特殊相対論、ホーキング放射、ダークマター、ブラックホールなど

・時間について特殊相対論からの考察
・プランクスケールの原始ブラックホールがダークマターの正体であるという主張
 

その8・相対性原理はまぼろしか?

2024-09-29 09:46:50 | 日記

さて「特殊相対論における速度の測り方or速度の定義」で示した手順によって静止系であれ運動系であれ「光の速度を測定することは可能」でありその結果は「常に1Cとなる」のでした。

しかしながら: ローレンツ変換と光の到達距離 :で示したローレンツ変換の回答と相対性原理の回答の間にある矛盾を確認するための測定実験は実は今の人類が持っている技術レベルでは行う事ができません

なんとなれば「K系に立つ観測者が光源のスイッチをいれて8秒後に切る」、「そのタイミングでK系x軸上の5Cの場所に立つ観測者と8Cの場所に立つ観測者に『光は届いたか?』と問い合わせをする必要があるから」です。

この問い合わせは「瞬時に、時間遅れゼロ」で「5Cと8Cの場所に届かなくてはならない」のです。(注1

そうであればもちろんこの場合は「光を問い合わせの情報伝達の手段として使う事は出来ない」のです。

 

現在人類が持っている最速の情報伝達手段は「光=電磁波を使うもの」です。

しかしながら今回は測定対象が光そのものですから「光を情報伝達に使った」のでは「測定するものと測定手段が同じ」という事になり「測定が意味を持たないものになる」のです。

あるいは「光を情報伝達に使ったのでは遅すぎる」と言い換えても良いでしょう。(注2

 

さてそうであれば「前もって5Cと8Cの場所にある時計をK系原点にある時計と時刻合わせをしておいてその時計を使えばよいのでは?」となります。

時刻合わせが終わっているならば「K系原点で8秒経過でスイッチを切るのであれば、5Cと8Cの場所にある時計が8秒を指したときに光がその場所に到達していたか報告を受ければよい」となります。

なるほど形の上では確かに「5Cと8Cの場所にある時計をK系原点にある時計と時刻合わせをしておくことは出来ます」。

しかしながらそれらの時計が示す8秒という時刻はK系内部にいる観測者にとって「同時である」という状況を示しているだけで静止系から見れば「時計はずれている」=「K系の時間軸はBT時間軸になっている」のです。

 

その状況を認識できないK系の実験者と観測者は「前もって時刻合わせをした時計を使って確認実験ができる」と勘違いします

それはまた同時に「自分が暮らす慣性系の時間軸はNT時間軸である」とする勘違いでもあります。

さてそのようなK系の実験者と観測者はK系原点時刻で0秒で光源のスイッチをいれます。

そうして8秒後にスイッチを切るのでの。

そのあとであわてることなく5Cと8Cの場所に立つ観測者からの報告を待つのです。

 

ほどなく2つの場所から次のような報告が届きます。

「5Cの場所ではスイッチを入れてから5秒後に光が届き13秒後に光が消えました」と。

なぜ「スイッチをいれてから」と言えるのかと言いますれば「5Cの場所に立っている観測者は自分が持っている時計は原点にある時計と時刻合わせが済んでいる」そうして「自分が持っている時計で0秒の時に原点に立つ観測者が光源のスイッチを入れる」という事を知っているからです。

しかしながらこの観測者もまた「自分の持つ時計と原点にある時計の時刻がずれている」という可能性には注意が向いていないのです。

そうして実際にその時計で5秒の時刻の時に5Cの場所に光は届いて13秒後には光は消えたのでした。

同様にして8Cの場所からは「スイッチを入れてから8秒後に光が届き16秒後に光が消えました」という報告が届きます。(注3

 

さてそのような報告を受けた原点に立つ観測者は「ほらやっぱりこの慣性系の時間軸はNT時間軸になっている」と結論を出すのです。(注4

つまりは「自分が暮らす慣性系は静止系である」と。

しかしながらローレンツ変換に言わせれば「それは勘違いの認識」なのでした。(注5

 

さてそのようにして「すべての慣性系の原点に立つ観測者はこの8秒実験を行い、自分が暮らす慣性系は静止系である」というように結論をだします。

そうであればこれが「すべての慣性系は平等である、という様に勘違いされる事になる実験による検証結果」であります。

この勘違い実験が全ての慣性系で成立しているために「すべての慣性系は平等である」と主張されそれが「相対性原理が成立している」につながっている様にも見えます。(注6

さてそうであれば「BT時間軸の前では相対性原理は幻となって消える原理である」となります。(注7

 

注1:それが出来れば5Cの位置に立つ観測者からは「ちょうど今、光は届いた」と言う報告が来るし、8Cの所に立つ観測者からは「まだ光は届いていない」という報告を原点に立つ観測者は得る事が出来ます。

注2:現在人類が持っている最速の情報伝達手段は「光=電磁波を使うもの」です。

しかしながら今回は測定対象が光そのものですから「光を情報伝達に使った」のでは「測定するものと測定手段が同じ」という事になり「測定が意味を持たないものになる」のです。

あるいは「光を情報伝達に使ったのでは遅すぎる」と言い換えても良いでしょう。

ちなみに「前もって5Cと8Cの場所にある時計をK系原点にある時計と時刻合わせをした」としてもそれは結局のところ「光を使って系内部のみで成立している同時刻ラインを作った」という事にしかならないのです。

そうであればその同時刻ラインは静止系からみれば「時間がずれている=BT時間軸そのものになっている」という事になるのです。

さてそうなりますと「光による8秒実験を正しく行う為には、時間遅れゼロのタキオン通信機の登場」あるいは「エンタングル通信機の登場を待つ」という事になります。

注3:「すべての運動系に於いて行われた8秒実験が上記で示した結果報告となる事」は: ローレンツ変換と光の到達距離 :で示したように「ローレンツ変換を使って」そうして「BT時間軸を使って」さらには「光速不変の原理を使って」説明する事ができます。

注4:原点に立つ観測者のこの判断はほとんど推測に基づいていている事には注意が必要です。

しかしながら現在の所は「その推測は常識的である」とされているのです。

注5:ここでの勘違いのおおもとは「K系内部にいる観測者にとって『同時である』という状況を示しているだけである」という事の意味を十分に理解していない事にあります。

しかしながらそれは元をただせば「光を使ってしか離れた場所にある2つの時計の時刻合わせが出来ない」というこの宇宙の現実を反映したものになっています。

そうしてそのやり方の為に「常に光速は1Cとして観測される事になっている」のです。

それはまたローレンツ変換が成立する為の前提条件でもあります。

さてそうであれば「状況はまるで循環論に陥っている」かの様に見えます。

注6:相対性原理というのは「すべての慣性系が『自分の慣性系は静止系である』と主張することができる原理」と言い換えることができます。

そうしてその主張がよりどころとしているのは「勘違い8秒実験結果」という事になるのです。

あるいは「光そのものを測定する事では自分の立っている慣性系が静止系なのか運動系なのか区別することは出来ない」というのが事実であり「その事の別の形の表現が相対性原理である」とも言えます。

 

ちなみに相対性原理については次のような資料もあります。

「第4章 対称性とその物理」: https://allphysics.sakura.ne.jp/symphys.pdf :

4.2 相対性原理『相対性原理とそれに関連するローレンツ変換に対する対称性に関しては,どの場の理論の教科書にも詳しく議論されている.従って,ここではこの解説はしないが,基本的なことを少しだけ書いておこう.相対性原理の出発点は,座標系をどこに持って来たら良いかという問い掛けから始まっている.例えば,地球は太陽系の中にいるが,しかしその太陽は銀河系の外側を高速で周回している.その銀河系は宇宙の膨張にあわせて運動している.そうだとすると,どの座標系を取ったらよいのかわからなくなる.

相対性原理とは慣性系である限り,どの慣性系をとっても物理的な観測量は同じであるという要請である.現在までのところ,これと矛盾する自然現象は観測されていないし,これは原理として十分意味があるものと考えてよい.』

上記文章の内容は「相対性原理に反する現象の確認、あるいはそれを目的とした実験がいかに難しいものであるか、という事を示している記述である」として理解する事も可能です。

以上ご参考までに。

注7:ただしその事が起きる為には「BT時間軸の存在が実験的に確認できた」あるいはまた「静止系は客観的な存在である」という事が実験により確認され業界で広く認知される事が必要です。

それに対して現状の業界の認識は「現在までのところ相対性原理と矛盾する自然現象は観測されていない」という認識であり依然として「相対性原理のまぼろしは安泰である」という事になります。

 

追記:静止系に対して運動している慣性系の時間軸がBT時間軸になっている。

これはローレンツ変換のせいではありません。

我々の暮らす宇宙の構造がそうなっているのです。

そうしてローレンツ変換そのものは「通常はその宇宙の隠された構造が認識できない、にもかかわらずその構造を我々の目に見える様にしてくれているもの」なのです。

そうであればまずは宇宙の構造がそこにあり、ローレンツ変換はそれを数式の形で転写して表現しているものである、となります。

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