犬がおるので。

老犬から子犬まで。犬の面倒をみる暮らし。

強運。

2015年12月13日 | 健康・フード・病気・治療・腎不全


翌日。

朝の散歩は短めにしておいた。

寒いし、おくち閉じてね、といったって、閉じてくれるわけがないので、ばい菌が入り込むのがちょっと怖かったからだ。




家にもどって、お薬てんこもりの朝ごはん(キドニアふやかし)をあげたら、ちょっと食べて、残し、リビングへ行ってしまった。

ああ、だめか。たぶん、ふやかしているとはいえ、おかゆのようには食べられないからなあ。




しかし薬が乗っかっているので、食べてもらわないといけない。

すばやくゆうべの牛タンおかゆを足して、ほら、とにおいをかがせてみると、

「それなら食べる~」

といいながら、残さず食べた。明日もこの手でいこう。




その日はこんの巣にカイロをいつもより多めに貼り、オイルヒーターをつけっぱなしにしてきた。

仕事で郵便局へ行かないといけない用事ができたので、ついでにマイクロチップの登録料を払い、申請書を郵送。

はー。やっとだなあ。

おじいさんだからもういらないんじゃない?なんかかわいそうだよ、という意見もあったのだが、

老犬だからこそ行方不明になることが多いのをツイッターでよく見かけるし、災害があったらどうするのじゃ。

うちはオートロックだし、セコムやってるし、その心配はほとんどないけど、もし誰かが入って、

その間に出ていくことだってあるかもしれないし、遠出した先で迷子にならないとは言えない。

オレコはパニックになっても、呼べば帰ってくるけども、こんちゃんはお耳が遠いんだから。

それにこのチャンスを逃したら、麻酔をかけることはない(つもり)のだから。

いろいろ賛否あるのは知っているのだけれど、私にとっては私とこんちゃんをつなぐ、

赤い糸のようなものと考えているので、反対のご意見の方はどうぞご容赦ください。




そういえば昨夜、こんちゃんが手術する強いきっかけになった、おとうさんの取引先の方のわんこの話の続きを聞いた。

7歳で、一度も歯磨きをしたことがなくて、結果、全部歯を抜かなくてはいけないことになった。

おまけに緑内障になってしまって、その治療もしていたのだが、歯の手術をしたあとにわかったのが、

眼は緑内障でなく、歯周病(重症)の影響だったそうだ。

つらい話だが、先ごろ、ついに失明してしまったのだという。

その子もその会社の看板犬なので、いつだったかはカレンダーを頂いたこともあって、顔も知っている。

会社にもよく来ていて、子犬のときから、みなさんがかわいがっていたのを知っている。

歯の手術をしなくてはいけなくなったとき、こんちゃんのお世話になった病院のことも調べたそうだ。

結局は通いきれる病院にしたようだったが、こんちゃんよりよほど若いのに、悲しい結果になってしまって、

話を聞きながら、かわいそうでかわいそうで仕方がなかった。

こんちゃんのように、生まれつき、歯が足りなくても、その歯があまりいい状態じゃなくても、

運よく歯周病にはそれほど侵されずに、あとあとつらい抜歯も免れて、

この子は幸運というか、強運に恵まれているのかもしれない、と、感謝した。

心臓病、気管のつぶれ、白内障、腎臓病などなど、いっぱいあるけれど、

お散歩もできるし、においもかげるし、目はまだ見えているし、歯は残ったし、ごはんは食べられる。

本当は15歳くらいかもしれないけれど、今のところ元気だし、ぼけてもいないし、

このまま健やかに、ゆるやかに年を取り、たくさん笑って、思う存分、楽しんでもらえたらなあ、と思った。



こんちゃんはこれからどのくらいそばにいてくれるだろう。

オレコもどのくらい一緒にいられるのか。そう長くはないはずだ。

でもその短い時間を、健康に生きていけそうな準備ができて、ほっとしている。

こんちゃんのこの強運は、きっと、誰かに見守られているに違いない。

前の飼い主さん、あるいはこんちゃんのお母さん。

こんちゃんをいとしいと思ってくれただれかが、きっと守ってくれてるんだねえ。