歐亞茶房(ユーラシアのチャイハナ) <ЕВРАЗИЙСКАЯ ЧАЙХАНА> 

「チャイハナ」=中央ユーラシアの町や村の情報交換の場でもある茶店。それらの地域を含む旧ソ連圏各地の掲示板を翻訳。

鳩山夫人の奇言についての各地での報道と、それに対する反応(2)

2009-09-13 09:22:31 | ロシア関係

→(1)からのつづき

ついでにウクライナの新聞も見てみましょう。2009年9月2日付けの”フォークス”紙のロシア語版の記事です。コメントはほとんどロシア語ばかりですが、ウクライナでは、西部を除けば、ウクライナ人でも普段からロシア語で読み書きしている人が多いので、書き込んでる人間がウクライナ人かロシア人かは判断できなかったりします。

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「日本の次期首相夫人、宇宙人とともに金星に行ったと表明」
原題:Жена будущего премьера Японии заявила, что летала на Венеру с инопланетянами

http://focus.in.ua/foreign/61420?#comments

↑こんな写真が使われてたw

日本の次期首相、鳩山由起夫氏の夫人が外星人と接触していたことを明らかにした。ロイターの伝えるところによれば、鳩山幸氏は、“眠っている間に、私の魂は三角形のUFOと出会い、金星へと旅立ったのです。そこは大変美しく、本当に緑の惑星でした”と語ったという。鳩山由起夫氏は9月16日の党内選挙の後、首相に指名されるものと予想されている。


<ナロードのコメント>


論評ナロード1号
彼女は、とにかく、どんな手をつかっても夫と自分自身への注意を惹かないといけなかったんだよ!!!

※違うだろうw


論評ナロード2号
宇宙人は地球を征服しようとしてるんだ。手始めにキエフ(ウクライナの首都)、そして日本の全島を。


論評ナロード3号
よし、彼女をこの緑で美しい、地表の温度400度の惑星に送り出さないと….。


論評ナロード4号
うーん...ジャーンナ=アグザーロワにも今や心の姉妹ができたってことか?

※ ジャーンナ=ハサーノヴナ=アグザーロワ(1967~):ソ連~ロシアのロック歌手。過激なファッションと奇行で有名。名前から見てタタール系。


論評ナロード5号
えーと、みんな分かってないなあ。彼女も米国から送り込まれたんでしょ。次なる(カラー)革命のために。革命はもうすぐ日本でも起こるのよ。米国は何事に於いてもうちらの先を行ってるんだって。その中には外星人との接触も含まれるわけwww

※ 2000年代の前半に相次いで起こったウクライナの“オレンジ革命(笑)”やグルジアの“バラ革命(笑)”は、実際にはいずれも“革命”というよりは米欧(特に米国)の息のかかったNGO+政治家らの起こした“政変”のようなものだった。現に、その後の両国では“革命”で標榜されていたような社会の民主化はちっとも進まず、結局は米欧とコネを持つ新エリートがソ連時代以来の旧エリートに取って代わっただけではないかという話がある。

ちなみに、ウクライナという国は大まかにはウクライナ系住民が西部に、ロシア系住民が東部や南部のクリミア半島に集中しているが、後者の人々の中には政治的に親露派で、“オレンジ革命(笑)”のことを苦々しく思っている人が多い。この人も多分ロシア人。



論評ナロード6号
で、あんたはそれをどうやって確かめたの?


論評ナロード7号
鳩山さん、何を喫ってるんですか?


論評ナロード8号
まったく、ジャーナリストの奴らはしくじったな!彼女が金星に居た時、レオニード=チェルノヴェーツキーと会ったかどうか、聞き出すべきだったんじゃないか?

レオニード=ミハーイロヴィチ=チェルノヴェーツキー(1951~)=現在のキエフ市長にして、ウクライナ・キリスト教民主党の党首。公の場で“飼い猫と一緒に宇宙に行くつもりだ”と口走るなど奇行が多く、“宇宙のリョーニャ(レオニードの愛称)”の渾名を持つ。

↓参考1:記者会見で踊るチェルノヴェーツキー



↓参考2:宇宙服を着せられたチェルノヴェーツキーの風刺写真



論評ナロード9号

キチガイがいるのはウクライナだけじゃないってことか。

※多分、チェルノヴェーツキーのことを言っている。


論評ナロード10号
みんな、行間を読むんだ。鳩山幸さんは(金星ではなく)キエフにいて、チェルノヴェーツキーと会ってたってことなんだよ。


論評ナロード11号
この人の言うてはること聞いとったらな、何や胸の痛うなるくらい誰かさんのこと思いだすんやけどwww。

※ここだけウクライナ語で、原文は“Її висловлювання, до болі мені когось нагадують :)))”。直訳したら“彼女の発言は、胸が痛くなるほど私に誰かを思い起こさせる”くらいの意味になると思われるが、間違ってるかも。

なお、ここでの“誰かさん”はチェルノヴェーツキーのことを指すと思われる。



論評ナロード12号
みんな宇宙人のせいだって分かったでしょ。全ての不幸は彼らのせい!!!国家予算を使い込んでいるのも彼ら。決して議院や政府、大統領じゃなくて。私たちをゾンビ化(洗脳して無気力化)してるのも彼ら。マスコミじゃない。もし私が仕事に行きたくないときは、上司にはこう言うの。緑の小人たちに出くわして、彼らから連れ去られたってね!!!


論評ナロード13号
>11号
友達が出てきたようだね、猫ちゃん???すぐ一緒にヴィスカス(キャットフードのメーカー名)でも食べるのかな?

※11号と12号がアイコンに猫の写真を使っていて、かつ女性名だったのでこういうことを書いているらしい。ちょっとキモい。


論評ナロード14号
この明確な意志を持った連中が地球を征服するなんて...恐ろしいことだな。チェルノヴェーツキー.だ...この日本人女性は。


論評ナロード15号
いいぞ、日本人!俺たちも革命を起こさないとな。奴らはもう自分らのカミサンを金星に送り込んでいる。首相自身はどこに飛ぶのか、興味があるところだがな。あの星は夜ごと太陽の周りを周ってるものだと思ってたが..まさか人が住んでるとは!!!!俺たちは皆、NATOびいきのロシア人とセヴァストーポリについて文句を言っている。豪勢に暮らす必要が誰にあるかってんだ。

※セヴァストーポリはウクライナの南部、クリミア半島にあるロシア黒海艦隊の拠点。クリミア半島の住民もロシア人が過半数を占めるため、近年ロシアとウクライナの間で係争地となりつつある。それにしても、この人の言ってること(特に後半)はいまいちよく分からない。

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........まあ、どこの新聞もトンデモ発言を誉めるでも貶すでもなく、淡々とそのトンデモさを伝えているような感じですね。で、読者の側も単なる電波として受け取っているという.....。


 


鳩山夫人の奇言についての各地での報道と、それに対する反応(1)

2009-09-13 07:13:10 | ロシア関係

最近知ったのですが、何だか鳩山夫人のアレな発言が騒ぎになっているようですね。

2009年9月6日付けの毎日新聞の報道は以下の通り。

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鳩山幸さん:外国メディア 奇抜さ注目も変化象徴と好意的
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20090906k0000m040055000c.html

鳩山由紀夫民主党代表の妻幸(みゆき)さん(66)の「金星に行った」「トム・クルーズは前世で日本人だった」といった発言が海外メディアに注目されている。奇抜さを強調する記事も多いが、4日付の英タイムズ紙は「日本が『自分らしさ』を大切にする社会に変わりつつある」と好意的に論評した。

ドイツ大衆紙ビルトは4日付の最終面トップで「日本の新ファーストレディー『私は宇宙人に金星に連れて行かれた』」との見出しで発言を紹介。英インディペンデント紙は「ミシェル・オバマ(米大統領夫人)やカーラ・ブルーニ(仏大統領夫人)は人気を奪われそうだ」と報じた。

著書やテレビの発言から奇抜な部分を抜き出したものだが、英タイムズの社説は「日本は、仕事中毒の男と酌するだけの女と(欧米諸国に)みられがちな不可解な国でないことを示す手助けになる」と解説した。カタールの衛星テレビ・アルジャジーラ英語版も5日「世界の指導者並みに注目される、平均的でないファーストレディー」と紹介し、発言が「個性的でいい」と国民に肯定的に受け入れられていると伝えた。 

「金星」発言は08年出版された対談集「私が出あった世にも不思議な出来事」(学習研究社)に収録されている。幸さんは対談で「眠っている間に、魂が三角形のUFOに乗って金星に行って来たと思っています」と体験を紹介した。 また、09年5月に放映されたテレビ東京の対談番組「美女放談」で「言ったもの勝ちですから適当に聞いといて」と断り、米俳優トム・クルーズ氏について「私は前世で彼が日本人だったというのを知っているんです。私は彼と一緒だった」と語っていた。

【ベルリン小谷守彦、カイロ和田浩明】

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......いや、“三角形のUFOに魂を運ばれた”、“トム・クルーズの全世が日本人”って...“自分らしさ”とか“奇抜”とかそういうレベルをはるかに超えてるではありませんか。ほとんど“ムー”の世界です。

しかし、この騒ぎになってるキテレツな発言というのは、てっきりインタビューか何かで飛び出したのかと思ってたのですが、実は著書が元になってたんですね。一体どんな本なんだ?アマゾンで検索してみたら、こんなの↓が出てきました。

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私が出あった世にも不思議な出来事 (単行本) 鳩山 幸, 池田 明子

http://www.amazon.co.jp/%E7%A7%81%E3%81%8C%E5%87%BA%E3%81%82%E3%81%A3%E3%81%9F%E4%B8%96%E3%81%AB%E3%82%82%E4%B8%8D%E6%80%9D%E8%AD%B0%E3%81%AA%E5%87%BA%E6%9D%A5%E4%BA%8B-%E9%B3%A9%E5%B1%B1-%E5%B9%B8/dp/4054038026


最も参考になったカスタマーレビュー
8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

いろいろな体験談に感心したり驚いたり。。。,
2008/12/21 By ジャスミン (新潟県)

ムーという雑誌にこのような著名人の皆さんの不思議体験が掲載されていたとは知らず、同時に、聞き手の一人の鳩山幸さんがスピリチュアルな本をお出しになっていることも知りませんでしたので、本を手にとった時点でちょっと驚いたのですが、内容も、単に不思議とか怖い体験だけではなく、とても含蓄のある、ためになるお話もありましたので、読後の印象はまったく違ったものとなりました。


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”ムー”みたいも何も、そのまんま”ムー”に連載してたんじゃないか!

ギャフン。

まあ、オカルトだ何だといってもあくまでこれは奥さんの話なわけです。いかに彼女が電波なことを言おうが、鳩山氏当人が本業をまともにやってくれればこちらには別に文句はありません。

ただですね、毎日に書かれているように"海外で好意的に伝えられている”というのは本当なのでしょうか?記事では英”タイムズ”紙がやたらと引用されているのですが、あの意地悪で有名な英国人の言うことを壁面どおりに受け取っていいのかね。
元の記事を読んだ限り、単なる”皮肉+社交辞令”のような.......。

とりあえず、記事には出てこなかった”海外”の反応をいくつか見てみましょう。

まずは、2009年9月4日付けのトルコの”サバフ”紙の記事とそれに対するコメントです。

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「“宇宙人が私を金星に連れ去った”ファースト・レディの奇妙な主張」

原題:"Uzaylılar beni Venüs'e kaçırdı "First Lady'den garip iddia!

http://www.haberturk.com/haber.asp?id=170482&cat=180&dt=2009/09/04

今週、日本では鳩山由起夫氏が首相に選ばれた。それに伴い、夫人の鳩山幸氏も新たな“ファースト・レディ”となったのだ。この62歳の“ファースト・レディ”が昨年出版した「私が出あった世にも不思議な出来事」という名の本が、にわかに国中で話題の的となっている。何故なら、“ファースト・レディ”はその著書において“体が眠ってる間に、魂は三角形のUFOで金星に行ったんです。とっても緑で、美しい場所でした。”と述べつつ、宇宙人が自らを連れ去ったと主張しているからだ。

かつて、女優であった頃に首相の人生のコーチに転じた鳩山幸氏は、夫の着る服を選ぶだけでなく、その髪までも切っているという。


<ハルクのコメント>

論評ハルク1号
大好きだ、日本人。


論評ハルク2号
目が細いと、間違ったものが見えるんだな。


論評ハルク3号
日本人恐るべし。


論評ハルク4号
寝る前に重いものを食ってはいけない。


論評ハルク5号
寝る前に一体何を飲んでるんだ?www


論評ハルク6号
私は毎晩ヘイベリ(=ヘイベリ島。マルマラ海に浮かぶ小島で、イスタンブル市民の避暑地)で月光の中を散歩したものだった……

※古いトルコ歌曲、“私たちは毎晩ヘイベリで月光の中を散歩したものだった”をもじっている。


論評ハルク7号

俺も月に行ったことがある。

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何か既に鳩山氏が総理大臣になってますが、こういうのはトルコのメディアではよくあることです。気にしないでください。しかし、どの新聞も同じような記事を載せてましたが、コメントがついてるのはこの”サバフ”紙のものだけでした。コメント自体も何だかなげやりで、読者の関心はいかにも低そうな感じです。

では、ロシアはどうでしょうか?ポータルサイト”Mail.ru"の質問版には早速スレが立てられていました。

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<教えて!ナロード>

「彼女は何を食ってるんだ?w」
原題:Она что ест?+
http://otvet.mail.ru/question/29043485/

日本の次期首相の夫人が、宇宙人と会って一緒に金星に行ったと主張している。外星人たちが鳩山幸氏を旅へと連れ出したのは、20年ほど前のことだ。彼女自身が眠っている間、その魂は宇宙船で飛んでいた、と昨年出版された著書で説明。幸氏は、“金星はとても緑の、すばらしい”場所だと語る。

ロイターが著作を引用するところによれば、その隣の星へ行った後、目を覚ました彼女は当時の夫に全てを語った。でも、彼はずっと夢を見ていたのだと決め付け、信じなかったという。 現在の夫にして将来の首相である鳩山由起夫氏は、恐らく幸紙の信じる宇宙旅行に大きな理解を以て接したのだろう。



<ナロードの答え>


回答ナロード1号
質問が正しくないな。“彼女は何を喫ってるんだ???”の方が面白い。


回答ナロード2号
精神科に行ったほうがいいんじゃ....。


回答ナロード3号
酔っ払いのおばちゃんだな.....


回答ナロード4号
質の悪い寿司にあたったんだろ。よくあることだw。


回答ナロード5号
彼女が何を食べたかは分からないけど、お金のためにこういうことをしたかったわけじゃないんじゃないかな。


回答ナロード6号
病的な幻想だと、俺は思うんだが。


回答ナロード7号
何で彼女は、旦那さんが真面目に取り合ってるかどうか確かめなかったの?ていうか、彼も既に“元夫”になってるとか?www


回答ナロード8号
俺が思うに、この夫は、恐らく本当に彼女を信じてたんじゃないか?社会的に高い位置にある人物であるがゆえに、メディアの前では言わなかったというだけで。もし彼が全世界に対して、“こんなのは全てタワゴトだ”と言ったとしても.....彼らはきっと何かを知ってるんじゃない?www

※そうでないことを祈りたいw。
<ナロード・ベストアンサー>

日本では、エリート用の不思議なキノコのようなものが栽培されているらしい。

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→(2)に続く


戦艦大和が好きなロシア人(3)

2009-09-07 05:04:18 | ロシア関係

(2)からの続き

ヴィターリー=カヴタラゼ
戦術的には、一隻か二隻の艦船のために戦艦を潰すのは、意味が無い。

※これはグルジア系の姓。


ニキータ
とにかく、大和はもっと前に使い潰すべきだったんだよ。レイテ湾であの時ならアメ公に十分嫌がらせができたんだ。


マクシム@「戦艦大和は世界最強」の管理人
>ニキータ
どういう意味?


アンドレイ
>マクシム
つまり….大和はその前にレイテ湾での海戦に参加していたのだから、その時に最大限の力を発揮すべきだったってことだろ….。

※1944年のレイテ沖海戦において、大和以下の日本艦隊を率いていた栗田提督が突然躊躇したことにより実現しなかった、レイテ湾突入作戦のことを言っているらしい。迷わず突っ込んでいれば、米軍の上陸部隊と輸送船団を撃滅できる可能性は確かにあった。ちなみに、大和の同型艦“武蔵”はこの時、米軍機の集中攻撃を受けて沈んでいる。


リンチェナ
>エヴゲーニー
あなたの意見に大いに賛成ですね。今日に至るまで、日本人は皆“武士道”を枕頭の書としているのですが、この本は、日本の戦士のほとんど全ての振る舞いを説明しうるもの。私には日本人の友人(22歳の男性)がいるのですが、この本を全巻揃えています。

彼自身がそれを全巻読んだかどうかは分かりませんが、こと自らの尊厳が問題になった場合、この書の知識が表に出てくるわけです。かように“武士道”は素晴らしい本なので、是非一読されることをお勧めいたします。精神修養のためにもねw。

※ これはブリャート・モンゴルの女性名で、モンゴル圏によくある男性名“リンチノ”の語尾に“-a”を付けたもの。ロシア語の名詞には性の区別があり、ロシア人の女性名も語尾が「-a」で終わる“女性名詞”が使われるのが普通なのだが、その影響か、旧ソ連圏内の他民族の間では、男性名、女性名を問わずその固有名の語尾に「-a」を加えて女性名とする場合がある。生活言語として、普段からロシア語を使っている地域ほどその傾向は強いかも。

なお、ロシアに住むブリャート・モンゴル人は今なお大部分がチベット仏教の信仰を保っているものの、都市部では言語的にかなりロシア語化が進んでいて、ブリャート語を話せない人が多い。

それはともかく、この人の言っている“武士道”は決して新渡戸稲造が外人向けに書いたアレではない模様(そもそも、原書は何冊にも渡るような長いものではない)。あたかもコーランか仏典のような、”ブシドー”なる大著の聖典が存在するかのように勘違いしているような気がする。



リンチェナ

ところで、2005年にこの最も華麗な(そして最強の)巡洋艦についての映画が作られました。私がこれまで見た映画の中でも、心からお勧めしたい作品です。あなた方を感動させるのは間違いないと思うし、あなた方の日本観、いやそれどころか人生観までも変えてしまうかもしれません。

※巡洋艦じゃないだろうw。


マクシム@「戦艦大和は世界最強」の管理人
>リンチェナ
それは“オトコ・タチ・ノ・ヤマト(男たちの大和)”のことですね?


リンチェナ
>マクシム
そうです。


アンドレイ
>リンチェナ
俺もその映画みました。なんというか、本当に暗いストーリーだった。それよりも、とにかく大和の美しさと大きさの方が記憶に残っていますね。


アザト
いったい何が分からないんだ?敗北が間近になった日本が大和を敵にやったら、相手が受け取れなかったというだけのことだろ。

※イラン=テュルク文化圏ではよくある男性名で、元々はペルシア語で“自由”を意味する。この人もカザフ人らしい。


イワン
そうだ。意味はあった…最後の出撃へと大和を送り出した日本人にとってはな。明らかに意味はあったんだ。残された全ての者たちにとっては…問題だろう…。でも、それは重要なことなのか????


プロニカ
大和は戦いの最中か、あるいは最低でも戦いに臨んだ状態で沈まねばならなかった。日本海軍の主要な象徴の一つとして、大和には、日本人が敗者となるような戦いが終わった後まで生き延び、海の上に浮いているような権利は無かったんだよ。

※何だか草鹿龍之介みたいなことを言っている。wでも、当時の海軍上層部の意図はこの書き込みで言い尽くされているような.....。


ヴィターリー=マズール

俺には大和とヴァリャークを直に比較・研究する必要があるように感じるな。軍人の名誉に係わる問題に直面する中で、いずれも立派に任務を遂行したということで。

※日本では“ワリャーグ”として知られる、帝政ロシア海軍の軍艦。日露戦争の緒戦、仁川沖海戦では艦の数で圧倒的に勝る日本海軍と交戦し、戦闘不能となる。でも、艦長であったルードネフは降伏を潔しとせず、鹵獲を防ぐため艦を自沈させた上、当人と乗組員らは脱出に成功。船は日本側によって引き揚げられ、結局戦利品となった。

ちなみに、“ヴァリャーク”とは、かつて北欧から移住して現地のスラヴ人たちを支配し、ロシア国家の源流とされる“キエフ・ルーシ”を建国した“ヴァイキング”のロシアでの呼び名。操船術と船戦に優れていたと言われる。


マクシム@「戦艦大和は世界最強」の管理人
そうでもないんじゃないかな....。ルードネフには選択の余地があったけど、イトー・セイイチ(伊藤整一)とアリガ・コウサク(有賀幸作)にはなかったわけで。

※ ルードネフは“ヴァリャーク”の艦長。仁川沖海戦の際は重症を負いながらも脱出に成功し、中立国経由で無事ロシアに帰還した。一方、伊藤整一は沖縄に向かった大和を中心とした艦隊の司令官、有賀幸作は大和の艦長で、いずれも大和が沈んだ際は脱出を試みず、運命を共にした。


アンドレイ
なら、ルードネフにはどんな選択肢があったんだ?降伏するか、それとも降伏して捕虜になるのを拒否するかってこと?


マクシム@「戦艦大和は世界最強」の管理人
そういうことだ。


アンドレイ
じゃあ、大和は?もし彼らがどこにも航行を開始せず、全乗組員ともども捕虜になっていたとしたら?もちろん、彼らが抵抗しなければ、というか彼らが降伏を欲した場合の話だけど。でも、実際の彼らは狂信的だったわけで….。


マクシム@「戦艦大和は世界最強」の管理人
彼らは軍人だったんだよ…命令を受けた、な。


アンドレイ
いや、それは分かるんだ。でも、彼らは抵抗をやめ......停船して降伏することもできたろう…..

※そんな“戦艦大和ノ最期”はイヤだw

というか、雷撃機や急降下爆撃機に攻撃されている最中に、どうやって降伏するのか。手旗信号とか?w



マクシム@「戦艦大和は世界最強」の管理人
>アンドレイ
……..あんた、兵役って就いたことあります???

※ソ連時代以来、ロシアでは、成年男子全員に兵役の義務がある。


アンドレイ
>マクシム
ああ、あんたがどの方向に話を持っていこうとしているかは分かるよ。でもまあ、戦時には、全ての命令が遂行されるわけじゃない…..降伏する兵も多いだろ….。

※第二次大戦時のソ連赤軍の軍規は日本軍のものに劣らず、というかそれ以上に厳格であり、戦意の無い兵はしばしば味方の督戦部隊に射殺されていた。また、一旦敵軍の捕虜になった兵は、スパイの疑いをかけられて帰国してからも収容所送りになったりしていた。この人は歴史を知らなさ過ぎる。


アンドレイ
スターリングラードでは、パウルス(元帥)指揮下のドイツ軍は最後まで戦うように命令されていたにも拘らず、その大半が降伏した…そういうもんだ。一つの例だけどw。

※ その時降伏したドイツ兵の殆どはソ連国内の収容所で命を落とし、生きてドイツに帰れたのは僅かだった。捕虜になってからは共産主義者に転じてソ連を支持し、戦後東ドイツで余生を全うしたパウルスもその一人。


イワン
みんな、スターリングラードについてとか、日本人をドイツ人と一緒にするのはやめてくれ。カミカーゼは目前の状況でどうこうって話じゃない…。日本人の生活様式から生じたものなんだ。すべての生活の….。


アンドレイ
あれだな。生活様式について、というのもまた論争的な問題だな。どこにも行き場が無く、後退もできなかったとしたら…彼らはもちろん、狂信者ってことになる….。あと、もう一つ論争的な問題があるんだ。

というのも、それを強制されたと語る人間が多いからで….大勢の人間が洗脳されていたとか、鎖で飛行機につながれていたとかね….自発的にカミカーゼ攻撃に参加した人間は少なかったのかもしれない…。


イワン
まあ、誰が自発的で誰がそうでなかったかなんて分からないんだろうけどな。こうした行動が特に自発的でなかった可能性は十分にある。“洗脳”は一日でなされるものじゃない。もし、ある人間に子供のころから“天皇”、“武士道”、“テンノー・ヘイカ・バンザイ!”と吹き込んでいけば、彼の中ではそういう生活様式が出来上がっていくだろう。

でも、もしそういうものが無かったとしても、自らの目標から目をそらすカミカーゼは一人もいなかったろうし、彼らが己が任務を悔いることも無かったと思うんだ。


アンドレイ
そうだな。同感だよ。

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議論の内容はともかくw、ある意味冷戦の遺産であるインターネットを使って、旧ソ連圏の諸々の民族が戦艦大和の水上特攻の意味について語り合う.とか、.まさかそんな時代が来ようとは...。何とも感慨深いものがありますw

こちらにとって印象的だったのは、カザフ人やウズベク人といった中央アジア系の連中の意見が、総じて辛めでシニカルなことでした。

自分自身の経験でも、あちらの人間とこの手の話題について話すと、意外と文学的というかロマン主義的に”特攻”を語りがちなロシア人に比べて、中央アジア人は反応が非常にドライだったという印象がありますね。

特に、カザフ人とかクルグズ(キルギス)人みたいな元遊牧系の人たちがそんな感じなのです。以前、あるクルグズ人の知人と飲んでいる際に言われたのですが、彼の場合、“故郷を守るために命を捧げる”とか“城を枕に討ち死にする”みたいなことを美徳とする感覚が、心の底から理解できないのだとか。”逃げればいいじゃないか!”みたいなことを言うわけです。

逃げるってどこに?そんな簡単に.言うなよ、と思ってしまいますが、考えてみれば、彼らの御先祖は1920年代辺りまで、つまり爺さんかその前の代の辺りまで遊牧もしくは半遊牧生活を送っていたのでした。それまでの伝統的な部族同士の戦争では、負けた側が相手の傘下に入るか、散り散りになってユーラシア大陸を逃げられるだけ逃げ、新たな良い牧地を見つけたらそこで再集結したり、他の部族を加えて再起するのが普通だったわけです。

ここ百年のあの辺のカザフ人たちの辿った運命を見ても、

1916年に帝政ロシアに対し大反乱を起こし、鎮圧されると名目上中華民国の領土だった新疆に逃げる。
      ↓
革命で帝政ロシアが潰れたことで、新疆からまたソ連領となった中央アジアに戻る。
      ↓
スターリンによる強制的な定住化と恐怖政治を逃れて、数万人が新疆へと逃亡。
             ↓
1960年代、文革による民族文化への弾圧と混乱を避けるため、再び数万規模のカザフ人が中央アジアに戻る。

何だか逃げたり戻ったりの繰り返しですよ。

文化的な土壌の違いを痛感した次第です。見てくれはモンゴロイド系で、一般的なロシア人よりもはるかに我々にちかいんですけどね....。


戦艦大和が好きなロシア人(2)

2009-09-07 01:14:36 | ロシア関係

大和のことは、件の“戦艦大和は世界最強”よりもっと大きなグルーパでも話題になっていました。

それがこれ↓です。

「カミカーゼ」<711人>
Камикадзе
http://vkontakte.ru/club1686553

真の熱き愛国者-“カミカーゼ”についてのグルーパです!そして、真の愛国者のためのグルーパでもあります!!自国の勝利のためなら、厳しい局面において命を投げ出す用意のあるような!!!というか、そういう者は少ないのか?


“カミカーゼ(Камикадзе)”は英語の“Kamikaze”と同じくロシア語の中に借用された日本語で、第二次大戦中の日本の特攻隊員のことを指します。ロシア人と話していると、”カミカーゼというのは、何かグルジア人の名前っぽい語感だな”、みたいなことを言う人が多いですね。

というのも、グルジア人(より正確に言えばその中で最も多いカルトゥリ人)の姓には、実際に語尾が“-aдзе(アゼ)”と綴りが同じになるのが多いので。“シェヴァルドナゼ”前代のグルジア大統領)とか、“マハラゼ”(ソ連時代初期のグルジア共産党の指導者)とか....。

それはともかく、これは特攻とか特攻隊員について語るグルーパです。紹介文の内容を見ても分かるように、全体的には、何か国家主義的というか右っぽい雰囲気が強いですかね。

こんな↓感じのアンケートがあったりします。

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 <アンケート>

「祖国の名の下に自らの命を差し出すことはできるか?」(総投票数61)
原文:Смогли бы вы отдать свою жизнь во имя Родины?
http://vkontakte.ru/topic-1686553_2201523

                                 23人(37.7%)

否                                   5人(8.2%)

無条件に是。俺は愛国者だ!               18人(29.5%)

もちろん、否                             7人(11.5%)

分からない                              8人(13.1%)

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あと、こんなの↓も。

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<アンケート>

「カミカーゼ(特攻隊員)をどう思う?」(総投票数58)
原文:Кем вы считаете камикадзе?
http://vkontakte.ru/topic-1686553_3622883


愚かな狂信者                             9人(15.5%)

愛国者                                37人(63.8%)

そうするよう強いられた囚われ人                      1人(1.7%)

普通の戦士                             11人(19%)

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何だか、妙に“特攻“に肯定的なんですよ。こういう反応は、おそらく欧米の先進諸国、特にアングロサクソン圏では中々出てこないんじゃないでしょうか。

かつてのソ連軍は、旧日本軍と同じく、勝てさえすれば人的被害なんて度外視する軍隊でした。まあ、体制が違うとはいえ、農村に人ばかり余っていた後発近代国家という点では同じだったわけで....。(ドイツや米国といった)先進近代国家と戦争するに際し、技術力や物量の不足は人間の側の犠牲と根性で補ってしまえ!となりがちだったのは、ある程度仕方が無かったのでしょう。

また、普通の農民を、なるだけ早く自分の意思で戦える兵士に変え、国家への忠誠心を引き出すために、 “国家=社会契約を担保するための共有財”という先発近代国家(米英仏)的な国家観の代わりに、“国家=故郷=有機的な村の延長”という後発近代国家(独とか南東欧)的な国家イメージが上から刷り込まれていった点も似ています。

そういうわけで、ソ連時代から今に至るまで、彼の地では特攻まで行かないまでも、戦時中に捨て身の活躍をした兵士や将校は英雄として大いに称揚され、学校教育やメディアは国民に対し、独ソ戦を題材に“祖国”=ソ連国家に対する献身は美徳である云々、としつこく叩き込んできました。

その辺りのロシア人のメンタリティは、多少は日本人のそれに近いのかもしれない。あくまで西欧人と比べたら、の話ですけどね。

話が大分ずれましたが、このグルーパの700人あまりのメンバーの中には、こうした右っぽい価値観の持ち主の他に、三島作品や“葉隠”の影響で、“特攻”の中に日本文化の独自性や美的感覚を見出そうとして何かと深読みしたがるもの、太平洋での日米戦に興味を持つ軍ヲタなども共存しおり、かなりカオスな状態になっています。これについては後ほどまた詳しく扱うかもしれません。

で、何で特攻隊のグルーパで大和の名前が出てくるかと言えば、“大和”+“特攻”といったら考えられることは一つしかありません。そうです。“水上特攻”ネタです。

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「日本帝国海軍最強の戦艦、大和による最後の出撃に意味はあったのか?」
原文:Имел ли смысл последний поход лучшего линкора Японского Императорского флота "Ямато"?
http://vkontakte.ru/topic-1686553_13111922


<アンケート>


「“大和”の最後の出撃に意味はあったか?」(総投票数27)

あった                                 5人(18.5%)

いや、無意味だった                         10人(37%)

大和はカミカーゼ(特攻隊員)のように己が責務を果たした 12人(44.4%)


<ナロードのコメント>


アンドレイ
こういうのはよく話題になるけど、それでも面白い問題だと思う。


アンドレイ
やっぱり、大和はカミカーゼのような利用のされ方をしたんだ。俺はそう思う….沖縄では最後の決戦の一つが進行中であり、大和はそれを助けに向かったんだ。その目的は、海岸に係留されてその最強の火力で日本軍を支援することにあった。


アンドレイ

引用:
「沖縄における地上戦が未だ始まっていない頃、日本帝国海軍は第二次大戦における最後の大作戦を決行した。それは大規模なカミカゼ攻撃であり、その中には華麗なる戦艦“大和”すら加わっていたのだ。“水上特攻”なる仰々しい名の冠された、大和をはじめとして巡洋艦と何隻かの駆逐艦からなる艦隊は、生還を期することのできない、ある任務を伴って沖縄へと向かった。

即ち、艦隊は進路上にある敵に最大限の被害を与えつつ、衆寡敵さざる状況の中でも全滅するまで戦うことになっていたのである。“大和”は7万トンもの排水量を持つ史上最大にして最強の戦艦だった。」



ティムール
大和は、沖縄を攻撃中の敵軍になんら被害をもたらすことなく沈んだ。アメ公の繰り出す弾幕の中では、そのチャンスも皆無だったろう。こんな“出撃”に意味なんてあるのか?それはみんなが自分で考えて答えを出すことだ。

※プロフィールの欄を見ると、本名(もしくは姓)は“シェールザード”とあり。恐らくタジク人かウズベク人のどちらか。両民族の名は共通のものが多いので、それだけではどちらか判断できない。


アンドレイ
あのな、お前が大和に命令を下した当時のヤマモト(=山本五十六)の立場にあると想像してみろ。お前が彼だったとしたら、どうしてた?


ティムール
>アンドレイ
>“大和”は7万トンもの排水量を持つ史上最大にして最強の戦艦だった。
姉妹艦の“ムサシ(=武蔵)”と空母“タイホー(=大鳳。本当に大和型戦艦の船体を流用していたものの、ちょっと小さい感じだった)”もあるぞ。“タイホー”は乗員が訓練不足だったお陰で、たった一発の魚雷により沈んでしまったんだ。

※これは間違い。“大鳳”が魚雷一発で沈んだのは事実だが、大和型戦艦の船体が流用されたのは空母“信濃”であって、“大鳳”ではない。まあ、“信濃”も進水直後に米潜水艦の魚雷攻撃であっけなく轟沈してはいるのだが...。

>"あのな、お前が大和に命令を下した当時のヤマモトの立場にあると想像してみ
>ろ。お前が彼だったとしたら、どうする?

ヤマモトが当時の日本にいたって?だとしたら、骨壷に入った一群の灰という姿なんだろうけども

※山本五十六は1943年に戦死している。


アンドレイ
えーと、俺が言いたいのはだな…..ヤマモトじゃない、誰か別の提督か司令長官でもよくて…. もしもその立場にあったとして….どうしたかって話なんだけど…..。


ティムール
>アンドレイ
>えーと、俺が言いたいのはだな…..ヤマモトじゃない、誰か別の提督か司令長官
>でもよくて….

何だかなあ.。くだらん......。

>もしもその立場にあったとして…..どうしたかって話なんだけど…..。
具体的な問題は、出撃の意味についてだろ。何でここで“もしも”なんだ?何を言いたいのかと言うと、この問題に“もしも”なんて無い。問題がいずれかの段階にあるか、問題自体が存在しないかのいずれかだ。


ルスタム
ヤマモトはそれまでに死んでいる。で、“大和”の出撃は無意味だった。

※ペルシア古典文学の代表的な叙事詩“シャー・ナーメ(邦題:王書)”に登場する英雄“ロスタム”の名に由来する、イラン=テュルク文化圏にはよくある男性名。この人はカザフ系らしい。


アンドレイ
>ティムール
問題の答えは出してないんじゃないか?w


アンドレイ
>ルスタム
ああ、無意味だった。でも、もし大和が海岸から米軍の陣地を砲撃してたら、どうなってたと思う?


ティムール
>アンドレイ
俺は無意味だったと思っている。あれは自暴自棄の行動だったとしか解釈のしようがないな。米国の対抗兵力の前に、大和は沖縄に辿り着けなかったし、任務も果たせなかった。それらの事実については前にも書いてるが。


ティムール
>アンドレイ
>でも、もし大和が沿岸から米軍の陣地を砲撃してたら、どうなってたと思う?

てことは、あんたは大和が沖縄沖まで辿り着けたかも、とか思ってるわけだ? “レパルス”と“プリンス・オブ・ウェールズ”にまつわる戦史から何ら学んでないんだな。

※いずれもマレー沖会戦で日本海軍の航空攻撃によって撃沈された英国の艦船。航空兵力vs戦艦単体は勝負にならないということを言いたいらしい。


アンドレイ
>ティムール
遠距離射撃で、10km先からでも弾は当たったはずだ…..wwもっと遠くてもいけただろう。必ずしも沿岸ぎりぎりまで寄らなくてもよかったわけで…。


ティムール
>アンドレイ
冗談だろ…..。米軍が沿岸10kmの地点まで接近するのを許すと思うか??それに全ての火砲で砲撃したとしても、命中率は平均で5%だぞ。


ティムール
>アンドレイ
それと、計画では耐久力を強化するため、大和は浅瀬に乗り上げないといけなかったはずだ。


マクシム@「戦艦大和は世界最強」の管理人
>ティムール
>姉妹艦の“ムサシ(=武蔵)”と空母“タイホー(=大鳳。本当に大和型戦艦の船体 >を流用していたものの、ちょっと小さい感じだった)”もあるぞ。“タイホー”は乗員が >訓練不足だったお陰で、たった一発の魚雷により沈んでしまったんだ。

どうやら、物識り君も兵器のことをよく知らないようだがwwww

ここでなぜかグルーパ「戦艦大和は世界最強」の管理人乱入w


ティムール

>マクシム
“タイホー(大鳳)”とか何とかいうのはそう覚えてたからで....。今からちょっとググってみるw。


ティムール
>マクシム
すまん。“シナノ(信濃)”と“タイホー(大鳳)”がごっちゃになってたw


エヴゲーニー
物識りのマニアは氏ねよ!あんた達は日本の歴史を日本人よりも知っているようだな。出撃は無意味だった。でも、俺は“ラスト・サムライ”“ショーグン”といった映画を見たことがある。そういうのは基本的に全て欧州人から見た日本人像なんだろうけど、この小さいながら、誇り高い民族は戦いに於いては最期まで戦い、もし勝利の見込みが無ければハラキリをする。彼らには死に対する独特の感覚があって、俺たちにとっては“破戒”である自殺(←キリスト教の他の宗派と同じく、正教でも自殺は禁止)が、あいつらにとっては立派な人生の最期になるってわけだ

俺はこの民族についてそんなに詳しくないから、間違ったことを言ってるかもしれないんだけどな。まあ、これは単に俺の意見ってことで。

※何かここだけ読んでるとチェチェン人の説明のようだが、実際にはロシアと日本の人口はそんなに変わらない。


アンドレイ
>エヴゲーニー
あんたは基本的に正しいよ。俺もそう思う。

→(3)に続く


戦艦大和が好きなロシア人(1)

2009-09-05 06:54:47 | ロシア関係
大分前のものですが、漢語の翻訳サイト“「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む”で、
こういう↓興味深い記事がありました。

「中国における日本軍の兵器の人気は」
http://blog.livedoor.jp/kashikou/archives/51162870.html


どうやら中国にも、旧日本軍の戦艦とか戦闘機が好きな軍ヲタやモデラーが結構いるようなのです。ただ、それを公言したら、“反愛国的”だ何だとお上や世間から叩かれがちなため、色んな意味で肩身の狭い思いをしつつ暮らしているのだとかw。

あの国では“日本帝国主義には反対だが、「紫電改」は純粋にメカとして好き。”みたいな立場は不可らしいw。きっと、同じ論理でパンター好きは“ナチ”に、メルカパ好きは“シオニスト”に、アッガイ好きは“反地球連邦主義者”になったりするのでしょうw。

国共内戦の際、人民解放軍がソ連軍から引き渡された旧日本軍の戦車や火器類を大量に使用したり、草創期の中国空軍で、徴用された日本人の元航空士官がパイロットの養成などに大きな役割を果たした歴史とか、向こうの自称“愛国者”たちはどの程度知っているのかね?多分、知らないんだろうなあ。

でも、その割にはT宮模型の日本軍ものの複製品なんて、その辺のおもちゃ屋でも普通に売ってるんですけどね。こちらも何年か前、ウルムチのデパートで、広東省産のモーター動力付き戦艦“大和”と空母“赤城”のプラモを買ったことがあります。で、ロシア人の知人の家に土産に持っていった所、そこの家の小学生の兄弟は大喜びで、後々知人からも“お陰で息子の風呂嫌いが直ったよ!”と感謝されたのでした。

まあ、第二次大戦時の中国軍は国府軍にせよ八路/新四軍にせよ歩兵主体であり、メカに乏しい軍隊でした。模型として映えそうな素材が少ないわけですよ。いかに“愛国者は中国軍関係のものを買え!”と言ったところで、ネタが無いんじゃ仕方が無い。そういえば、上述の戦艦大和を買ったデパートのプラモ売り場には砲艦“中山艦”のプラモとかもありましたが、あんまり売れている気配がなかったような….。

参考:“中山艦”のプラモ
http://www.geocities.jp/adiospekin/whn/zsj.html

この辺りは、実はロシアと少し似ているかもしれません。何かですね、おもちゃ屋や模型店に並んでいるそれ関係のプラモを見ていると、ソ連軍関係のものよりもドイツ軍関係の奴の方が選択肢が豊富な気がするんですよ。

大戦時のソ連は中国とは異なり、戦車にしろ飛行機にしろ優れたものを自前で沢山作っていたのに何故?と思われるかもしれませんが、これにはソ連崩壊前後からの彼の地の模型事情も影響しているようです。ソ連時代のプラモは、今でもバザールの蚤の市とかに行けば手に入りますが、当時の一般的な消費財と同じくあんまり質が良くない。航空模型好きの知人によれば、東ドイツからの輸入品が一番の高級品だったのだとか。

で、ソ連の崩壊とその後の経済混乱でこの手の製造業が壊滅状態にあった所に、旧東ドイツ製よりも質の高い西側のプラモ、特に西ドイツ=統一ドイツ製のものがじゃんじゃん流れ込んできたというわけで….。

とはいえ、そういうのはせいぜい10年くらい前までの話で、その後の経済成長に伴ってロシアの模型業界もかなり息を吹き返し、最近ではその質もかなり向上しています。だとしたら、結局はそれがロシアの消費者のニーズを反映しているということなんでしょう。

つまり、ドイツ軍の方が格好良いと思ってる人が多いということです。まあ、確かにソ連製の兵器は確かに性能は良かったのですが、見た目も作りも“質実剛健”そのものです。世界の赤軍マニアからすれば、それこそが魅力なのでしょうが、そうでない人たちにとっては、職人的で派手な作りで、その上制服も格好良いドイツものに魅かれがちになるのは自然なことかも。何だかんだと言っても、ロシア人のドイツ好きはピョートル大帝の時代以来の年季の入ったものですからね….。

とりあえず、確実に言えそうなのは、ロシア人にせよ中国人にせよ、”良くも悪くもリアリストの多い軍ヲタに対しては、単純な民族/愛国イデオロギーは無効”だということでしょうw。

で、ドイツ軍人気は、(最近こればかりですが)ロシア版Facebook“フカンタークチェ“内の、”グルーパ“(Mixiのコミュニティのようなもの)の参加人数にも現れています。

例えば、ドイツ軍関係だと、

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「ルフトヴァッフェ(ドイツ空軍)」<4058人>
Luftwaffe
http://vkontakte.ru/club508225



「ヴァッフェンSS(武装親衛隊)」<1551人>
***Waffen SS***
http://vkontakte.ru/club2062776



 「第三帝国」<3857人>
Третий Рейх
http://vkontakte.ru/club3677345

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こんな具合なのに対し、

ソ連軍関係は、
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 「赤軍」<3124人>
Красная Армия
http://vkontakte.ru/club436037



「ブレスト要塞」<583人>
БРЕСТСКАЯ КРЕПОСТЬ
http://vkontakte.ru/club3776708



「“T-34”戦車の愛好者」<70人>
ЛЮБИТЕЛИ ТАНКА "Т-34"
http://vkontakte.ru/club7609407


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と、いまいち奮いません。

グルーパの数自体もドイツ関係の方が多いような印象を受けました。

どこかの国と違って、今のロシアでは、別にドイツ軍の兵器が好きだと公言したところで社会的な非難は受けないでしょう。もし仮に“メッサーシュミット”とか“ティーガー”のプラモばかり売っている模型店があったとしても、当局に締め上げられたり、ネット上で吊るし上げられることはなさそうですw。

でも、独ソ戦により多くの村や町が灰燼に帰し、2000万近くのソ連国民が犠牲になったのは事実なわけです。でもって、日に日に国家主義的な傾向を強める現在のプーチン(+メドヴェーヂェフ)体制が国民の“愛国(家)心”を鼓舞するために盛んに“大祖国戦争”(独ソ戦のソ連での呼称)に言及し、国営TVでもソ連時代の戦争映画が毎日流されているような現状にあっては、社会的に“よろしくない”趣味であるのは間違いなさそうw。

ところで、そのドイツの同盟国でもう一つの敵国だった日本軍ものについてはどうなのでしょうか?日本の軍ヲタには”赤軍マニア”というジャンルがあるわけですが、逆はどうなのか?

とりあえず、“フカンタークチェ”の中を見た限りでは、軍ヲタたちの関心は日本海軍に集中してますね。それもかなり高い。

例えば“戦艦”で検索すると、最も人数の多いグルーパは、第二次大戦期のドイツ海軍の戦艦“ビスマルク”のファンクラブ↓なのですが、

戦艦「ビスマルク」<225人>
Линкор "Бисмарк"
http://vkontakte.ru/club1926593



その次に多い登録者数を擁し、これに対抗しているのが、

「戦艦大和は世界最強-大日本帝国海軍」<122人>
линкор ямато самый мощный в мире---императорский флот японской империи
http://vkontakte.ru/club736158



なのです。

ここはつい何日か前に改名したばかりで、元々の名は「大和型戦艦は世界最強だったと考える者たちの集まり」(Группа людей которые считают ,что линкоры типа ,,Ямато,, были лучшими в мире.)でした。

表紙のページでは日本海軍の艦艇の映像が見れたり、軍歌“海行かば”が聴けたりw、

こういう↓アンケートが設けられていたりします。

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<アンケート>

「一番興味があるのはどの戦艦?」 (総投票数18)


大和                                           72.2%(13人)

ビスマルク/ティルピッツ/シャルンホルスト/グナイゼナウ   27.8%(5人)

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こんな↓スレッドも立っていました。

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「戦艦」
原題:линкоры
http://vkontakte.ru/topic-736158_21119237


<ナロードのコメント>

アデル
日本帝国海軍の艦船は戦間期と開戦期における、自国の工業と科学の到達点を具現化したものだった。当時の日本海軍の兵装システムには多くの要因が影響していたんだ。

第二次大戦が始まった直後、日本の情報機関は米国が太平洋において、305mm砲と30ノットの速力を備えたアラスカ型重巡洋艦を超える艦船を配備せんとしているのを察知。これへの対応策となったのが金剛型重巡洋艦なんだけど、それらの新型艦は装甲システムや船体の面で大和型戦艦と多くの共通点を持っていた。でも、計画されていた64-65計画は空母の建造が種となったため凍結せざるを得なかったということだ。

※色んな情報がごっちゃになっている。なお、この人は名前から見てタタール人らしい。


マクシム@管理人
“コンゴー(金剛)型巡洋艦”って何だ?


アレクサンドル
多分、“コンゴー(金剛)”型巡洋戦艦のことじゃないかな。第一次大戦の前か、大戦中に英国製の図面をもとに建造された奴だと思うんだけど

※ これは正しい。金剛は英国で、同型艦の“榛名”、“比叡”、“霧島”は同じ図面を基に日本で建造された。


マクシム@管理人
多分な...スレ主は何にも答えないけど。


イリヤ
戦艦コンゴー(金剛)というのは、ヤマモト(山本五十六)の古巣じゃないのか???


マクシム@管理人
どういう意味?


イリヤ
大和が建造されるまで、ヤマモト(山本五十六)とその幕僚はコンゴー(金剛)に乗艦してたんだよな?


マクシム@管理人
それは“ナガト(戦艦長門)”だろう


※これも正しい。大和の完成以前、連合艦隊の旗艦は戦艦長門だった。


イリヤ
どうもww

→(2)につづく