たまやんの「大きい画像の貼れるブログに引っ越したい」

お久しぶりです。ネタバレあります。

ブレイキング・ニュース

2005-12-23 23:17:24 | 映画感想
(2005年12月23日 シアターN渋谷にて シネスコ ドルビー)

「ザ・ミッション/非情の掟」「PTU」の、ジョニー・トー監督作品。

銀行強盗犯を取り逃がした一部始終がテレビ中継され、市民の信頼を失いつつある香港警察が、逆にマスコミを利用しイメージ回復しようというアイデアが面白い、決して勧善懲悪にならない、いかにもトーらしい一筋縄でいかない群像劇に仕上がっておりました。

ほぼリアルタイムで進行する事件を追ったこの作品は、緊迫感溢れるサスペンスを盛り上げるべく、長回しや分割画面など様々なテクニックを駆使しています。

ワンシーン・ワンカットで事件の始まりを一気に見せるは最初の場面はものすごい!必見!遅れてきたら絶対に損をします。着弾などのアクションの振り付けやカメラワークも見事ですが、窓からヒラヒラと落ちていく新聞紙のところはどうやって撮ったのだろう?と唸らせる。

ジョニー・トーの作品は、リアルなお膳立ての中で思いっきり虚構を描きまくる。そもそも、報道の世界は虚構そのものなんだよ。というこの作品のテーマに彼の目指すところはピッタリきます。イメージ操作で市民の考えなんてコロッと変わってしまうんだよな。

そして、この作品は、悪者でも正義でも分け隔てなく魅力的に描いているところがいい。

警察がマスコミの人にまで豪華弁当の差し入れをして好印象をアピールするのに対して、犯人は人質に取ったマンションの一家に料理をふるまう。凶悪な事件の犯人なのに…というギャップが笑わせ、どこかでボタンを掛け違えてしまった者の哀しみさえ感じさせます。


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