→(1)からの続き
前回書いたように、怪しそうな写真はウルムチに着いた後で即座に消去したわけですが、念には念を入れて、ネットで落としたウイグル関係の資料なども全て消しておきました。
いずれにしても、ビシュケクの住処に置いてきた携帯用HDにコピーが入っているので、帰ったらまた入れればよいだけの話で。
とはいえ、ウルムチでの滞在中には、公安とは何のトラブルもありませんでした。彼らはロシアや中央アジア諸国の警察とは違って、怪しそうな外国人は“とりあえず”しょっ引いて締め上げてみるとか、懐が寂しいからついでにカツ上げもしてみる、なんてことは(少なくとも外国人には)やらないですね。
その辺りは、いかに同じ“旧東側”に属するとは言え、自分には中国の方が“まだ”法治国家っぽく感じられる所以だったりします。
入国した際の税関での騒動も、最近“変な条例”ができたから職員らは単にそれに従っていただけだろう。
その“変な条例”はあくまで“変な情報”の持ち込みやら流布についてとやかく言っているだけだから、入国する分にはともかく、出国するのにまたチェックなんて無いだろう。
昨年、カシュガル方面からクルグズスタンに出国した際にも、そういうものは一切無かったし。
いや、もしあったとしても、ヤバそうなものは全部消してあるから問題なし
と、タカをくくっていたのですが……。
…..みたいな書き方で、その後の展開は何となく見当がつくかと思います。
そうです。
甘かったのです。
出国時にこちらに声をかけてきた税関職員は、入国時とはまた別の20台半ばくらいの兄ちゃんで、同じくロシア語を話しました。
-“カザフ人?”
-“いや、日本人。”
-“日本人?ロシア語分かるんだ….。パスポート見せてください”
-“どうぞ。”
彼は暫くパスポートのあちこちの頁を見ていたかと思うと、こう言いました。
-“USBとかメモリがあったら、出してください。”
-“はあ????”
-“調べないといけないので。”
-“何を?”
-“規則ですから。”
いやはや…….PCではなく、今度は記憶媒体ときたか….。
条例云々は関係なく、自分らに都合の悪い情報を国外に持ち出されるのは阻止しようというわけです。
狙いは多分、写真とか動画なのでしょう。
となると、再びまずいことになりました。 USBやデジカメのメモリには、ウルムチ滞在中に撮った写真が入っていたのですが、その中には例のごとく武警絡みのものや、もうすぐ取り壊されるであろう“ラビヤ・ビル”の写真などが何枚も入っていたのです。
まあ、今度は見つかっても“入国拒否”を心配することなどないし、こちらは中国国民ではないので、普通に出国はできるでしょう。
↓ウルムチのウイグル人地区“ドン・キョウリュック(二道橋)”にある“ラビヤ=カーディル商業ビル(通称“ラビヤ・ビル”)。近々、当局により取り壊されることになっているそうで、内部は廃屋のような状態。この写真は昨年の10月に撮ったもの。
↓とりあえず、2010年4月初旬の段階では未だ健在だった。
撮影:いずれも管理人
ただし、写真の幾枚かは消されるかもしれないし、連中に目をつけられたら、次回からの入国に差支えがあるかもしれない。
それはそれで、困るわけです。
さてどうしたものか?
無いと答えても、もし身体検査をされればカメラもUSBも出てきてしまうわけで。
ともかくも、あれこれ考えている時間は無し。気づいたら、咄嗟にPCバッグを差し出していました。
-“USBは無いです。PCは持ってますけど。”
もし、言われた通りにUSBやらメモリやらを出したとしても、彼らはどうせPCも調べるでしょう。
だったら、PCの方に注意を集中してもらった方が良い。
そのドサクサで、USBとかメモリのことを忘れてもらえば、めっけものです。
もちろん、PCを調べた後、しつこく“本当に他の媒体はもって無いんだろうな?”と迫ってくる可能性も有るのですが、その時はその時ということで……。
そういう訳で、今度はちゃんとPCに起動してもらわないと困ります。正直に、電源部分の接触が悪いことを告げ、一緒に別室に向かったのでした。
→(3)に続く
前回書いたように、怪しそうな写真はウルムチに着いた後で即座に消去したわけですが、念には念を入れて、ネットで落としたウイグル関係の資料なども全て消しておきました。
いずれにしても、ビシュケクの住処に置いてきた携帯用HDにコピーが入っているので、帰ったらまた入れればよいだけの話で。
とはいえ、ウルムチでの滞在中には、公安とは何のトラブルもありませんでした。彼らはロシアや中央アジア諸国の警察とは違って、怪しそうな外国人は“とりあえず”しょっ引いて締め上げてみるとか、懐が寂しいからついでにカツ上げもしてみる、なんてことは(少なくとも外国人には)やらないですね。
その辺りは、いかに同じ“旧東側”に属するとは言え、自分には中国の方が“まだ”法治国家っぽく感じられる所以だったりします。
入国した際の税関での騒動も、最近“変な条例”ができたから職員らは単にそれに従っていただけだろう。
その“変な条例”はあくまで“変な情報”の持ち込みやら流布についてとやかく言っているだけだから、入国する分にはともかく、出国するのにまたチェックなんて無いだろう。
昨年、カシュガル方面からクルグズスタンに出国した際にも、そういうものは一切無かったし。
いや、もしあったとしても、ヤバそうなものは全部消してあるから問題なし
と、タカをくくっていたのですが……。
…..みたいな書き方で、その後の展開は何となく見当がつくかと思います。
そうです。
甘かったのです。
出国時にこちらに声をかけてきた税関職員は、入国時とはまた別の20台半ばくらいの兄ちゃんで、同じくロシア語を話しました。
-“カザフ人?”
-“いや、日本人。”
-“日本人?ロシア語分かるんだ….。パスポート見せてください”
-“どうぞ。”
彼は暫くパスポートのあちこちの頁を見ていたかと思うと、こう言いました。
-“USBとかメモリがあったら、出してください。”
-“はあ????”
-“調べないといけないので。”
-“何を?”
-“規則ですから。”
いやはや…….PCではなく、今度は記憶媒体ときたか….。
条例云々は関係なく、自分らに都合の悪い情報を国外に持ち出されるのは阻止しようというわけです。
狙いは多分、写真とか動画なのでしょう。
となると、再びまずいことになりました。 USBやデジカメのメモリには、ウルムチ滞在中に撮った写真が入っていたのですが、その中には例のごとく武警絡みのものや、もうすぐ取り壊されるであろう“ラビヤ・ビル”の写真などが何枚も入っていたのです。
まあ、今度は見つかっても“入国拒否”を心配することなどないし、こちらは中国国民ではないので、普通に出国はできるでしょう。
↓ウルムチのウイグル人地区“ドン・キョウリュック(二道橋)”にある“ラビヤ=カーディル商業ビル(通称“ラビヤ・ビル”)。近々、当局により取り壊されることになっているそうで、内部は廃屋のような状態。この写真は昨年の10月に撮ったもの。
↓とりあえず、2010年4月初旬の段階では未だ健在だった。
撮影:いずれも管理人
ただし、写真の幾枚かは消されるかもしれないし、連中に目をつけられたら、次回からの入国に差支えがあるかもしれない。
それはそれで、困るわけです。
さてどうしたものか?
無いと答えても、もし身体検査をされればカメラもUSBも出てきてしまうわけで。
ともかくも、あれこれ考えている時間は無し。気づいたら、咄嗟にPCバッグを差し出していました。
-“USBは無いです。PCは持ってますけど。”
もし、言われた通りにUSBやらメモリやらを出したとしても、彼らはどうせPCも調べるでしょう。
だったら、PCの方に注意を集中してもらった方が良い。
そのドサクサで、USBとかメモリのことを忘れてもらえば、めっけものです。
もちろん、PCを調べた後、しつこく“本当に他の媒体はもって無いんだろうな?”と迫ってくる可能性も有るのですが、その時はその時ということで……。
そういう訳で、今度はちゃんとPCに起動してもらわないと困ります。正直に、電源部分の接触が悪いことを告げ、一緒に別室に向かったのでした。
→(3)に続く
しかし、そこまでして隠したいのか
むしろそうやって隠すとかえって疑念を持たれるだけだと思うんですがねえ
∧_∧ +
(0゜・∀・) ワクワクテカテカ
(0゜∪ ∪ +
と__)__) +
ムチャすんな