右往左往の乳がんの日々

2012年7月乳がん告知。怒涛の術前化学療法・手術・放射線のフルコース治療終了。それでも、小さなことで揺らぎます~

垣添忠生先生の特別講演を聴いて

2012-12-09 19:32:13 | 公開講座
今年最後の講演会聴講、「緩和医療患者のQOL推進講習会」

医療従事関係者をを対象としていた講習会だったものが、
今年は一般の方にも公開したということで、聴講できたものだった。


垣添忠生先生による特別講演「人が生き、死ぬこと」
前国立がんセンター名誉総長、(財)日本対がん協会会長、(財)がん研究振興財団理事。
著書多数。
ご自身、2度のがんを経験し、
また、最愛の奥様をがんで失い、
その喪失感から半年間~1年間「死ねないから生きる」という状態に陥るが、
自ら体を鍛え、山登り・居合いに取り組み、立ち直る。

肩書きがすごくって、硬い内容の講演かと思いきや、
『挨拶や乾杯が仕事の中心』なんちゃった冗談も言ったり、
時折、プライベートな写真を披露したりと、
メリハリのある内容の講演だった。

今も、奥様のことを好き好きでしょうがないんだなぁという
印象の受ける可愛いらしい先生だった。

「人の生死とその多様性」
患者さんの身体の異常に対する反応は、天と地ほどの違いがある。
自分のがんにどう立ち向かうか、これもまた大きな違いがある。
どう病気を向き合うかは、その患者さんの人生観、死生観、価値観、
家族構成、社会的立場などによって、
一人ひとりの思いや目標が違ってくる。
そして、『人間の強さ、弱さをすべて包摂して医療はある』と先生の言葉。

「妻を看取る日」
三度のがんを罹患した奥様を在宅で亡くす。
約一年半の闘病生活、配偶者を亡くしたその喪失感、
そこからの再生を記録した著書の内容の紹介。
遺族からのたくさんの反響からも、
残された遺族のサポート、グリーフ・ケアの必要性を掲げる。

「がんと人生」
40年間のがん臨床家、がん患者、がん患者の家族・遺族の立場を経験。
そして、20年もの間、がん行政や政治とも関わってきているとのこと。

今は、予防ワクチンやたばこ対策などのがんの予防、
そしてがん早期発見するためのがん検診を50%をアップするための活動。
また、残された遺族へのサポート、グリーフ・ケアの定着へ
関わっていきたいということだった。
そして、がん経験者を特別視しない社会、
がん経験者ががんとなる以前と同じような生活を
気負いなく営める社会になるよう、
医療の一層の充実に貢献したいと言葉を終えた。

垣添先生、これからもがん患者、そしてその家族のために
まだまだ、活躍してくださいね。

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