特殊相対論、ホーキング放射、ダークマター、ブラックホールなど

・時間について特殊相対論からの考察
・プランクスケールの原始ブラックホールがダークマターの正体であるという主張
 

時計Aからみた時のミンコフスキー図

2023-03-22 02:34:43 | 日記

4、時計Aからみた時のNM図(ミンコフスキー図)

さて今度はこの状況をMN図を使って確認しましょう。

図1のプロット

y=x,y=-x,y=0,x=0,y=-1.25x+5,x=4,y=5  プロット  -10<x<10, -10<y<10

図1の実行アドレス

https://ja.wolframalpha.com/input?i=y%3Dx%2Cy%3D-x%2Cy%3D0%2Cx%3D0%2Cy%3D-1.25x%2B5%2Cx%3D4%2Cy%3D5%E3%80%80+%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%88%E3%80%80%E3%80%80-10%3Cx%3C10%2C%E3%80%80-10%3Cy%3C10

注4:うまくプロットできない時はこちらから

X軸は空間軸、Y軸は時間軸を表します。

Y軸上を時計Aが時間軸プラス方向に移動します。(ですからY軸が時計Aの世界線です。)

但し時計Aは空間軸方向には移動しませんから時計Aが静止系になります。

±45°の線は光の世界線です。

時計Bの世界線は緑色の右下から左上に向かう直線で示されます。

直線の式は

y=5-1.25X 

時計Bは時計Aに対して相対速度V=0.8Cを持ちますから、傾きは1.25、右側から左側に進行しますので傾きの符号はマイナスです。

そうして時計Bは時計Aの時刻で0秒の時にリセットされます。

その場所はX=4の所になっています。

つまり、X軸上に時計Bが到達した時点で時計Bは時計Aと時刻合わせをするのです。

ですのでそのイベント①の座標はイベント①=(t1,x1)=(0、4)となります。



そうして時計Aの読みで5秒後に時計Bは時計Aとすれ違います。

そのイベント②が起こる座標はイベント②=(t2,x2)=(5、0)です。

以上で時計Aから見たNM図の完成となります。



そうしてこのMN図によれば時計Bの固有時τ②は

τ②=sqrt(5^2-4^2)

=3  となります。(注1)



そうしてこれは又時計Bが相対速度V=0.8Cで時計A時間で5秒間接近した、と見る事もできます。

この時 時計Bは時計Aに対して sqrt(1-0.8^2) の割合で時間が遅れます。

従って時計Aの5秒は時計Bでは

Δt②=5* sqrt(1-0.8^2)

=3  

となり、これがもう一つの時計Bの固有時の計算方法となります。



ちなみにこのMN図から分かります様に時計Bがその時計をリセットした時に時計Bとすれ違った時計は時計Aではなく時計Cとなります。

その時計Cの世界線はMN図では紺色のY軸と平行になっている直線(X=4)で示されています。

この時計Cは時計Aと同じ慣性系αに属していますので、時計Aと時計Cは同期が取れています。

それで注意が必要なのは時計Aが示している経過時間5秒、と言うのはこのMN図の座標時であり、時計Aの固有時ではない、という所にあります。

というのもイベント①で時計Bとすれ違ったのは時計Cであって時計Aでないからです。

そうして固有時の定義「2つのイベントの間を移動する時計の経過時間が固有時である」に相当するのはこの場合時計Bの時間経過だけである、と言う事になります。(注2)



しかしながら、前回示しました「距離Lで相対速度0.8Cで接近しつつある2つの時計AとBをリセットする」という状況は、具体的には「一つの慣性系αにある距離Lだけ離して時計Aと同期させた時計Cを使う」という方法によって実現可能となります。

ちなみにこの状況がランダウとリフシッツが示した状況「時間が遅れて観測されるのはいつも2つの時計とすれ違う一つの時計の方である」という事になります。(注3)



さて、以上の様にして時計Aから見た時のMN図によって時計Bの固有時τ②が3(秒)である事を示す事が出来ました。

τ②=Δt②=3(秒)



注1:イベント①の座標を(t1,x1)としイベント②の座標を(t2,x2)とします。

そうすると時計Bの固有時τ②は定義より

τ②^2=(t2-t1)^2-(x2-x1)^2

=(5-0)^2-(0-4)^2

=5^2-4^2

となります。

ちなみにこれで計算方法があっている事は以下の記事にてご確認願います。

「世界間隔の共変性と固有時について」: https://archive.ph/SieXr :



注2:イベント①では時計Bは時計Cとすれ違いました。

そうしてイベント②で時計Bは時計Aとすれ違ったのです。

それでこの状況、「イベント①からイベント②に移動する間に時計Bの針が動いた量=時計Bの経過時間=時計Bの固有時」と言うものについては、それを時計Bに対してどのような相対速度Vをもつ観測者が観測してもτ②になる、と言う事は自明な事であります。

というのもその第三の観測者の観察行為は時計Bに対しては何の影響も与えないからであります。



注3:「ランダウ、リフシッツ パラドックス」: http://fsci.4rm.jp/modules/d3forum/index.php?post_id=29541 :

『2つの基準系の時計を比較する為には、一方の基準系では数個の時計、他方の基準系では一個の時計を必要とする事が分かる。

従ってこの操作は両方の系について対称ではない。遅れると判断される時計は常に同一で、それが他の系の異なったいくつかの時計と比べられるのである。・・・』


注4:ウルフラムのトップページに移動
https://ja.wolframalpha.com/

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y=x,y=-x,y=0,x=0,y=-1.25x+5,x=4,y=5  プロット  -10<x<10, -10<y<10

一回でうまく行かなくても、何回か行う。

それでもダメなときはしばらく時間を空けるとうまく行く。


PS:相対論・ダークマターの事など 記事一覧

https://archive.md/lS5Xl

https://archive.md/8ekGV