カタスミ

『予言の島』澤村伊智著

ホラーミステリって事で購入。
私比嘉姉妹シリーズめっちゃ好きなので
あの面白さを期待して読み始めました。
以下ネタバレあり。






















※今回の感想は物語の根幹を揺るがすネタバレがあるので
自己責任でご覧下さい。


主人公淳は友人の春夫と共に
自殺未遂したもう一人の友人宗作を元気づける為
霊能者宇都木幽子がその日6人の死者が出ると予言した
霧久井島へ向かう事にした。

ってさぁ…自殺未遂した精神的に不安定な人を
わざわざそんな物騒な予言の島に連れて行きますかねぇ?
いくら小学生の頃の思い出があるとしても
わざわざ死に近い所に連れて行きたくないなぁ。
しかもその予言日なんて余計精神壊しそうだわ。
全然元気づける気ないやろこいつら…

で、やっぱり予言の通り順々に死人が出てくる訳ですわ。
最初は島にいる怨霊のたたりのせいで人が死ぬって話だったんだけど、
後々その怨霊は島で発生している硫化水素である事が分かる。
その硫化水素が居住区へ流れ込んで来てしまう為
島の人達は山の高い場所へ避難する事に。
最初の2人は殺人事件ではあるんだけど
ミステリってほどミステリでもないし
その後さらに死ぬ2人は硫化水素にやられたモブだし
いまいち盛り上がらず話が進む…

沙千花と淳が比呂をを助ける為
山を下りて学校に行き、比呂の自殺死体を発見した後
物語が急展開して全く意味が分からなくなる。
なぜか沙千花が刺されて殺されてしまい
そこに唐突に淳のおかんが現れるのである。
予言に捕らわれたおかんが死者が5人になった地点で
予言が成就するなら息子以外で…!と
沙千花を殺してしまうのでした。

え~、叙述トリックかよぉ…
そんなんあると思ってなかったから
頭が???ってなったわ。
最初からずっと淳目線で書かれていたと思って読んでいたのですが
実は淳のおかん目線でのお話だったようです。
確かに最初から変な文章だなぁとは思ってました。
淳目線なのに『淳が~した。』みたいな文章が入ったりしてて
すごい違和感感じて、文章下手くそか…と思ってたから…^^;
後、同級生の友達が時々敬語になるのも気になってた。
遠藤親子とか何の為の存在…?っと思ってたから
あ~、淳のおかんの存在を消す為のカモフラージュだったのね…

でもさぁ、淳のおかんが息子と離れたくなくて
ずっとついてきてるって結構無理がある設定だと思うのよね。
まず、息子の友達の事名前呼び捨てにしてるけど
普通『春夫君』とか『宗作ちゃん』とか呼ばない?
まぁ、このおかんは普通じゃ無いんだろうけど…
おかんいるなら淳も沙千花と一緒に学校行くなよ…
完全足手まといになるし、なんならおかん死ぬかもしれんやん?
このおかん、淳が仕事の時とかはどうしてるんでしょうか?
仕事以外付きまとってるのかな?いや、ほんと誰か止めろよ…

叙述トリックって、読者騙して最後にあっと驚く展開に持って行く為に
結構無理のある設定が多い気がするんだよねぇ…
なので昔は大どんでん返し好んで読んでたんですが
はずれ多すぎて最近は読む気失せてたのよ…
不自然さをいかに少なくするかがポイントだと思うのだけど
今回は設定も不自然だし、なんなら通常の文章も不自然なので
ほんと全体的に下手くそか!と思わざるを得なかった…
ホラーはめっちゃ面白いのに…今回は残念な感じでした。

ラストの解説の人が言ってる霊能者が
調べても全然出てこなかったので
もしかしてここも創作なんでしょうか…?
ホラーミステリって多分好きジャンルなんですが
今回は余計な叙述トリックを仕込んだせいで
ほんと響かなかった…
星は2.5です。
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