たまやんの「大きい画像の貼れるブログに引っ越したい」

お久しぶりです。ネタバレあります。

「エヴォリューション」

2017-01-04 20:40:00 | 映画感想
(2017年1月3日 伏見ミリオン座2)

ギャスパー・ノエのパートナーとしても有名な、「エコール」ルシール・アザリロヴィック監督の新作。

(ややネタバレあり)



「僕はなんの病気なの?」
母親は「大人になると不安定になるの、だから」
と、パスタのような虫のようなものの入ったピューレを食べさせ謎の薬を飲ませる。
そしてある日、友達と共に病院のような施設に隔離され謎の手術を受ける。

少年たちと母親ぐらいの年の女性たちしかいない人里離れた島で展開される物語。
はっきりとは描かれないが、体外受精のような方法で少年たちに子供を産ませて、用済みになったら殺す風習の島。
ファンタジーに見えるが、これは少年から見た大人の性の営みの未知ゆえの怖さなのではないか。

監督の彼に関連付けて言えば、あからさまな「LOVE 3D」と真逆のアプローチで性を描いていると思う。
自分に食事を与えて育ててくれる母親が、自分の目の届かないところで知らない事をしているという感じの。
全裸の母親たちが海辺でもぞもぞとうごめくカットがまさにそれ。目撃して知ってしまったゾワッとする感じ。

彼女らに表情は無く、詳しい説明もなく淡々と進んでいくのが怖い。

物心が付いた頃に、親の行動について受けた、ある感覚を思い出した。
自分の知らない事は怖いものなのだ、まだ。


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