
独占となりました。
3番手には母国GPのバルテリ・ボッタス選手(
メルセデスAMG)が、4番手にはハンガリーでは
最多優勝のルイス・ハミルトン選手(メルセデスA
MG)が着けています。
5番手には、マックス・フェルスタッペン選手(
レッドブル)、6番手にはダニエル・リカルド選手
(レッドブル)が着け、この6台が1'16秒台のタ
イムをマークしています。
7番手には、ル・マン優勝経験者のニコ・ヒュ
ルケンベルグ選手(ルノー)、8番手には、フェ
ルナンド・アロンソ選手(マクラーレン・ホンダ)、
9番手にはストフェル・バンドーン選手(マクラ
ーレン・ホンダ)が着け、上位グリッドからレー
スを戦う事になります。そして、10番グリッドに
は、カルロス・サインツ選手(トロ・ロッソ)が着
けています。
ハンガリーGPのスケジュールですが、
【 7月30日(日) 】
■ 決勝(70周)
21:00~(14:00~)
となっています。今年も中継は有償放送のみとなって
おり、CSのフジテレビNEXTのみで、
【 7月30日(日) 】
■ 決勝(70周)
20:30~23:50
となっています。