人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

保阪正康『続 昭和の怪物 七つの謎』

2019-04-17 05:00:00 | 近現代史

この数週間、総会準備に追われ、まったく本を読む暇もなかったが、
今週になり、久しぶりに読書時間を持てたことを喜んでいる。

先日、購入した、保阪正康『続 昭和の怪物 七つの謎』(講談社現
代新書、4月20日刊)だ。

昨秋、同じ著者による『昭和の怪物 七つの謎』(同社、H30/7刊)
を購入したが、こちらは実はまだじっくり読んでいない。

本書の目次の章立ては次のとおり。
1.三島由紀夫は「自我死」で何を訴えたのか
2.近衛文麿はなぜGHQに切り捨てられたのか
3.「農本主義者」橘孝三郎はなぜ五・一五事件に参加したのか
4.野村吉三郎は「真珠湾騙し討ち」の犯人だったのか
5.田中角栄は「自覚せざる社会主義者」だったのか
6.伊藤昌哉はなぜ「角栄嫌い」だったのか
7.後藤田正晴は「護憲」に何を託したのか

帯には「シリーズ累計17万部」とある。
編集者から『昭和の怪物 七つの謎』が売れ行き好調なので、続編で
何か書いて下さいよ、と言われたのではないかしらん(推測)。

保阪さんにしてみれば、昭和史中心の近現代史の関係者のべ4000人
にインタビューしているので、このような材料はいくらでもあるのか
もしれない。(「続々」も出版される?)

前書もそうだが、ある程度「昭和史」の基礎知識がなかったり、興味
がなければ、例えばいきなり「細川護貞」と言われても何のことやら
ちんぷんかんぷんだろう。

細川護貞は、近衛文麿内閣の首相秘書官であり、『細川日記』の著者
であり、護煕の父であった。私は日本ゴルフ協会会長として知ってい
た(--戦後は政治にはかかわらず、日本オープンゴルフ選手権の表
彰式にニコニコと登場していた)。


私はまず、上記「3.近衛文麿はなぜGHQに切り捨てられたのか」
を読んだ。
近衛は、昭和20(1945)年12月16日に服毒自殺した。54歳だった。
したがって、かなりの部分は近衛が悪かったとされてしまっている
(--今、詳しく調べる時間がないが、昭和50年頃だったか、朝日新
聞に掲載されたインタビューで、木戸は「近衛君は性格的に弱かった」
と発言していたのを私は読んだ記憶がある。これは以前書いたかな)。


近衛は、マッカーサーから「憲法を改正する必要がある」と言われ、
その任に当たろうとした。自分が戦犯に指定されるとは思わず、GHQ
を「甘く」見ていたのかもしれない。
そのあたりを著者は考察しているところがなかなかおもしろい。


ハッとする箇所もある。具体的に引用すれば・・・・・・
「私は、昭和五十年代から太平洋戦争に関わった軍人や政治家に話を
聞いてきたのだが、その折にいつも奇妙な感を受けるケースがあった。
たとえば、太平洋戦争の主導的な役割を担った軍人たちはいくつかの
点で口裏合わせをしていることがわかった。その共通する言い分を
・・・・・・(以下略)」
なるほど、「常識的に考えれば」そのようなこともあるのかもしれない。


帯には「その謎が明らかになる」とあるが、オーバーにいえば、それは、
あくまで著者の推測だと言えるのかもしれない。




本の「積ン読」もたまっている。ピッチを上げていこう。



保阪正康『続 昭和の怪物 七つの謎』


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 4/15 あざみ野クラブ 「み... | トップ | 竹中平蔵『平成の教訓』 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

近現代史」カテゴリの最新記事