右往左往の乳がんの日々

2012年7月乳がん告知。怒涛の術前化学療法・手術・放射線のフルコース治療終了。それでも、小さなことで揺らぎます~

先人たちのあしあと

2013-06-27 12:18:08 | 読書
ここんとこ、またまた、がん関連の本を読み始めた。
とはいえ、「ものを増やさないぞ」という思いがあるから、
市の図書室で探して借りてきたもの。

俵萌子さん、田原節子さん、上原冬子さん・・・
すでに他界された人たち。
知識人と言われ、まさしくきっちりした大人の女性、大先輩です
もちろん、葛藤や迷いがあったのだろうが、
その体験から得た彼女たちの文章は
「ああ、そうだよなぁ」と思い起こされるシーンも多かった。

特に、田原氏の本のなかで憶えておきたいこと:

がんになると、いろいろ新しい体験をする
 はらはら、ドキドキ胸が騒ぐ体験を。不安げな顔もする。

病人は傷つきやすい
 些細なことに自信をなくしたり、気持ちがふさいだりする。
 逆に、些細な一言が心に染みてうるおいを与えてくれる。

患者の被害者意識
 制限だらけだと「なんて窮屈な」と逃げ出したくなる。
 それが「普通に生活していいですよ」と言われると、
 医師につき放されたような意識を持ってしまう。

自分の体と心が求めるものに耳を澄ませること
 自分の体や気持ちを満足させることは、病気にも立ち向かえる。

がん=死ではない
 がん治療は確実に、そして急速に進んでいる。
 数年前なら亡くなっていたかもしれない患者が、
 現在ならば助かる可能性が非常に高くなっている。

 

患者が病気やその治療方法に積極的に関心を持つこと

医師とのコミュニケーションの重要性
→患者自身が体で感じたことを医師に伝える。
 医師はそれを追っかけるようにして対応する。受け入れてくれる。
 患者キャリアが長くなってくると、
 「この抗がん剤はもういやだな」とはっきり言えるし、
 医師のほうからも「この抗がん剤はもうやめようか、
 もしくはもう少し続けよう」、
 などと言ってくれる。
 そのコミュニケーションがとてもありがたい。


医師に従順になることが信頼することではない
 疑問があれば納得できるまで説明してもらうこと、
 それでも納得がいかなければセカンド・オピニオンを受ける。

病院の「家風」がそれぞれある
 1.機能的でやるべきことだけをきちんとやる、というハードな医療をする。
 2.病気の部分だけを見るのではなく、患者をひとりの人間として見て、
 その患者の気持ちを汲みとってくれる。

患者に症状や治療方法を説明しない医師もいる



自省を込めて、がん先輩の私に言えることがあるとしたら
自分のが変わるのを見る暇もなく駆け回っている人たちは、
生活のリズムを大切にしてね。
侮るといつかしっぺかえしを食うよ。

そして、女の方は私のこの本を読んでも、
乳がん恐怖症にならないでください。
乳がんにもそよ風のようにすーっと通り過ぎる風もあれば、
暴風雨で家屋や街路樹をなぎ倒す強風もある。
乳がんは、手術をして治って帰ってくる人が六割から七割います。
それが前者の人たち。
私の場合は後者で、
今日までがんを抱えているけど、
それは前者とは全く性質の違うものです。
だから、そよ風で済んだ人は、とても幸せ。
そういう乳がんが七割近くなのだから、
あまり怯えないで。


         ――田原節子「最後まで微笑みを」抜粋――


田原氏がこのアドバイスを残したのは、もう10年近く前。
幸せな人たちがもっともっと増えていることを
そして、病気にかかる人が
少なくなることを祈って・・・


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風が心地よい

2013-06-25 14:38:00 | 日記
頭髪育毛成記録…って、
すっかり抜けてしまったころの記録も写真も
ないんだけどサ。
あのころは、余裕なかったもんなぁ
最後の12回目のハーセプチン+パクリが、
2012年12月13日。
早、半年以上たちましたが、

相変わらず、おでこが広いです

たぶん会社がよいをしていたら
ウィッグを使っていただろうと思うけど、
ヅラ無しで会った友達に
『いいよ~』とか『大丈夫だよ。似合うよ』とか言われて
その気になって、
新しく参加したサークルにもこの頭で登場。
みなさん、どなたも気にもしていないのでありまして、
心地よい頭で過ごしておりやす。

これも大竹しのぶさんとか
蒼井優ちゃんのおかげかな。

最近バーゲンで買った綿糸のベレー帽、
目下のお気に入り


髪の毛がごっそりあったころは、
かぶった後に髪の毛がぺしゃんこになるのが気になって
なかなか、手が出なかったけど、
今は、思う存分楽しんで、って感じ。


高校生のころ、後ろに座っていた男子に
『お前の毛、犬の毛みたいだなぁ』と
意味不明のこと言われたことがあった。
たぶん、直毛剛毛のこと
髪の毛多かったし、若白髪もあったし・・・
かなり乙女心に傷ついたことあったけど。

年齢的なこともあってか、
ちょいうねうね、
やわ~って髪質になっております。


              



自転車で走って
気がついたご近所のちっちゃなフラワーロード。
かっては大規模な麻の製線工場があって、
それがこの辺の地名の由来だそう。


亜麻の花・・・
風に揺られて、
楚々としてかわいらしい

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内視鏡大流行り???

2013-06-17 21:03:24 | 公開講座
先週末、入院中知り合ったえりんぎちゃんと、
通院先の病院主催講演会聴講。

タイトルは
「がんの低侵龍治療」

乳腺外科・婦人科・呼吸器外科の専門医からの
外科的治療の講演。
「低侵龍」とは、私にとっては聞きなれない言葉であったが、
キズが小さく身体の負担が少ないこと。
*機能を損なわない
*痛みが少ない
*歩行・離床が早い
*社会復帰が早くできる
*入院は短期間
*少ない医療費
ということで、お財布にも優しいと・・・
生活の質(QOL)の改善にもつながる。

乳がん治療も、患者とって大きな負担を強いる拡大手術から
縮小手術へと移行している。

乳房温存手術
 ハルステッド手術…早期発見でも根こそぎ大きくとって再発防止→日常生活の不具合
 ↓
 胸筋温存乳房切除術
 ↓
 乳房温存療法、乳房再建手術

センチネルリンパ節生検
 【標準治療】リンパ節転移の有無の確認、リンパ節郭清必要性を見る。
  →切除しないため、リンパ浮腫の予防となる

内視鏡下手術⇒他の部位と比較して、メリットが多くはない

ラジオ波焼灼療法(RFA)
 ⇒高周波のラジオ波を60-80度に熱してがんを死滅させる。
  確認できないため「がんが残る恐れがある」

粒子線(陽子線・重粒子線)治療
 ⇒施設の限定化
  自己負担のため高額な治療費
  乳がんにはこれまで適応無し→臨床試験段階

非切除の可能性  
  術前化学療法により、手術前にがん細胞が消えている(病理学的完全寛解pCR)
  手術をしなければ、確認できない状況。
  →手術をしない方法:今後の検討課題

そして、最後に

目先の低侵龍治療だけを追うことないように、
そして氾濫する情報に惑わされないようにと。

そして、がん補完代替治療のみは危険だと
治療の失敗は、挽回が困難と結んでいた。

民間療法としての、がん補完代替医療については、
ガイドブックがあるそう⇒ここ
興味のある方はどうぞ。
紹介ではなく、利用する際の知識として。

もう二つの講演については、書かないけど
腹腔鏡手術や胸腔鏡手術だったりと
内視鏡を使った手術が紹介され、
手術創を小さく、また、その数を減らす低侵龍手術を
画僧を見せながら、紹介していた。

先週聴講した講演会でも似たような講演内容だったし、
すべての患者さんが受けられるとは限らない手術を
あんまり前面に出してもねぇ

いずれにしても、
技術の進歩や開発が、
患者不在にならないようにと
望むところだな

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意味のある偶然の一致

2013-06-12 18:35:09 | 覚えておきたいこと
私が図書室でこの本を手に取ったことも
意味のある偶然なのかもしれないなぁ~と
思ったので、書き留めることに・・・

柳田邦男【「死の医学」への日記】の中に
書かれていた「シンクロニシティ」

「シンクロニシティ」とは?
多くの人が一度や二度は経験したに違いない不思議なことがある。
同じような二つ(時には三つ)の出来事が同時に起こることを
心理学者ユングは「シンクロニシティ」と、名付けた。
このような出来事を「意味ある偶然の一致」ととらえる。
日本では、「共時性」と訳されている。

そういうユングの発想を象徴的に示すのは、
コンステレーション(星座)という見方であると、
柳田氏は書いている。

       
天にきらめく無数の星は、
ただ見ているだけでは何の意味も持たないが、
古代人はいくつかの星をつないで、
ふたご座やオリオン座や獅子座などを描いて、
物語を創り、一つ一つの星に意味を持たせた。
ユングは、それと同じように、
人間が人生において出会う様々な出来事を、
それぞれに意味あることとしてつなぎ合わせ、
その人なりの物語を創るという方法で
精神的に葛藤を起こしている人の心のなかを整理して治療に役立てた。
それゆえに、
「偶然に一致」という形で同時に起こったふたつの出来事も、
人生という星座のなかに「意味ある」こととして、
きちんと位置づけられるのだ。

死という過酷な試練をどう受容するかという問題を考えるとき、
私はまさにコンステレーションというものの
見方が必要だと考える。
       

必ずしも、同時に起こらなかった出来事でも、
それぞれに意味のある出来事だと受け止めることができれば、
自ずと心が落ち着いていくのかもしれない。

そして、そこから次に行くべき道を
見つけられればと思う。


ここ数年来見ていなかった藤の花。
小さいときにさしてもらった藤のかんざし思い出すなぁ



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鳥越俊太郎さん特別講演会

2013-06-10 14:54:51 | 公開講座
大学の医学展の特別講演会として
鳥越俊太郎さんの講演が
医学部のホールで行われた。
「がん体験者が一番言いたいこと」
 ~私が7年半じっと見つめたきたがんとは何か~

大学祭ということもあって、キャンパス内は人でぎっしり。
焼き鳥やら、たこ焼きやらのおいしいにおいが充満の中、


人をかき分けかき分け、
たどりつくと会場入口には長蛇の列。
予約者だけの列らしいのだが、
受付の手順が悪いのか、一向に前に進まない。
最終的には時間切れで、チェックなし。
「何のための受付?」と、
憤懣やるかたない思いで、会場へ入るも・・・

鳥越氏、挨拶がてら
『学生のやることなので、
 時間通りに始まらなかった受付業務を
 大目に見てほしい。
 僕にも同じような経験があります…』と。
状況を的確にとらえ、
自分側へ聴講者の気持ちを持っていくところは
さすがというところか 

まず、誰に焦点を当てていくか?
まさに治療を受けているがん患者なのか、
体験者なのか?これからがんになる人なのか
『可能性は2人に一人ですからねぇ~』と、
前列の二人に、話しかける。
周知の事実ながら、爆弾発言だよね


年間国内で100万~102万人の方が死亡、
誕生するのが約100万人。つまりは2万人の人口減少。
なくなる原因の3分の1が、「がん」。
死因のがんの部位の類は、
男性の場合―肺がん・胃がん・大腸がん・肝臓がん・すい臓がん
女性の場合―大腸がん・肺がん・胃がん・すい臓がん・乳がん

実は、大腸がんは早いうちに症状が出てくるため、
早期に発見しやすい。
血便で異常が見つかり、
その後精密検査、内視鏡で発見できる。
なぜ、女性の死亡原因で大腸がんが多いのか?
鳥越氏の推測では、男性医師に診てもらうことがいやで
先送りしてしまうのでは?

人間の身体を知れば知るほど、うまくできており
健康を保っている。つまり、
「いたみ」によって具合が悪いという信号を出している。
ただ、がんについては
末期になれば、神経に触って痛みを感じるが、
早期では痛みという信号を出さないし、自覚症状がない。
そのため、がん検診によって早めに見つけて処置を
しなければならない。
慶應義塾大学の近藤先生は
『CT検査によって被爆しがんとなる可能性あり』と説くが、
レベルの違った検診を、
鳥越氏自ら選んで、受けている。

鳥越氏がん病歴
2005年10月 大腸がん(II期)
2007年1月  左肺がん胸腔鏡による手術(7mm)
      半年後、右肺手術(ただし、良性)
      ⇒肺はとってみないとわからないそう
      抗がん剤3年間投与、免疫力アップの漢方薬服用
      ⇒脱毛無し・副作用が出なかったのは、
       抗がん剤は悪性細胞にも効いていない?
2009年   PETCTにて肝臓がん発見、開腹手術(1.5cm)70g切除
      

2012年にはホノルルマラソン完走したそうで、
参加中、「走るがん相談室」化していたとのこと。
その中で、声をかけながら
鳥越氏を追い越して行った女性が
会場にいたのですよ
その女性がすっと、立ちあがる。
『術後、何年?』
『乳がんの手術を受けて22年になります』
『おお~僕は来年2月で5年です』

日ごろから自分の身体に関心を持って
自分の健康をコントロールする。
食事
睡眠
運動

が大事・・・

4回の手術を受け、
73歳には見えない
がんに関わる活動を精力的に行っている
ダンディな鳥越氏の講演会でした


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