たまやんの「大きい画像の貼れるブログに引っ越したい」

お久しぶりです。ネタバレあります。

メトロで恋して

2005-10-10 19:31:55 | 映画感想
(2005年10月10日 名演小劇場2にて)

売れない俳優・孤独な30男が、パリのメトロで出会った美しい女性と恋をする素敵なラブストーリー!・・・てなイメージをしがちな邦題ですが、これが意外とシビアな映画で。

男はユーモラスだし、ヒロインを演じるジュリー・ガイエはホント可愛いし、唐突に始まるウディ・アレンの「世界中がアイ・ラヴ・ユー」のようなミュージカルシーンが楽しくて、前半まではまさに題名通りの映画になっていましたが、後半がビックリするくらいヘヴィーだった。

HIVポジティブであることを知らされた女性を愛し抜くことができるか?というのがテーマだけど、このHIVにしても前置きなく唐突に検査の場面が出てくるので、なんだか単にカップルの試練の為に取って付けたような感じが拭えなかった。

そもそも、それまでの場面でさんざんまぐわった相手がそうなったら、(いくら男は検査でシロだったとはいえ)自分の体の事を心配せにゃならんのじゃないだろうか?と、いらん事まで考えてしまった。

それでも、この映画をかろうじて良いものにしたのは主人公の父親の存在。医者として数々の死に対しての苦悩を乗り越えてきた彼。ある時期、人間に必要となってくる打算性について、多くは語らないのだけど、リルケの「マルテの手記」の内容で息子を納得させるというのは観てる方にも何となく納得させられました。

まあ、それらの場面が有機的につながらないのが歯がゆいところでもありますが、こういう恋愛映画に愛情もしくは人間性の試金石となる出来事を持ち出して、今後を含めた恋人たちの責任を問うようなテーマを提示するのは悪くない。ほろ苦なラストもフランス映画らしいなと思う。

フランス映画はよく、エンドクレジットに流れる曲の尺が短くてロールが終わらないうちに曲が終わってしまって無音のまま終わる事があるのですが、この映画ではそれが意外と活きたかもしんまい。

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2 コメント

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Unknown (カナ)
2005-10-17 01:19:33
はじめまして。映画タイトルで検索していたら

辿り着きました。TBもさせていただきました^^



「マルテの手記」は読んでいないので、その辺のところが

私にはよくわからなかったのですが、読んでみたいと思います。
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マルテの手記 (たまやん)
2005-10-17 22:09:58
カナさん、はじめまして。

TBありがとうございます!



僕も「マルテの手記」は読んでないので映画の中で触れられた部分でしか読み取る事ができないですが、一度読んでみるとより深く分かるかもしれないですよね。
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