先週のアメリカGPの興奮冷め止まぬ中、F1はメキ
シコへとやってきました。
前戦ではルイス・ハミルトン選手(メルセデスA
MG)がポール・トゥ・フィニッシュを飾ってお
り、ランキング2位のセバスチャン・ベッテル選
手(フェラーリ)との差が開き、メルセデスは
アメリカGPでコンストラクターズタイトル4連覇
となったわけですが、マックス・フェルスタッペ
ン選手(レッドブル)の四輪脱輪でのペナルテ
ィーでポジションダウンとなりポディウム獲得
とならなかったものの、フェラーリが2-3フィニ
ッシュと言う形で幕を賭して時ます。
隔週開催のF1ですが、今回はダブルヘッダーで、
今日からメキシコGPが開催となります。
2017 Mexico Grand Prix | Fast Facts
メキシコGPは、1962年から開催されたグラン
プリですが、二度程開催されていない期間があ
ります。一度目は1971年~1985年で、その後、
1986年から開催となる物の1993年からは開催
されなくなり、2015年からシーズンカレンダー
に復活しています。
今回は、セルジオ・ペレス選手にとっては
母国凱旋のグランプリとなります。
この場所は、1965年にRA272改でホンダが初
優勝を果たした場所でもありますが、中村良夫
さんが監督に復帰され、臨んだレースでは、監
督自身が航空機の設計・開発の経験者であった
ためガソリン混合比など低気圧環境下でのエン
ジンセッティングを行い優勝に導いたと言われ
ています。ポイントすら取れない状態だったチ
ームが初優勝を果たし、グッドイヤーにとって
もF1初優勝。そして、ドライバーだったリッチ
・ギンガー選手もこのレースで初優勝を果たし
ています。そして、マシンのセッティングはす
さまじく、リッチ・ギンガー選手がレース後に
【 マシンをセーブして走った 】とコメント
したと言う記述が残っています。
そして、再開が決まって回収工事が行われ、
2015年からレースが復活したので、近年では
2度しか開催されておらず、メルセデス一強
時代でしたから、メルセデスが2勝を上げて
おり、初開催はニコ・ロズベルグ選手が、そ
して、昨年のレースでは、ルイス・ハミルト
ン選手(メルセデスAMG)がポール・トゥー・
フィニッシュを飾っています。その為、現役
ドライバーではルイス・ハミルトン選手が唯
一の優勝を果たしています。
■ サーキット
今回舞台は、
エルマノス・ロドリゲス・サーキット
・ 全 長 : 4.304 km
・ コース幅 : 4m
・ コーナー : 16
でメキシコシティの中心地から車で20分程度の距
離にあり、メキシコシティ国際空港近くの市立公
園内にあります。
この一帯にはスポーツ施設が集まっており、サー
キットの最終コーナー内側にはフォロ・ソルとい
う野球場がありましたが、2015年の改修では野球
場のスタンドを観客席として再利用し、グラウン
ドがあったところにインフィールドセクションを
設けています。
最終コーナーの向こう側にはフェリックス・キャ
ンデラ氏が設計し、1968年メキシコシティオリン
ピックの室内競技場となったパラシオ・デ・ロス
・デポルテス(スポーツパレス)の屋根が見えま
す。
このサーキットは標高約2300mの高地に位置する為、
海抜0m地点と比較して22%も空気が薄くなっていま
す。
その為、エンジン性能および空力性能が大きく低下
します。自然吸気エンジンの場合15%低下するので、
通常の場所とは全く環境が異なります。また、空気
抵抗の影響はブレーキにも関係してくるので、ブレ
ーキダクトの面積を2,3割は大きくする必要が出て
くる計算になります。1周走行するのにおよそ80秒、
そのうちブレーキを使用する時間は約22秒、1周あ
たり27%程はブレーキを踏んでいることになります
から、当然、ブレーキトラブルが多くなります。
空気抵抗が少ないと言う事は、ストレートスピード
は伸びやすいため、サーキットに二つ存在するスト
レートでは最高速度が伸びます。2015年にはホーム
ストレートで366km/hを記録しており、速度が出や
すくブレーキが利きにくいという環境でのセッティ
ングを行う事になります。
こうした環境下だとエンジン内で混合気を燃焼さ
せるような内燃機関を用いた物だと速度が著しく
落ちるので、前回区間が多い割にはストレートス
ピードが伸びなくなるのですが、近年のパワーユ
ニットではそうした影響がないため、モンツァの
ような高速サーキットになっています。しかし、
ターボチャージャーを利用している場合、高回転で
吸気をしているため、空気が薄いとターボチャー
ジャーの信頼性が高くなければ厳しく、負荷が増
える為、信頼性と効率性の双方が求められること
になります。
サーキットの路面は荒れており、ほこりも多く、
マシンがこすれて火花が出るような状況もあり、
速度が出て止まりにくく空気も薄いという条件
で最適なセッティングを見つける事になります。
セクター1 : 高速セクション
セクター2 : 中・高速コーナー
セクター3 : 低速コーナー
とすべての要素が存在しますが、それがセク
ターごとに奇麗に配置されたレイアウトにな
っています。
2015年のピレリのタイヤシミュレーションの動画
でサーキットのレイアウトは確認できますが、
エルマノス・ロドリゲス ピレリのタイヤシミュレーション
のようなレイアウトになっています。
■ タイヤ
今回ピレリは、アメリカGP同様に
■ ソフト(黄)
■ スーパーソフト(赤)
■ ウルトラソフト(紫)
を導入しており、各ドライバーごとに
のような違いがあります。
今回のGPでは前回、PUが壊れたフェルナンド・アロンソ
選手(マクラーレン・ホンダ)のマシンにアップデート
版の新型PUが実装されるため、最後尾スタートとなって
おり、トロ・ロッソは、今回のGPでは、
■ ブレンドン・ハートレー選手
■ ピエール・ガスリー選手
を起用すると発表しています。
また、チケットは別売となりますが、予選後には、
ポール・マッカートニーさんのライブもあるようです。
【 10月27日(金) 】
■ フリー走行1回目
24:00~25:30(現地時間 10:00~11:30)
■ フリー走行2回目
28:00~29:30(現地時間 14:00~15:30)
【 10月28日(土)】
■ フリー走行3回目
24:00~25:00(現地時間 10:00~11:00)
■ 公 式 予 選
27:00~28:00(現地時間 13:00~14:00)
【 10月29日(日)】
■ 決 勝
28:00~ (現地時間 14:00~)
となっています。F1は日本GPはBSで放送がありまし
たが、基本は有償放送のみなので、今回もそうなっ
ており、CSのフジテレビNEXTとオンデマンドのDAZN
のみで中継が行われることになっており、
【 10月27日(金) 】
■ フリー走行1回目 23:55~25:40
■ フリー走行2回目 27:55~29:40
【 10月28日(土)】
■ フリー走行3回目 23:55~25:10
■ 公 式 予 選 26:50~29:00
【 10月29日(日)】
■ 決 勝 27:30~30:00
のスケジュールで放送が行われます。