でも、結論としては、やはり彼は自分で言っているような「ロシア人」であるように思えます。 その理由はいくつかあるのですが、例えば、こんな↓スレがありました。
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<教えて!ナロード>
「自分で立てたスレッド削除されたのって、誰を叩いたとき?」
原文:Когда удаляют ваш вопрос кого вы поминаете лихом?
http://otvet.mail.ru/answer/151214425/
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/66/e99a28d99174f046d7f15a8be14d4a37.jpg)
日本人と“プーチノイド”たちを叩いた時だ。
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〝プーチノイド“というのは、ロシアの現首相V.プーチンが指導する与党〝統一ロシア”の党員に対する蔑称です。実は、「パルチザン三世」氏は、この掲示板上では日本よりもはるかに凄い勢いで現政権とプーチンを叩いています。もし彼が情報工作wをやってる北朝鮮の人間だとしたら、わざわざそういう面倒なことはやらないでしょう。
ただ、この掲示板全体を見た限りプーチン批判のスレは普通に立っているし、日本についてのそれも既にご存知の通りです。削られたとしたら、恐らくタイトルが過激すぎたとかそういう理由ではないでしょうか。
で、何故彼がプーチンにたてつくかというと、彼は主体(チュチェ)思想主義者であると同時に、徹底したスターリニストだからです。いや、「スターリン原理主義者」と言った方が正しいかもしれない。
こんな↓スレがありました。
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<教えて!ナロード>
「スターリンの名前から何を連想しますか?」
原文:Какие ассоциации у вас вызывает имя СТАЛИН?
http://otvet.mail.ru/answer/149986902/
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/66/e99a28d99174f046d7f15a8be14d4a37.jpg)
1) ソ連の工業化
2)第二次大戦
3) 個人崇拝
4) ラーゲリ(強制収容所)
人類の歴史の中で最も偉大な指導者の一人だ。彼を個人もしくは人間とみなしてはならない。彼は完璧な指導者なのだ。
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スターリン体制の下、強制収容所で命を落としたソ連人の数は何百万とも何千万とも言われます。さらにスターリンといえば、極東地方に住む無実の朝鮮人十数万を中央アジアに強制移住させ、悲惨な境遇に陥らせた張本人でもあるのですが、そうした負の側面を認めた上でもなお、スターリンを崇拝しているらしい。
彼がロシアのことについて語る場合、その価値基準はあくまで「階級」にあり、「民族」云々の話はあまりでてきません。例外的に、「日本」という言葉を目にすると民族意識が発動されるようなのですが、考えてみれば、そうした日本のものを罵倒する時にも「日本の~は朝鮮半島が起源だ」とか、「倭奴」的な華夷秩序に基づく罵倒語ではなく、「ファシスト!」だったなあ。
そういう彼の理想とする社会は非常に単純なもので、いわば、
「全能の指導者に統治された、国家による統制経済の下での貧富の差無き平等社会」
みたいな感じでしょう。具体的には、スターリン時代のソ連、あるいは父祖の地である現在の北朝鮮のような国か。
ソ連とかスターリンを肯定的に見るあたり、何だかプーチンとも気が合いそうな感じもするのですけどね。でも、プーチンというのは「国家主義者」ではあっても「共産主義者」ではありません。強力な国家を維持するためであれば、資本主義もそれによって生じる格差も認めます。「パルチザン三世」氏としては、それが気に食わないらしい。あくまで階級の原理にこだわるのです。その辺りの原理・原則と己が信念に忠実な所は好感がもてますね。嫌味ではなく。
というのも、 一般に、スターリンやソ連国家のことを肯定的に語るロシア人というのは、共産主義どうこうよりもあくまで「超大国としてのソ連」が好きなのであって、その「超大国」に自己を投影しているようなダメな人間が多いのですよ。我らが「パルチザン三世」氏はその辺りは実に潔いです。昨年8月のグルジア戦争以来、現政権が行っている愛国キャンペーンも完全にスルー↓ですよ。
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<教えて!ナロード>
「我々は、グルジアとの戦争の後になってはじめて、真の意味で誰が敵で誰が味方なのかを、理解したのではないだろうか?」
原文:Только после войны с грузией до нас наконец дошло кто нам по настоящему враг, а кто друг?
http://otvet.mail.ru/answer/149719203/
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/66/e99a28d99174f046d7f15a8be14d4a37.jpg)
ほお、貴方にとっては誰が敵で、誰が味方なのかな?俺にとっては戦前も戦後も味方は労働者階級だ!そして敵はオリガルヒ(財閥)とブルジョア階級、それに諸々の社会の落伍者(ならず者、宿無し、アル中)だ!
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質問者としては、昨年のロシアのグルジア攻撃とアブハジア・南オセチアの独立承認を支持した、
・ベラルーシ/ヴェネズエラ/キューバ/シリア等=味方
・上記以外の国=敵
とでも言って欲しかったんでしょうが、相手が悪かったですね。
ちなみに、ソ連時代には「無職」=「犯罪」で、働かない人間は刑事裁判にかけられていました。それゆえ、経済的にも法的にも「ニート」は存在しようがなかったのです。それと、夜中に酔っ払って街中を歩いているところを警官に見つかれば、今のロシアでも無条件でブタ箱行きになります。
それでもまあ、彼のような人間は今のロシア社会ではあくまで少数派です。それは、このスレの反応↓を見ても分かるでしょう。
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<教えて!ナロード>
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/66/e99a28d99174f046d7f15a8be14d4a37.jpg)
「みんなは、善き良質な独裁政治が待ち遠しくないか?それは厳正な規律と、秩序と、社会的平等を伴うものだ。」
原文:Вам хочется хорошей и качественной диктатуры? С жесткой дисциплиниой, порядком, всеобщим равенством.
http://otvet.mail.ru/question/23101212/
回答ナロード1号
やだ。
回答ナロード2号
できれば、もっと詳しく!
回答ナロード3号
いやいや、もうお腹一杯だよ。
回答ナロード4号
「.....私はコンフリオ...貴方は私を脅すのですか?」
※ 何かからの引用みたいなんですが、元ネタがよく分からない。
回答ナロード5号
俺たちは、そんなものはもう忘れてしまったんだよ。まあ、ユーシェンコやティモシェンコ(オレンジ革命wの指導者たち。ユーシェンコは現ウクライナ大統領)といった連中がもっとマシな人間だったら良いんだけどね。皆の心を捕まえて、テレビを通して特定の民族、例えばロシア人に対するインチキな情報を捏造したりしないような....。とりあえず、俺は反対だ。
※ この人は、ウクライナ在住のロシア人のようです。ちなみにウクライナでは、ロシア人の多い東部は完全にロシア語圏で、地元のウクライナ人も普段はロシア語を話します。というか、常にウクライナ語を使っている地域なんて、多分西部のポーランドに近い地域だけのような....。その西部に支持基盤を持つ今の大統領ユーシェンコはウクライナ人の民族主義を鼓舞するために反ロシア的な言辞を弄する事が多く、それゆえロシア系には嫌われているのですが、彼にとっては、それさえなければプーチンよりもマシだということらしい。
回答ナロード6号
とんでもない!特に社会的平等っていうのが怖い。それが良質なものならなおさら。うちの近所みたいに働いたり暮らしたりするのは絶対いや。
※金持ちのようです。
回答ナロード7号
まあ、遠慮しとくよ。でも、なんで?
回答ナロード8号
全てがうまくいくのなら、「法の独裁※」も必要なのかもしれないけど。
※「法の独裁」はプーチンが大統領時代から使っている法治の実現を目指すためのキャッチフレーズ。「パルチザン三世」氏は気に食わないはず。
回答ナロード9号
いいえ、結構。良質の独裁政治なんて、定義上ありえない。
回答ナロード10号
もしあなた方が、自分らの子供が殺されたり犯されたり、人々が感情の無い愚かなミュータントに変貌したり、一握りの人間が自らのことを全能の神だと勘違いしたり、一般庶民がささやかで平穏な生活を送る権利を持たなかったり、といった状態を望まないならば、厳格な支配を受け入れても良いでしょう。仮にそれが僭主的な政権であっても、です。特に、その政権が容認できるレベルの社会保障で人々の生活を安定させるなど、国家の側で多くのことをやってくれるのであればね。
とにかく忘れないで頂きたいのですが、ソ連時代には教育は無償であり、雇用は安定しており、給料も年金も保障されていました。医療サービスも無料でしたし、その他諸々の社会的達成がみられたのですよ。
今、資本主義の恩恵を多少なりとも受けている人っているんですかね。失業者に政商や小役人の専横、お上の一般庶民への完全な無関心による有償の教育と医療や、金のかかるその他の行政サービス.......。
※原文は非常に読みづらい文章です。大意は合ってると思うのですが....。
<ナロード・ベストアンサー>
いや、必要ないよ。何故ならそれは“空色の夢(心に秘めた、実現可能性の低い願望の意)”というか、あり得ないことなので。正しく善良な独裁者が出た後で、その後継者が前任者の偉業を忘れて好き勝手なことをやるのは、世の常なわけで。御存知とは思いますがね。
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長い文章を書いている「回答ナロード10号」は多分、老人なのではないかと思われます。1991年のソ連崩壊によって恐らく一番打撃を受けたのは年金生活者で、経済の破綻とハイパーインフレによって貯金は紙屑となり、受け取る年金もほとんどただ同然になってしまいました。その一方で、要領の良い悪者は国有財産をガメてどんどん金持ちになっていったのでした。現在のプーチンに協力している財閥も、また過去に逆らって潰された連中も、元々はそういう怪しい人たちです。
そんな中で、旧体制の規範に忠実な真面目な人たちは、どんどん窮乏していって「負け組」となり、クレムリンと抜け駆けした財閥の連中に対する怨念を抱きつつ、共産党の支持者となっていったのでした。
あくまでこちらの推測なのですが、「パルチザン三世」氏も、何だかそういう人間の一人のような気がしてなりません。もちろん、ソ連時代からずっとこうだった、という可能性もあるのですが....それにしては、やはり行動が過剰に思えるのです。