カタスミ

『風の海 迷宮の岸』小野不由美著

十二国記シリーズ2作目です。
以下ネタバレあり。



















魔性の子で出てきた高里君が幼い頃に神隠しにあった時の話。
プロローグが魔性の子と全く同じでした。
正直魔性の子はいろいろと不完全燃焼な所があり、
麒麟とか謎の白い手とか、結局はっきり分からなかったので
こっちを先に読んでおいた方が分かりやすいかもしれない。

魔性の子ではあんまり表情がない泰麒でしたが、
子供の頃は非常に愛嬌も有り気遣いも出来る大変良い子でしたので、
なんで実家のババアはあんなに目の敵にしてたのでしょうか…
母親を恋しがり、母親もまた息子をかわいがっていたのに
結局あんな結末になってしまってなんか悲しいわ…
もうちょっと救いがあっても良かった気が…

そもそも蓬莱の家族ってなんでみんな
あんな非情な感じの人ばっかりなのでしょうか…
元々生まれた世界が違う為の違和感のせい、というのが理由なのか
ストーリー展開的に蓬莱に気持ちを残さない為って事なのか…
だったらもう孤児院育ちとか、めっちゃネグレクトとか、
こう突っ切ってもらった方が読む方も気持ちよく
異世界の方に心を移せるのですが…
家庭としては割とまともなせいで、どうしても
元の家族の気持ちとかを考えてしまうわ…

さて、今回は泰麒が蓬山で王を選ぶというストーリーですが
普通の麒麟に出来る事が、蓬莱育ちのせいで出来ない泰麒。
不安とか申し訳なさとか、いろいろと彼の心情が
丁寧に描かれております。
景麒は相変わらずなのだが、泰麒に気遣いを教わってなおかつ
陽子にあの態度だったのか…と^^;

麒麟の生態や王を選ぶ為の流れなど
今回の話では丁寧に語られておりますが、
とにかく用語が難しくて、漢字が読めない~(;´Д`)
いっぺんフリガナふってあっても、次の時にはもう忘れるから
毎回フリガナふってちょうだい…

麒麟に転変する事も、使令を得る事も出来ない泰麒ですが
驍宗に出会う事でどちらもクリアする事が出来ます。
特に使令を得るシーンはなかなかに緊張感がありました!
驍宗を王に選んだ後も、天啓がないのに選んじゃったと
苦しむ泰麒に対し、景麒は何も申さず2日放置…
そして小芝居を打つ…
いや、その場で言ってあげればいいやん!
そういう所やぞ景麒…!!

驍宗を王に選び、さあこれから泰を再起するぞ…!
といった所で話は終わります。
でも確か泰麒ってもう一回蓬莱に来ちゃいますよね…?
あれってどうして…?今後に話があるのかな…?なんて思っておりまして。

それとは別に、そういえば驍宗の前の王様ってなんで
国を荒らしたんだっけ…?と思ってネットで調べたら
危うく今後のネタバレを食らいそうになってしまった…
チラ見だったのですが、多分魔性の子後の話、今後ありますね…
驍宗と泰麒は親子みたいで結構好きなのだが…
まだしっかりネタバレ見ていないので、今後の話を読むまでは考えない~!!
ネタバレは断固拒否派なので、
読み終わるまではネットで調べるのはやめた方がいいですね^^;

結局前国王の件はその後小説を何度もペラペラと読み返してみて
やっと見つけました…
驕王は遊びに耽って無駄金使いまくってたみたいですね…
麒麟が選んだ所で良くない王様も多くて、
どっちかって言うと荒れてる国の方が多いよね。

今回も面白かったです。
星は4つ。

コメント一覧

あつむ
コメントありがとうございます!

言われてみて確かに、風の海→魔性の子だと
お母さんの豹変にショックを受けそうです。
高里君のお母さんに関しては魔性の子を先に読んだ事が
幸いしたかもしれません。
おばあさんのエピソードはアニメオリジナルなのかな?
確かに角ありましたねぇ…
でも子供のそれくらいの行為であれだけ豹変するババアは
やっぱり性悪なんだ思います…

RM307先生のブログを拝見して
自分、人から愛されてるって思った事が無い、と言う事に
気付きました…^^;
どうせ嫌いでしょ?はいはい結構結構、
こちとら好きにさせて頂きます…みたいな?
だから与えてもらってばかりで
期待に応えられない自分はダメな子…ってのが
全くありませんでした…(;´Д`)
なんて可愛げの無い子供だったのでしょうかw
性悪は直らないからしゃーないねw

どうも私景麒は合わないなぁ…という感じです。
自分が王として麒麟が景麒ならめっちゃ喧嘩しそうだわww
その後の話も読み進めていますが、予王の事があっても、
陽子に対していろいろひどいと思います…

用語に対しては頭に入らないものは全部流し読みで
読んでるので(それでも十分面白い)大丈夫ですよ!
お気遣い頂いてありがとうございます!

一度読み始めると面白すぎてなかなか辞められないので
順調に読み進めております!
またぼちぼち感想はアップしていこうと思います!

ネット環境は今のところ安定していますが
今後どうなるか分からないので、
返信が無いときはネット環境逝ったな…と
思って下さいませw
RM307
今作もお読みいただけて喜びました!!!ありがとうございます!!!
仰る通り先に触れた方がずっとわかりやすいのですが、あえて「魔性の子」から書かれた小野先生はとんでもないな・・・と思いますw
ちなみに僕が知った順序は逆だったので、こんなに優しかったお母さんが後に高里を否定し傷つける言葉を投げかけるようになったんだ・・・とショックを受けました・・・。

おばあちゃんも昔は高里を可愛がっていたものの、頭を撫でようとした際に手を振り払われ(麒麟は角への接触を本能的に厭う為)怒り、以降はつらく当たり弟を贔屓するようになりました。
原作は失念しましたが、アニメでは印象的なシーンとして残っています。
まぁ元から性悪ではあったのでしょうが・・・w

「魔性の子」も「月の影 影の海」も”異邦人”がテーマで、前者では故郷、後者では異国で孤独な主人公が描かれました。
その為、高里と陽子は家族と馴染めなかったのかと思われます。
なおネタバレにはならないレベルの情報ですが、胎果でも蓬莱で周囲から愛されたキャラクターも存在します。

またあつむ先生は異なるかもしれませんが、僕は泰麒の気持ちに最も共感しました!
https://rm307.blog.jp/archives/80438237.html
https://rm307.blog.jp/archives/80599314.html
僕はぜんぜん良い子ではありませんが、弱気や自責的な考えがよくわかり・・・w

景麒は泰麒との交流を経て、先代の景王の予王には優しさを向けた結果、恋愛感情を抱いた彼女が嫉妬から失道した為、再び態度を硬化してしまったようですね。
子どもの頃は、景麒や尚隆や六太は本気で怒っているのかも・・・とかなり不安でしたw
また以前も書きましたがアニメから入り、泰麒から打ち明けられた景麒のカットや演技がめちゃくちゃ冷淡で、なおさら「すぐに説明して!!!」と思いましたw
ちなみに饕餮の折伏は、アニメでの迫力もカッコ良かったです!

用語は難しいですよね・・・w僕も新刊を読む際に検索したり、Twitterで流れてきたりした際にネタバレを踏みかけめちゃくちゃ焦りましたwww
もしもご不明な点がございましたら、僕が代わりに調べて明かしすぎない範囲でお伝えしますので~!(週末はブログ作業に追われ、週明けまでお待たせしてしまいそうですが!すみません!)
あと今作でそのポイントに触れていただけてありがたい!とほくほくする一文もありましたが、ネタバレなので今は書かないでおきますw

今回もお楽しみいただけて良かったです!!!嬉しいご感想をありがとうございました!!!
それと毎日投稿しなきゃとご無理をなさらずとも大丈夫ですが、これからもブログや作品を拝見し続けたいので、ネット環境が無事に復活しますように・・・!!!
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