長いタイトルになりました。
ここは、数年前に「市町村合併をしない町」を宣言し、全国に知られるようになった町の古びた庁舎です。
11月27日の小雨の降る中、私達は福島県矢祭町を訪問しました。
矢祭町は県の最南端の町で、茨城県境にあります。
町の中心部は水郡線の東館駅で、大子(だいご)駅(茨城県)は二つ目の駅になっています。
人口約7000人の小さな町が、今何故注目を浴びているのでしょう。
商店街です。
8月のことです。
町の商工会で発行しているスタンプ券が、公共料金や税金の支払いに使えるようになりました。
テレビや新聞で知った私達は、その経緯と経過を聞くためにやって来ました。
(矢祭町商工会会長さん)
北海道新十津川市商店会の方々(4名)と合同での説明会。
会長さんのご挨拶等々。続いて全員の自己紹介などが行われ・・・
行政側から町の自立課のグループ長のTさんです。
矢祭町は合併しない町を宣言してから、『自立していく町』を目指しているために
このような“課”が出来たのです。
今までに600もの団体の訪問を受けているそうですが、お忙しい中にもかかわらず、笑顔で説明してくださいました。
このTさんと商工会女子職員のKさんとの電話のやりとりで
Kさんが「町民号の参加費用をスタンプで払えればいいのにね」と話したのがきっかけだそうです。
注)町民号
水郡線の存続のために毎年実施している町主催のイベント。列車の中で町民がコミュニケーションをとりながら東京・明治座へ行く
それを聞いたTさんが、税金や保育料金、水道料金など公共料金の全てに利用出来ることにしてはどうかと考え、
翌日さっそく町長に提案すると
「それはいい考えだ、さっそく実施できるようにしよう」
となり、猛スピードで実施されました。
9月17日の敬老会では、80歳以上に贈られる祝い金には商品券が贈呈され、
その後、区長、消防団員の報酬なども商品券で支払われることになっているということです。
「スタンプ」と「商品券」
ウン百万円以上の“オアシ”が町内を駆け回ります。
商店街が潤い、滞納も改善されることでしょう。ゆくゆくは町の活性化へとつながっていきます。
最後に、Tさんに図書館造りについて質問してみました。
たまたまTさんが福島での会合で
「町には図書館がない。欲しいけれども予算が・・・」
と話したことが新聞記者の耳に入り、A新聞、M新聞に取り上げられたそうです。
「お金は一銭もかかってないのです」と。
その結果、善意で全国から贈られてきた本が現在26万7千冊。
ボランティアの方々により、急ピッチで分類作業が行われています。
「環境とリサイクル」が目にとまりました。
それから、こんな本も。
『元気な子どもの声が聞こえる町』がTさんたちの夢です。
<おまけ>
図書が届けられた施設です。
屋根が波を打っているように見えますが、町内の山並みを表現したものです。