歐亞茶房(ユーラシアのチャイハナ) <ЕВРАЗИЙСКАЯ ЧАЙХАНА> 

「チャイハナ」=中央ユーラシアの町や村の情報交換の場でもある茶店。それらの地域を含む旧ソ連圏各地の掲示板を翻訳。

“竹のカーテン”(5)

2010-05-30 21:30:52 | 東トルキスタン関係
→(4)からの続き

それにしても、中共の“中の人”の頭の中では、東トルキスタン独立派や西側列強のスパイといったものは、ことごとく西から“陸路”でやってくるものだと相場が決まっているらしい。

どこのバックパッカー(もしくは担ぎ屋)だよw。

“背後には米国やアル・カーイダがついている”とか大袈裟なことが言われている割には、妙に貧乏くさいのですw。

思うに、彼らの地理的な認識は、恐らく20年位前の段階で止まっているのではないでしょうか?

当時は“中ソ冷戦”が終結したばかりであり、中央アジア方面と新疆の間で開いていた越境地点と言ったら、これまで何度も名前の出た“コルガス”ともう一箇所くらい。パキスタン方面だとフンジュラーブ峠一箇所くらいだったと言われます。 故に、西からの“悪しき文物”の浸透を防ぎたいのであれば、それらの越境地点を通る人間を徹底的に検査するか、それ以外の場所からの“不法入国”を警戒していればそれでよかった訳で。

↓昨年、カシュガルの“のみの市”で見つけた、武警隊員の教育用テキスト“高挙偉大旗幟 履行辺防使命”(2008年2月、中国人民武装警察辺防部隊政治部・刊。非売品?)。他にも、武警の隊員が研修中に使ったと思しき、大量に書き込みのあるノートなんかも売られていた所を見るに、店主(?)は基地のゴミ捨て場から売り物を仕入れていたと思われる。





↓内表紙にあった、“内部資料列入移行”の書き込み。“内部資料”とは、基本的に国外に持ち出してはいけない書物のこと。






その中身は、

↓“党の17大精神統一思想を用いて頭脳を武装せよ”
 


とか、

↓“東突(=東トルキスタン独立派)などのテロ・分離主義的組織が北京オリンピックに向けてテロ活動を準備しているぞ”



とか、

↓“新疆独立派やチベット独立派などの民族分裂勢力の浸透、破壊活動を断固叩け!”


といった基本的なメッセージのみならず、

↓“破除<愛情至上、失去愛情就失去一切>的観念、正確処理婚恋挫折“


 
と、

失恋した隊員へのケアも、忘れないw。

で、この本にも、

↓“既要防止敵対勢力通過陸地辺境、口岸潜入潜出進行?乱破壊活動”



とあった。

“口岸”とは越境地点のことらしく、やはり“敵対勢力”は“陸路”でやってくることになっているらしい。


しかしながら、今では中央アジア諸国(但しトルクメニスタンを除く)+パキスタンの各首都からウルムチへのフライトがあるし、アルマトゥやタシュケント(ウズベキスタンの首都)からなら、直接北京に飛ぶこともできます。中国本土と新疆間の交通事情も陸路、空路とも昔に比べればずっと進歩しており、人々の往来も密になっている。

その空港での検査が“ザル”だというのに、西側の陸路国境の審査だけを厳重にして、しかもこちらに“車掛の陣”wで挑んできたようなダメな検査官ばかり配置しておくというのは、(自分が言うべき筋合いではないかもしれないけど)はっきり言って“人件費の無駄遣い”でしょう。

もし効用があるとしたら、役得でエロ動画を入手した職員が、職務のストレスをそちらで発散できることくらいかw。

とりあえず、“不穏な文物”の流入阻止には何の役にも立っていない、と思われますw。


“竹のカーテン”(4)

2010-05-29 22:50:17 | 東トルキスタン関係
→(3)からの続き

.....おい、“角刈り”。

ホタン(漢語名は“和田”。“フーティエン”と読むらしい。)は未開放地区(中国には、法的に外国人に開放されている地域と、そうでない地域がある。)じゃないし、街中にはちゃんと渉外賓館(法的に外国人が泊まっても良い宿)だってある。もし仮に何ヶ月も居たとしても、ビザさえちゃんとしていれば、法的には何の問題も無いはずだろうが?

まあ、こういう変な国だ。お前も単に職務に忠実なだけなのかもしれない。余計なやる気を出されてこっちは大いに迷惑だけど、だからと言って、別にお前個人を恨もうとは思わない。

ただ、一つだけ言わせて欲しい。

何なんだ、その髪型は???

頭頂部から側頭部にかけて.......まるで分度器で図ったかの様に90度じゃないか!

下敷きが乗るぞ!


お前の頭本体って、そんなに角ばってないだろう?

自然の摂理に反しているとは思わないか?

そればかりか、両端の部分はそれぞれ斜め上の方向に逆立ちつつある。

断言しよう。

このまま行けば、君の将来における属性は間違いなく“エスパー魔美”もしくは“デビルマン”だ!

漢人でもウイグル人でもなく、“デビルマン”だ。

統計的にも、

<新疆における民族別人口(単位:人)>

ウイグル人:(8000000)
漢人:(7000000)
カザフ人:(1250000)
クルグズ人(150000)
デビルマン:(1)

みたいにカウントされるに違いない。

いいのか?それで?

田舎のご両親は泣いているぞ!

….まあ、それはいいとして、

“角刈り”と件の職員、それに自分の3人で再び別室に戻ることになったわけですが、職員曰く、

-“心配しないで下さい。この部屋にはカメラが付いているので。”

とのこと。

取調べの模様はカメラで記録されているので、荷物の中身が不当に押収されることは無いのだ、と言うことなのでしょう。ただ、カメラの有無はこちらでは確認できず、どこまで信用できるかは甚だ疑問なのですが。

その時、こちらが持っていた荷物は2つ。一つはPCバッグで、入っていたのは外付けのCD-ROMプレイヤーとACアダプター、それにデジカメの充電器のみ。だから特に問題は無かったのですが、もう一つの荷物、ソ連軍仕様の軍用布リュック(今でも旧ソ連圏各地で普通に使われている)の中には、ウルムチで買ったウイグル語の本が何冊か入っていました。

普通に本屋で売っているような本である以上、当然、政治的に“危険な”内容のものではない(“危険な”内容の本は全て当局によって焚書処分にされており、表社会では流通していない)訳ですが、“角刈り”も職員もどうせウイグル語なんて読めないだろうから、過剰に反応してくる心配がありました。

何よりも、それで身体検査までやるとなったら、非常にまずい。デジカメのケースはベルトにくくりつけていたので、ちょっとシャツを捲ればすぐに見つかるでしょう。USBはシャツの胸ポケットに入っており、こちらは多少見つけにくいかも。でも、それだって、少し調べれば分かることです。

さて、どうしたものか。

もしそうなったら、とりあえず適当な理由をつけて、ゴネられるだけゴネてみるか?

といったことを色々と考えていたのですが、件の職員が反応したのは、何故かまったく別のものだったのです。

-“これ、何ですか?”

-“えーと…..”

ウルムチの電気街で買った、“ミスター味っ子”のDVDでした。

↓DVDのジャケット。漢語のタイトルは“火頭智多星”らしい。何て意味?2枚組で16元。吹き替えではなく元の音声に漢語の字幕が付いたもので、普通に見ることが出来た。画質はとてつもなく悪かったけど….。

 

↓ジャケットの裏面にあった英語の説明文。“南米の人食いアリの群れは、地震の活動が活発になるまで、アラスカの地中に潜んでいたが….”って、“黒い絨毯”じゃねえか!



-“これってDVDですよね?何の?”

-“日本のアニメです。”

-“どんな?”

-“料理の上手い少年の話なんですが…。”

これだけじゃ不十分か?

しかし、

“その料理があまりに旨すぎて、食った人間はショックで体が大坂城と同じサイズに巨大化したり、海水を吐きながらフンドシ一張で海の上を走り回ったりする。”

とか、

“その少年は、悪の料理人組織<味将軍グループ>と日々戦っている”

みたいな細かな補足を加えても、話はもっとややこしくなるだろうし、下手したら単なるキチガイだと思われそうだし…..。

といった感じでそれ以上の説明は躊躇していたのですが、それ以上は突っ込まれませんでした。職員の関心は“味っ子”の内容よりも、専らこちらがDVDを持っていたという、その事実の方にあったらしい。

-“他にもCD-RとかDVDはありますか?”

普段はUSBとか携帯用HDばかり使っているのであまり意識しないのですが、考えてみれば、CD-RもDVDも一応“記憶媒体”です。彼らにとって“不都合な”文書や動画を持ち運ぶことは十分に可能な訳で。

リュックの中にCD-Rは入っていなかったのですが、DVDなら沢山ありました。というのも、ウルムチでは、日本語の映画やアニメ等の(恐らく海賊版であろう)DVDを大量にまとめ買いしていたからです。ジャケットは嵩張るので上述の“味っ子”など一部を除いては全部捨て、中身はCDホルダー2個に詰め込んでいました。

こちらが机の上に出ていた、それらのホルダーを差し出すと、

-“調べるので、暫く待っていてください”

と言いつつ、“角刈り”と2人でどこかへ行ってしまいました。

同じく机の上に出ていたウイグル語の書籍類は、完全にスルーです。

まあ、こちらとしては有難いことですが….

おい、お前ら! 何かここにウイグル語の本を持ってる怪しい外人がいるぞ?

もしかしたら、USBとか隠し持ってるかもしれないぞ?w

いいのか?

20分ほどが経ち、ホルダーを持った職員が、1人で戻ってきました。

どうやら、自分らのPCで、一通り再生してみたらしい。

-“上官によれば、問題のあるものは無かったとのことで….。”

そりゃそうだろう。映画とアニメばかりですからね。

-“これで終りです。出国ブースの方に行って下さい。”

やっと終りか。

とりあえず、身体検査が無くてよかった…。

時間は既に10時半を過ぎていました。急がないと。 並んでいる人の数はさほど多くないので、この分で行けば11時前にはカザフ側も通過できるかもしれない。

でも、あれ?

何か、また別の職員が近づいてくるぞ?

年齢は“角刈り”と同じくらいでしょうか。

でもこの男は“角刈り”とは違ってロシア語を話すらしい。非常に訛りの強い発音だけど…..。

-“このバッグはPCが入っているね?”

-“もう既に検査は受けました。こっちのリュックも検査済みです。”

-“PCは検査しないといけない”

-“はい????? もう検査したって言ったでしょう?”

-“でも、検査しないと。規則なので。”

何を言ってるんだ?この男は?

-“急いでますから。”

無視してそのままブースの前まで行きました。そうすると、中の係官までもがロシア語で、

-“検査には応じるべきだ。時間はそんなにかからないだろう?”

と、言ってくるではありませんか…。

いや…..もう1時間以上かかってるんだけどね。それも、物凄く能率が悪く、かつ効果も薄そうな方法で。

というか、こちらに休む間を与えず、入れ替わり立ち代り新手の職員が検査を挑んでくるって何なんだよ。

“車掛の陣”か?

いい加減にしろよ。

こちらの忍耐力もほとんど限界です。

とはいえ、無駄に連中を刺激して“身体検査だ!”となる事態もまた、避けねばならないわけで。

こちらは既にブースの真ん前まで到達しています。まさか、ここまで来て新手の職員が現れることなんてないでしょう。それを思えば、おとなしくPCを渡した方がいいかもしれない。どうせヤバいものは入って無いんだし。

そこから先は、前回とまったく同じパターンです。

事情を説明して一緒に別室に行き、電源を入れる。
     ↓↓↓
“終わるまで外にいろ”と言われて追い出される。
     ↓↓↓ 
20分くらい経ってから、部屋の中に招き入れられる。

また、“解体”とか“独立”みたいな漢字にいちいち反応しては、くだらない尋問でもしてくるのかね?ああ、面倒くさい。 と思っていたのですが、今度は少し勝手が違いました。

PCの画面上には見知らぬフォルダが開いてあります。

そして、そこには何と、こちらのPC内の“秘蔵エロ動画フォルダ”から抽出されたと思われるファイルがずらずらと並んでいるではありませんか。

そして、PCの側面には見知らぬUSBが挿さっています。

彼がそのUSBを指差して言うには、

-“これを、ここへ!”

-“はあ??? あの、どういう意味ですか?”

-“ここへ!”

-“コピーしろってことでしょうか?”

-“ここへ!”

なるほど。

つまりこの男は、職権を濫用して “今晩のオカズの提供を要求”しているという訳ですよ。w

必要最小限の言葉しか発しない所を見ると、部屋にカメラがあるのは案外本当なのかもしれない。

しかし、なんて奴だ!

もしこれがロシアとか中央アジアの国々であれば、こうしたことは日常茶飯事ですから、大して驚きもしないんですけどね。

自分の中では、中国の官僚機構(特に末端)はその手の国々に比べると“まだ”というか“大分”まともに機能しているというイメージが強かっただけに、ちょっと意外でした。

まあ、確かに彼のやっていることは良くないです。でも、普通にネットにアクセスできていれば、ここまでエロには飢えていなかったかもしれない。その点においては、ある意味、彼も今回の情報封鎖による犠牲者の一人だと言え…… る訳が無いだろうが、このラーメンマン!!!

こいつはいかに末端とはいえ、完全に“情報を封鎖する側”の人間です。その同じ権力を使って、自分だけ“役得”にありつこうとは言語道断

お前らの偉大的領袖↓も、


文革の波に消えていった革命的先達たち↓も、


草葉の陰で嘆いておられるぞ!

貴様に渡す動画など1バイトも無いわ!林彪の顔でも見て抜いてろよ、この人民の敵め!

フハハハハハ…..。

…はぁ。

そう啖呵を切りたい気持ちは山々でしたが、こちらも多少は脛に傷持つ身です。逆上されて身体検査なんてされると非常に困ったことになる。

動画をやるだけでこの場が切り抜けられるなら、安いものです。

というわけで、ファイルをコピーすることにしたのですが、どうもうまくいかない。何度やっても、エラーが出るのです。考えれみれば、普通にデータが移せるのであれば、わざわざこちらに頼まずとも、自分でやっていたはずで。

恐らくUSBの方に何か問題があったのでしょう。色々試してみたのですが、結局、原因は分からず。

-“出来ないみたいです”

-“そうか…….じゃあ、行っていいぞ。”

…..て、こいつは本当に“それ”だけが目的だったのか?

しかも何か偉そうですね。ついさっきまで職権を濫用してエロ動画を揺すり取ろうとしていた人間の言い草とは、とても思えない。

ともかくも、どうにか“昼休み”前に中国を脱出することができました。

カザフ側は入管・税関合わせてもチェックは十分程度。ミニバスやらバスやら乗り継いで、夕方5時半くらいまでにはアルマトゥに着くことができたのでした。でも、革命によってクルグズスタンとの国境はかなり混乱した状態にあり、その後ビシュケクに帰り着くまでに色々と苦労することになるのですが、それについてはまた項を改めましょう。

ところで、ビシュケクに戻った後、新疆方面から空路や陸路でやってきた外国人旅行者(日本、オーストラリア、フランス、韓国etc.)と何度か顔を合わせる機会があったのですが、彼らによれば、新疆の東隣、甘粛省方面との境界付近では荷物のチェックなど一切無かったとのこと。

また、ウルムチの空港でも国際線・国内線とも荷物をX線に通すくらいはやるものの、その中身を詳しく調べたり、PCやらUSBの中身を見せろ、なんてことは無いらしい。

つまり、新疆に出入りする際は空路か、もしくは第三国→中国の他の地域を経由して東側から入れば、PCやUSBのチェックなどいくらでも回避できるということです。“不穏な”w文書やデータなんて持ち込み放題でしょう。

だとしたら、こちらがコルガスで経験した2時間にわたる“スパイ大作戦”は壮絶に無意味だったと言うことになりますね。そもそも、USBに入れて持ち出した写真にしても、客観的に見ればそう大した内容でもないのですから。

→(5)に続く

“竹のカーテン”(3)

2010-05-20 22:02:45 | 東トルキスタン関係

→(2)からの続き

PCを起動させると、

-「チェックするので、終わるまで外で待っててください。」

と部屋から追い出されてしまいました。

ヤバそうなものは消しているとはいっても、新疆に関係ないものも含めれば、写真は結構な枚数です。あれ全部調べる気か?おい?

それを考えると、USBの件のみならず、何だか時間の方も心配になってきました。

国境からカザフスタンの旧首都、アルマトゥまではバスやら何やら色々乗り継いで約6時間。アルマトゥからクルグズスタンの首都ビシュケクまでミニバスみたいなので3時間ほど。そして、ビシュケクでの住処はバスターミナルから大分離れた場所にあり、最終の乗り合いタクシーが大体夜の8時とか8時半くらい。

つまり、その日の内にビシュケクの住処に辿りつくには、少なくとも午前11時(クルグズスタン標準時=カザフスタン標準時=新疆時間。北京時間はそれに+2時間。)くらいまでには国境を通過しておく必要がありました。

その時点で、時間は大体9時くらい。11時にはまだ2時間ほどありましたが、緩衝地帯を走るミニバスは積荷と人が一杯にならないと出ないため、それなりに待ち時間が必要であったり、また、カザフスタン側もたまに通過に時間がかかることを思えば、時間はありそうで、実はそんなに無い。

というか、自分としてはなるだけ早く着きたかったのです。何せ革命の直後であり、ビシュケクの治安は相当に悪くなっているというのが専らの噂でしたから。特に深夜は、あちこちで銃声がするとか、手榴弾の炸裂音が聞こえるとか…….。(実際にはそこまでカオスな状況ではありませんでした。でも、それも戻ってみて初めて分かったことで….。

最悪のケースは、そのままずるずると11時~午後2時の長い昼休みに引っかかってしまうことでした。この間は国境の両側とも業務を停止するので、通れなくなります。そうなったら、完全にアウトですよ。

2時なんて、アルマトゥにすら今日中には着けないんじゃないか?

.....みたいなことを考えていると、

件の職員が、予想していたよりも早く出てきました。まだ15分くらいしか経っていなかったと思います。

-“終り?”

-“いや。ちょっとお聞きしたいことがあります。こちらへ”

部屋の中に入ると、机の上にあったPCの画面には“マイ・ドキュメント”が開いてありました。その中にあったワードのファイルを指差して、こう尋ねてきます。

-“これは、どういう意味ですか?”

ファイル名は“サブカルチャー神話解体”でした。

社会学者の宮台真司氏のブログで、自身の著書“サブカルチャー神話解体”について言及した面白そうな文章があったのでワードに貼り付け(宮台ブログの記事はそのままでは落とせない)、保存しておいたのです。

指はその“サブカルチャー”の部分を指していました。“神話解体”は漢字だから読めるけど、こちらはカタカナだから分からないらしい。

-“スブクリトゥーラ”(“サブカルチャー”のロシア語での直訳)です。

-“スブクリトゥーラ”??

-“えーと....その、何と言うか、社会の中で主流じゃない文化のことです。例えば漫画とかアニメとか、ポップ音楽とか...。”

たまたま知っていたロシア語での訳語を出したものの、確かに、こんな言葉が何の脈絡もなく出てきたら、こちらも何が何だか分からないかもしれない。

あと、どうもうまく説明できません。彼からしてみれば、“漫画とかポップ音楽を解体するってどういうこと?”って感じだろうし。

-“......つまり、何が書いてあるの?”

-“だから、その日本の“スブクリトゥーラ”の歴史と、その背景を説明している本の話なんですが.....。”

だんだん面倒くさそうな表情になってきました。

事実、面倒くさいと思ったのでしょう。

その話題を打ち切るかのように、別のファイルを指差して、言いました。

-“じゃあ、これは?”

ファイル名は、“ロシアの右翼”でした。

ネットから落とした、ネオナチ関係の情報を集めたものです。

こちらも、“右翼”は分かるけど、“ロシアの”は分からないようで、指はその“ロシアの”の部分を指していました。

-“そこは<ロシアの>という意味です。”

-“どんな内容?”

-“ロシアの<ウルトラ・ナショナリスト>についての話です。スキンヘッドとか。”

-“貴方はその<スキンヘッド>が好きなのか?”

-“いや、別に好きじゃないんだけど......”

この後、別のファイルを巡って同じようなやり取りが何度か続くのですが、その辺りは省略。

とりあえず、彼は写真にはあまり興味を示さず、専ら文書の方に注意を注いでいたわけです。それも、文書のタイトルを見て、(体制にとって)危なそうな内容の“漢字”があったら、食いついてくるという感じですね。

前述の“サブカルチャー神話解体”も、“解体”の字面を見た瞬間に、

“これは我が中国を解体するための秘密計画に違いないッ!”

とでも考えたのではないでしょうか?w

想像力が逞しすぎるよ。何か、木魚の割れ目とかイルカの頭を見て興奮する人みたいだw。

そういう感性の豊か過ぎるw人たちを刺激しないためにも、ファイル名は全部平仮名で書いておくべきなのでしょう。

そうすれば、

例えば、

“ひがしとるきすたんにおけるじんけんよくあつ”

とか、

“ろぷのーるちくでのかくじっけんによるほうしゃのうおせんについて”

みたいなものでも、スルーなんじゃないですかね。

いや、職員の中には1人くらい日本語が読める人間がいてもおかしくはないので、より万全を期すために、グルジア文字なんかの方がいいかも

 間違ってもアラビア文字はダメでしょう。w彼らには、多分、ウイグル語とアラビア語やペルシア語やウルドゥー語、はたまた単にアラビア文字で書いた日本語の区別なんてつかないだろうから、逆にものすごい勢いで食らいついてくるに違いない。

素朴な疑問なのですが.....こんな不毛な検査に一体何の意味があるのか?

ともかくも、特に“怪しい文書”は見つからなかったので、“出国してよし”ということになりました。

USBとかメモリのことは忘れてくれたらしい。良かった良かった。

と安心しつつ、パスポート検査のブースに並んでいたら......

件の職員が30過ぎと思しき、別の職員を伴って近づいてきました。

そして曰く、

-“...上の人間がパスポートを見たいと言ってるんですが。”

まだ何かあるのか?

何て面倒くさい奴らなんだ。

その上官とやらは、小太りで眼鏡をかけ、髪形は中国の田舎の方でよく見る、あの下敷きがそのまま上に乗りそうな物凄い角刈り頭でした。全体的に田舎っぽい外貌(まあ、田舎なんだけど)で、あの微妙な緑色の制服が実によく似合っている。

こちらからパスポートを受け取ると、しばらく各ページを眺めていたのですが.........

いきなり険しい表情になり、喚き始めました。

-“フーティエン!”、“フーティエン!”

件の職員にも漢語で何か言っています。こちらはまるで分からない。

職員が、ロシア語で尋ねてきました。

-“貴方は<フーティエン>に長く居たのですか?”

-“<フーティエン>って何?”

こちらから逆に聞き返すと、彼はパスポートにあった中国のビザを指差しました。そのビザの発行地には“和田”とあります

そうでした。昨年の秋にこちらにいた時に、南部のホタン(和田)でビザを延長したのです。手続きにかかった時間は2時間程度でしたね。中国では、ビザを延長する場合は形式上新たにビザ(0次ビザ)を取り直すという形になり、パスポートにはその分のシールが残るわけです。

ホタンの漢語名は“フーティエン”と言うのか....全然知らなかった。

で、何でこの角刈りが騒いでいるのかと言うと、ホタンからその西のカシュガルにかけての地域は、はっきり言って漢語を全く知らなくても普通に日常生活が送れるくらい、ウイグル濃度の高い土地です。

お上からしてみれば、謀反人の巣窟みたいに見えるのでしょう。そんな怪しいところに何ヶ月も居た外国人も、怪しい奴に違いないというわけで。

↓ホタン(和田)新市街の団結広場(イッティパク・メイダヌ)そばにあった横断幕。

“武警諸部隊の将兵は、新疆各民族の人民と生命や運命、それに呼吸を共にする者たちである。”


↓そのすぐ横の団結広場では、上記のスローガンとまったく相反するかのように、多数の武警部隊による明らかに広場での集会鎮圧を目的とした軍事訓練が、ほぼ毎日のように行われていた






↓奥の方に見える銅像は、1958年に北京での人民代表大会に招かれたこの地域の貧農クルバン=トゥルムが、それを接見する毛沢東と握手する写真を、銅像化したもの。写真は、党と新疆の結びつきや民族平等の実現を内外に示すためのプロパガンダのネタとして、50年以上に渡って使われ続けている。


いずれも2009年の秋ごろ、管理人撮影。

というか、何ヶ月も居なかったんだけどね。

-“何いってんですか?よく見てください!そのビザは去年のものでしょう?今回の滞在は2週間くらいでしたけど、ずっとウルムチに居ましたよ。ホタンなんて行ってない。”

-“ああ、確かにそうですね。”

彼は角刈りに漢語で何か言い、暫く話しあっていました。

そして.......角刈りが首を横に振り.....職員がこちらを向いて言うには、

-“貴方の荷物の検査しなければならなくなりました。また別室まで来てください。”

-“はあ????さっき調べたじゃないですか?”

-“PC以外の荷物です。”

-“..............”

→(4)に続く


“竹のカーテン”(2)

2010-05-19 00:27:11 | 東トルキスタン関係
→(1)からの続き

前回書いたように、怪しそうな写真はウルムチに着いた後で即座に消去したわけですが、念には念を入れて、ネットで落としたウイグル関係の資料なども全て消しておきました。

いずれにしても、ビシュケクの住処に置いてきた携帯用HDにコピーが入っているので、帰ったらまた入れればよいだけの話で。

とはいえ、ウルムチでの滞在中には、公安とは何のトラブルもありませんでした。彼らはロシアや中央アジア諸国の警察とは違って、怪しそうな外国人は“とりあえず”しょっ引いて締め上げてみるとか、懐が寂しいからついでにカツ上げもしてみる、なんてことは(少なくとも外国人には)やらないですね。

その辺りは、いかに同じ“旧東側”に属するとは言え、自分には中国の方が“まだ”法治国家っぽく感じられる所以だったりします。

入国した際の税関での騒動も、最近“変な条例”ができたから職員らは単にそれに従っていただけだろう。

その“変な条例”はあくまで“変な情報”の持ち込みやら流布についてとやかく言っているだけだから、入国する分にはともかく、出国するのにまたチェックなんて無いだろう。

昨年、カシュガル方面からクルグズスタンに出国した際にも、そういうものは一切無かったし。

いや、もしあったとしても、ヤバそうなものは全部消してあるから問題なし

と、タカをくくっていたのですが……。

…..みたいな書き方で、その後の展開は何となく見当がつくかと思います。

そうです。

甘かったのです。

出国時にこちらに声をかけてきた税関職員は、入国時とはまた別の20台半ばくらいの兄ちゃんで、同じくロシア語を話しました。

-“カザフ人?”

-“いや、日本人。”

-“日本人?ロシア語分かるんだ….。パスポート見せてください”

-“どうぞ。”

彼は暫くパスポートのあちこちの頁を見ていたかと思うと、こう言いました。

-“USBとかメモリがあったら、出してください。”

-“はあ????”

-“調べないといけないので。”

-“何を?”

-“規則ですから。”


いやはや…….PCではなく、今度は記憶媒体ときたか….。

条例云々は関係なく、自分らに都合の悪い情報を国外に持ち出されるのは阻止しようというわけです。

狙いは多分、写真とか動画なのでしょう。

となると、再びまずいことになりました。 USBやデジカメのメモリには、ウルムチ滞在中に撮った写真が入っていたのですが、その中には例のごとく武警絡みのものや、もうすぐ取り壊されるであろう“ラビヤ・ビル”の写真などが何枚も入っていたのです。

まあ、今度は見つかっても“入国拒否”を心配することなどないし、こちらは中国国民ではないので、普通に出国はできるでしょう。

↓ウルムチのウイグル人地区“ドン・キョウリュック(二道橋)”にある“ラビヤ=カーディル商業ビル(通称“ラビヤ・ビル”)。近々、当局により取り壊されることになっているそうで、内部は廃屋のような状態。この写真は昨年の10月に撮ったもの。



↓とりあえず、2010年4月初旬の段階では未だ健在だった。

 撮影:いずれも管理人

ただし、写真の幾枚かは消されるかもしれないし、連中に目をつけられたら、次回からの入国に差支えがあるかもしれない

それはそれで、困るわけです。

さてどうしたものか?

無いと答えても、もし身体検査をされればカメラもUSBも出てきてしまうわけで。

ともかくも、あれこれ考えている時間は無し。気づいたら、咄嗟にPCバッグを差し出していました。

-“USBは無いです。PCは持ってますけど。”

もし、言われた通りにUSBやらメモリやらを出したとしても、彼らはどうせPCも調べるでしょう。

だったら、PCの方に注意を集中してもらった方が良い。

そのドサクサで、USBとかメモリのことを忘れてもらえば、めっけもの
です。

もちろん、PCを調べた後、しつこく“本当に他の媒体はもって無いんだろうな?”と迫ってくる可能性も有るのですが、その時はその時ということで……。

そういう訳で、今度はちゃんとPCに起動してもらわないと困ります。正直に、電源部分の接触が悪いことを告げ、一緒に別室に向かったのでした。

→(3)に続く

“竹のカーテン”(1)

2010-05-17 00:57:55 | 東トルキスタン関係
中国(新疆)とその隣国カザフスタンの間の越境地点は、鉄道まで含めると全部で十ヵ所くらいあるのですが、その中でも、アルマトゥ(カザフスタンの旧首都)とウルムチを結ぶ幹線上にあり、最も人と物資の往来が盛んなのが“コルガス(ロシア語名:ホルゴス)”の越境地点です。

こちらも、カザフスタンから新疆に出入りする場合は、大体ここを使ってますね。今回のウルムチ行きもそうでした。

↓中国-カザフスタン間の主要な越境地点“コルガス”の位置



↓ コルガスの中国側税関。こことカザフスタン側入管の間には数kmの緩衝地帯があって、徒歩での横断は禁止。必ずミニバスみたいな奴を使う決まりになっているのだが、わずか数分の乗車で1人40元(570円くらい)+荷物代と、現地の物価からすると異様に高い(40元あれば、普通の飯屋でラグマンが最低でも5杯は食える)。昨年までは中国人も外国人も一律20元で、それでも高いと思っていたほどなのに.....。何でも最近になって、中国側が外国人は1人につき “+20元の通行税”を課すと言う新ルールを導入したらしい。

ともかくも、“これは運転手がウソツキで、単にボラれてるだけなんじゃないか?”という疑念を抱いていたのは自分だけではなかったようでw、こちらが乗った車の中でも、運転手とカザフスタン人(=カザフ人やカザフ国籍のロシア人)乗客との間で、

-“40元?何それ?高すぎる!”

-“俺が信じられないのか?じゃあ、乗るな!”

と、しばしば激しい口論が起こっていた。(後で他の越境地点を通ってきたという旅行者の話によれば、そちらでも事情は同じだったらしい。つまり、値上げは公的なものだということ。)


↓その税関の周囲にいくつかある、中央アジア人向け卸売市場の一つ。カザフスタンの旅行会社なんかは、“中国買い物ツアー、~日間の旅”みたいなパック旅行をよく企画している。



前回のエントリーでも書いた通り、あまり長居する予定では無かったので、小さめのリュック+PCバッグのみという軽装でした。いつもであれば、こういう格好であれば中国側の税関で止められることなんて全然無いわけです。

それが、今回は少し勝手が違いました。 職員がロシア語で(場所柄、ここにはロシア語が話せる職員が配置されている)、

-“これに入ってるのはPCでしょう?”

と尋ねてくるではありませんか。

そうだと答えると、

- “では、貸してください。調べなければなりません。”

何のために?

-“そういう決まりですから。終わるまで、そこで待っていてください。”

PCをバッグから出すと、有無を言わさず別室に持っていってしまいました。

??????

これまで色んな国に行きましたが、税関でPCの中身を調べられるなんて、初めての経験ですよ。あのロシアですら、そこまではやらない。

というか、つい5ヶ月くらい前、新疆とクルグズスタンの国境を越えた際も、PCのチェックなんてなかったんですけどね。

それが、何故?

一つ思い当たったのは、何ヶ月か前にネットで読んだ新聞記事でした。

これ↓です。
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『「反民族団結」の言論や情報収集を処罰 中国がウイグル自治区で』
引用記事/MSN産経ニュース(2010.1.4 20:05)
http://sankei.jp.msn.com/world/china/100104/chn1001042005009-n1.htm

【北京=野口東秀】中国新疆ウイグル自治区で昨年7月に起きた民族暴動から5日で半年を迎える。当局はこれを前に同自治区で、民族団結を妨げると判断した「言論」などを禁じ、違反すれば刑事処罰する条例を制定した。愛国教育にも力を注ぐことを決め、独立運動がくすぶる同自治区で暴動につながる芽の摘み取りを狙う。

「民族団結教育条例」と呼ばれる条例は、同自治区の人民代表大会で可決され、2月1日から実施される。条例は「いかなる個人、組織も民族団結に不利となる言論、情報収集、情報提供、(CDや文書などの)制作、発表、流布ができない」などとされ、民族分裂扇動の行為と見なされた場合、処罰は「相当厳しい内容」(国営メディア記者)となる。

条例制定の背景には、当局の発表で197人の死者を出した暴動の波紋が続き、民族間の対立感情は消えていないことがある。

自治区内では、すべての小中学校で毎日、国旗を掲揚し、国歌を斉唱するよう指示が出ている。当局はまた50曲の愛国歌を選定、児童・生徒に歌わせるよう指導するなど、同自治区で愛国教育を徹底させる方針だ。

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なるほど。

国外から“悪しき”w文書なり動画なりがPCに入れて持ち込まれ、それがばら撒かれるのを警戒していると言うことか?

だとしたら、ちょっとまずいことになったな、と思いました。

いや、別に、例の“新疆に核実験がもたらした悪影響について書かれた本のウイグル語版”がpdfファイルで入っていたとか、そう言うわけではありませんw。

問題は、前回(昨年の秋)に新疆で撮った写真のデータをカメラのメモリから携帯用HDに移す過程で、その画像データがPCにそっくり残っていたことです。

それほどヤバ目のものは入ってない、と自分では思うのですが、それを決めるのは彼らです。沢山撮っていた武警の兵士や車輌、それに街頭スローガンの写真が過剰に怪しまれ(まあ、怪しいけど)、下手したら入国を拒否される可能性も十分にありうる。

実に迂闊でした。こんなことになるなら(というか、普通の国では有り得ない事ですが)、消しておけばよかった。

- “どうして名所旧跡じゃなく、こんな写真ばかりなんだ?”

とか突っ込まれたら、どうしよう?

- “僕はとにかくポリスが大好きなんです!特に制服が!!ライフワークとして、世界中の警察の制服写真を集めています。”


みたいな、“マイク水野”な言い訳で乗り切れるだろうか?

などと、思案をめぐらせていると、 別の職員がPCを持ってやってきました。何かブツブツ言っているんだけど、漢語なので分からない。

件の職員が訳して言うには、

- “バッテリーが切れたみたいなんだけど?コードは?”

あまり充電していなかったのが幸いしたようです。

ACアダプターはもちろん持っていたのですが、実は以前からPCの差込口が破損していて、接触が非常に悪くなっていました。ちょっと振動が加わると、すぐに切れてしまう。途切れないように繋いでおくには、相当のコツが要ります。

だから、彼には多分無理だろうと思いつつもACアダプターを手渡した所、案の定、10分後くらいには別室から出てきました。

再び件の職員を介して曰く、

- “繋がらないんだけど?”

やっぱり無理だったかw。

すかさず、こちらも件の職員を介して,

- “それ、コードに問題があるみたいなんですよ。ウルムチで新しいのに買い換えようと思っています(事実、ウルムチには大きな電気街があって、その手のものは中央アジア諸国よりも安くで買える。)。”

と適当なことを言うと、怪訝な顔をしながらも、一応は信じてくれたらしく....w。

PCはこちらに返され、そのまま放免と相成ったのでした。

翌日、ウルムチの宿に着いた後、写真を即効で消去したのは言うまでもありません。

↓コルガスの税関内で無料で配布されていたロシア語の月刊誌“キターイ(中国)”、2009年8月号。“キターイ(中国)”は“人民画報社”が出版している、お上の息がかかった旧ソ連圏向けプロパガンダ雑誌。定価は10元らしい。



↓中共言うところの“7.5事件”直後に出た号ということで、事件の特集記事が組まれていた。題して“ウルムチの騒乱”。雑誌の性格上、当然ながら“ラビヤ女史率いる独立派に唆されたウイグル人が暴れて大変でしたよ、まったく。うちらは何も悪くないんだけどね”みたいな、中国当局の公式発表そのままの内容。



↓記事内の小見出しは、以下の通り。

“ウルムチでの騒乱の背後にあるのは誰か?-ラビヤだ!”


“ラビヤとは何者か?”


 “<東トルキスタン・イスラーム運動>によるテロ行為の数々”


↓ちなみに、管理人がこの雑誌で唯一ためになりそうだと思った記事は、北京料理“Цзинцзян жоусыツィンツャン・ジョウスィー”(読み方は自信無し。漢字でどう書くんだろう?)のレシピだった。

ただこれも、主要な調味料については“調味料<ヴェイツィン>”(味の素か?“シャオスィンの米酒”など、キリル文字表記の漢語がそのまま使われていたりして、普通の旧ソ連圏人にはハードルが高いかもしれない。

もちろん、こちらにも....。

→(2)に続く