歐亞茶房(ユーラシアのチャイハナ) <ЕВРАЗИЙСКАЯ ЧАЙХАНА> 

「チャイハナ」=中央ユーラシアの町や村の情報交換の場でもある茶店。それらの地域を含む旧ソ連圏各地の掲示板を翻訳。

“3.1”サイバーテロ事件と、バルナウール韓国人留学生殺人事件に対するロシア人の反応(4)

2010-03-29 00:34:51 | ロシア関係

→(3)からの続き

“ロシア連邦人権オンブズマン”
のサイトには、

2007年9月付けで、こんな↓記事が載っていました。

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「バルナウールでスキンヘッド組織の存在が明らかに」
原文:В Барнауле раскрыта банда скинхедов
http://www.ombudsman.gov.ru/dad_2007/dad09/dad655/14.doc

2007年9月21日 

情報・分析センター“СОВА”( ロシアのヘイト・クライムについて調査している人権団体)の伝える所によれば、2007年の9月半ばごろ、バルナウールにおいて複数のカフカス出身者を殺害したという、未成年者のスキンヘッド組織の存在が明らかになった。

治安機関により5人の若者が逮捕され、第5監獄に移送されたが、その内2人は後に釈放。3人は拘禁されたままである。

警察は、この民族主義的な犯罪に関わるネットワークは極めて広範なものだと確信しているという。

拘禁されている容疑者は全てアルタイ地方の住民にして、大学生。そして、十分に裕福な家庭の出身でもある。

殺人は、2007年の夏に始まった。現時点で、彼らネオナチが関わったとされるのは2件の殺人事件であり、いずれも犠牲者はアゼルバイジャンの出身だ。1人は8月の5日に殺害された。その時に5人の容疑者の内2人の拘禁が発表されているので、他の3人は、恐らくその後に捕まったのだろう。残念ながら、2件目の殺人の日時や詳細は発表されていない。

また、同じような襲撃の犠牲者がもう1人いたことが知られているが、その人物はアルタイ地方の地元民であり、モンゴロイド風の外貌の持ち主(アルタイ人)だった。彼は辛うじて襲撃者から逃れることができたのだ。

捜査官らは、一味による犯罪がいずれも思想的(人種主義的)な動機に基づくものであることを疑っていない。拘禁者たちの家宅捜索を行た際、大量のネオナチ文献が押収されているのだ。ネット上にある、バルナウールの急進右派のブログなどを調べてみても、事件の容疑者らは自ら極右をもって任じているのが分かる。

3人の容疑者が逮捕された後、ネット上では拘禁されたネオナチたちに弁護士を雇うためのカンパが行われた。カンパを組織しているのは、5月9日(←第二次大戦でドイツが降伏した日で、ロシアでは戦勝記念日とされている)にナチズム的な内容のビラをばら撒いた人物だと考えられている。

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何と、バルナウールには広範なスキンヘッド組織が存在していたというのです。

“外国人”であるアゼルバイジャン人のみならず、ロシア国民のアルタイ人まで襲っている所から見ても、彼らが肌の色だけを基準に簡単に人を殺してしまうようなキチガイであることが分かります。

そして、人権団体“ロシアにおける人権”によれば、 韓国人留学生が殺される約4ヶ月前、2009年の10月には少人数ながらも、連中は市内の中心部でデモを決行したらしい。

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「バルナウールでネオナチの行進」  2009年10月12日
原文:Неонацистское шествие в Барнауле
http://www.hro.org/node/6529

2009年10月9日、バルナウール(アルタイ地方)の街中で、ネオナチの一団が民族主義的なスローガンを連呼しつつ、行進を行った。情報・分析センター“СОВА”( ロシアのヘイト・クライムについて調査している人権団体) によると、7人の集団が腕を振り上げてナチ式敬礼をしながら、

“ロシア万歳!”

ハーイリ・ギートレル!

“白人のロシア!”

“ロシア人のためのロシアを!”

と叫びつつ、ユーリン通りを歩いていたという。

彼らスキンヘッドたちは、シュクシーン通りとの交差点まで来るとそこを曲がり、さらに行進を続けていたとのこと。

※“ハイル・ヒトラー”がロシア語風に訛ったもの。
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ハーイリ・ギートレル!”って何だよw

色んな意味で恥かしい奴らですね。

独ソ戦で命を落とした何千何百万もの赤軍将兵の霊は、草葉の陰でさぞ悲しんでいるに違いない。

さらに、前に引用した記事でも名前の挙がっていた、ロシアのヘイト・クライムについて調査している人権団体“СОВА”によれば、例の事件の僅か1ヶ月くらい前にも、バルナウールでは中国人とトゥバ人への襲撃事件が起こっていたとか。

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「バルナウールにおいてトゥバ共和国と中国の出身者、襲撃される」
原文:Нападения на уроженцев Тувы и Китая в Барнауле
http://xeno.sova-center.ru/45A29F2/E6CBC00

2010年3月2日

2010年の2月初旬、バルナウールにおいてトゥバ共和国と中国出身者への襲撃事件が発生していた。2010年の2月17と18日に韓国人留学生襲撃の容疑で逮捕された3人の若きバルナウール住民が、これらの犯罪行為にも関わったのではないかとして、調査が進められている。

2010年3月1日、各メディアはバルナウール市において、2010年1月の後半にも中国人留学生への襲撃が発生していた、との情報を報じた。

この若者への襲撃は、市の中心部、コムソモール大通りで発生したのだが、強盗を伴うものではなかった。被害者は病院の神経外科に収容され、医師の通報でやってきた警察官が、調書を作成。

これらの襲撃事件が一つのものとして扱われているのか、それぞれ別の事件とされているかは明らかではない。

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トゥバ共和国というのは、モンゴル北西部と国境を接するロシア連邦の構成主体の一つ。そこに住むトゥバ人はアルタイ人に近い民族です。見てくれはモンゴロイド風で、日本人みたいな感じの人が多い。

彼らもロシア国民なんですけどね。そんなの関係ないんでしょう。

加害者は韓国人を殺した3人組かもしれないし、“組織”の他の構成員かもしれないという...。

韓国との間の、記念すべき第一回目の交換留学生を預かる大学側が、単なる強盗や酔っ払いだけでなく、そうしたキチガイによる襲撃の危険も危惧したことは、想像に難くありません。

殺された韓国人留学生も、大学側の指示通りに大勢で行動するかロシア人の付き添いと一緒であれば、少なくとも死なずには済んだかもしれない....。

まあ、普通の国で生まれ育った人間にとっては、道を歩いているだけで刺されるなんて想像もつかないでしょう。こちらも、あのバルナウールでそういうことがあるなんて信じられません。だから仕方がないのかもしれませんが、何せ相手はキチガイですからね。

ところで、事件の下手人と目される3人の地元の大学生ですが、別に地元のネオナチ組織との関係が証明されているわけでもないし、殺人の動機は人種主義的なものではなく、

“単にむしゃくしゃしたから刺したんだ!その相手がたまたま韓国人だった!”


と言い切ることも可能なのかもしれません。

でも、

状況的には“真っ黒”ですよ。

複数の人間で、相手が男だろうが女だろうが、老人だろうが幼児だろうが、いきなり刺すという殺し方はロシア国内の他のネオナチ組織の手口とまったく同じです。

例えば、これ↓とか、

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「多発する中国人留学生襲撃事件、外国人排斥狙う極右民族主義者の犯行か―ロシア」   2009年1月22日
http://rchina.jp/article/27856.html

2009年1月20日、中国の「環球時報」は最近ロシア国内で頻発する中国人留学生を含む外国人を標的にした一連の襲撃事件について報道した。

1月8日午後8時頃、モスクワのプーシキン記念ロシア語大学で学ぶ黒竜江大学からの中国人留学生3人が、校門から出て200mあまりの場所で突然ナイフを持ったロシア人の若者数人に襲われ、3人のうち2人が全治3か月の重傷を負った。

同じくモスクワにあるロシア人民友好大学の中国人留学生2人は、昨年12月26日の夕方、買い物からの帰り道に突然顔面にスプレーを吹き付けられ、目が見えなくなった隙に数人の男に刃物で全身を刺される被害にあった。うち1人は16か所を刺されて重傷。1人は4か所を刺されたが厚着していたことが幸いして軽傷ですんだという。

また、1月10日午後4時頃、モスクワ大学で学ぶ中国人留学生は大学付近の路上で3人の若者にタバコをねだられ、これに応じている最中に全身18か所をメッタ刺しにされる被害に。刺し傷は脾臓にまで達し、摘出手術を受けた。

こうした襲撃事件は中国人にとどまらず、日本人や韓国人、マレーシア人、アフリカ人留学生なども被害に遭っており、犯人については外国人排斥を主張する極右的民族主義者の若者との見方が有力だという。

(翻訳・編集/本郷)

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あと、これ↓とか。

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「モスクワのカルムイク人女性、スキンヘッドにより殺害」
原文:В Москве скинхедами убита калмычка
http://www.bumbinorn.ru/2008/03/23/v_moskve_skinkhedami_ubita_kalmychka_48654.html
2008年3月23日

金曜日の夜、モスクワの北部でカルムイキヤ出身の女性、1981年生まれのエッラ=ゲデーイェヴァ氏が惨殺された。

事件が起こったのは、地下鉄の“レチノーイ・ヴァグザール(河港ターミナル)”駅のある地区で、フェスチヴァーリナヤ通りの第5団地、53号棟の入口付近。

二人の若者が彼女を襲撃したのは、夜の10時ごろだった。目撃者の証言によれば、彼女は商店から出てきた所を殴打され、5回に渡って胸を刺され、喉を切り裂かれた。それらの外傷が原因となり、救急車が到着する前に絶命したのだった。

検死を担当した法医務官は、死因は無数の刺し傷によるものだと主張している。

警察の捜査班が明らかにした所によると、その殺された27歳の女性は、モスクワのバザールの一つで働いていた。首都の警察は、殺人の動機の一つとして、人種あるいは民族的な憎悪があったと見ている。

本件は、ロシア連邦刑法第105条第2項“ж”号(集団の個人による共同謀議に基づく殺人)に該当する刑事事件として立件されることになる。その場合、犯人には20年以下の自由剥奪(日本での“懲役”に近いが、労働の義務は無し)もしくは終身刑が適用される可能性あり。

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カルムイク人というのは、何百年か前に今の新疆北部からヴォルガ河畔に移住したオイラト・モンゴル(後に清朝に滅ぼされた。今のモンゴル国の西部に住むモンゴル系諸部族と近い関係にあり)の子孫たちです。カルムイク人は、歴史的には概ね親露的であり、その騎兵部隊はドン・コサックとともにナポレオン戦争にも参加。パリまで進軍したりしています。

近年ではロシア化が進み、都市部ではロシア語しか話せない人が結構多いのですが....。

連中は恐らく肌の色にしか関心がないのでしょうね。

で、極めつけは地元、アルタイ地方の通信社“altapress.ru”の

この↓記事でしょう。

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 「ネオナチらは、酔った状態で韓国人の留学生らを襲撃していた。世間を騒がせた事件の詳細」
原文:Неонацисты в нетрезвом состоянии совершили нападение на корейских студентов. Подробности громкого дела
http://www.altapress.ru/story/49859/

アナスタスィーヤ=マスィブト記者

我がサイト“altapress.ru”は、2月の15日にバルナウールの中心部で起きた韓国人留学生に対する襲撃事件について、詳細な情報をいくつか入手した。

襲撃事件の容疑者らが在学している、アルタイ国立技術大学とバルナウール機械技術短大の学生らの間では、彼らの同期と韓国人留学生キョン=ビョン=ギル氏の悲惨な死の関わりが、今なお話題になっている。

容疑者の中の一人が学んでいたアルタイ国立技術大学の学部生の話では、

“捕まったうちらの大学の一年生は、スキンヘッドに属していました。それは服装で分かりましたよ。彼は軍用に似た短いジャンパーやズボン、それにブーツという格好で授業に出ていましたから。マフラーにはナチのシンボルみたいなバッジが付いていましたね。”

とのこと。

彼の仲間たちも一年生であり、その中の一人は(バルナウール)機械技術短大に通っていたのだ。

韓国人たちへの襲撃がなされたその日、彼らを含む大勢の集団が“ツム(中央デパート)”の付近でビールを飲んで暇をつぶしていた。

アルタイ地方の内務局(=警察)は、この事件の捜査はアルタイ地方検察庁捜査委員会の捜査局が担当しているとして、コメントを拒否。また、検察庁の側も同じくコメントを拒否している。

その後、何が起こったかについては、アルタイ地方の住人ならTVの再現映像で見ることができるだろう。

三人のスキンヘッドはツム(中央デパート)辺りの人ごみから離れ、韓国人留学生の跡をつけていったのだ。

襲撃はメルズリーキン通りで発生した。

我がaltapress.ruが入手した情報によれば、捜査員たちは目撃者を探して、近隣の住宅やオフィス、大学の建物や寮を訪ねまわったと言う。 メルズリーキン通りのビジネス・センターの職員らがそれを証言した。

話を聞いた人間の一人の言葉によれば、救急車を呼んだのは通行人の1人だったという。また、バルナウール救急医療病院の話では、 警察を呼んだのは医師たちだったとのこと。

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どう見てもネオナチです。ありがとうございました。

→(5)に続く


“3.1”サイバーテロ事件と、バルナウール韓国人留学生殺人事件に対するロシア人の反応(3)

2010-03-29 00:09:50 | ロシア関係
→(2)からの続き

とはいえ、前回引用した韓国の新聞記事の内容だけでは、この事件が本当に人種主義に基づいた犯罪かどうかはっきりしないのも、また事実です。

まず、被害者の留学生がその町に長く住んでいるのだとしたら、加害者と被害者の間に怨恨なり何なりのトラブルがあった可能性も有り得る訳で。

一緒にいた韓国人の女子留学生が“まったく被害にあっていない”というのも気になりますね。あちらのネオナチは、非白人は老若男女に関係なく標的にしているというのが専らの噂ですから。

件のスレでも、その辺りのことについて疑問が出ていました。

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50 : 紙やすり(アラバマ州)[]:2010/02/19(金) 15:56:45.17 ID:dT9c91Yl
人種差別犯罪とかじゃなくて、 単にこの韓国人の男がロシア人たちを怒らせる様な態度とったんじゃないの?


55 : ばくだん(東京都)[]:2010/02/19(金) 15:57:57.99 ID:c4ok50gS
×人種嫌悪
○韓国嫌悪



190 : コイル(東京都)[]:2010/02/19(金) 17:12:26.99 ID:yPwujX4B
本当に人種差別主義者の犯行なら韓国女も殺しているはず 韓国男だけ殺しているって事は普段から素行が悪くてトラブル抱えてたんだろ 韓国人は横柄で人を馬鹿にしたような態度取るし


217 : 集魚灯(福井県)[]:2010/02/19(金) 17:26:38.00 ID:rlS9r88E
まあ仕事を奪われてるからな 外国人に だからやるんだよ 政府が悪い


325 : 画用紙(山形県)[]:2010/02/19(金) 20:23:29.76 ID://yySHWa
有色人種への憎悪なのかそれとも韓国人だけに対する憎悪なのか気になるな


373 : ばくだん(千葉県)[]:2010/02/19(金) 22:46:31.06 ID:7Pi9dqhC
>一緒にいた女子学生は何の被害も受けなかった。
紳士だな


374 : ガラス管(群馬県)[sage]:2010/02/19(金) 22:49:13.44 ID:G+BOOdeR
 えっ、これ個人の怨恨じゃねえの? 人種差別ならなんで一緒にいた女性は無事だったのよ


401 : パステル(関西・北陸)[]:2010/02/20(土) 04:09:45.55 ID:pz5KAY0b
嫌いな民族でも女には手を出さない どことなく紳士だな 子供や老人も襲わないのかもしれん


 428 : ミキサー(大阪府)[]:2010/02/20(土) 12:53:48.15 ID:Qsly5VFm
一緒にいた女子も韓国人で襲われてないんだったら 人種差別ではなくて個人憎悪じゃん。 まあ、かの国の人なら嫌われてる人が多そうだがな。

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それと、モスクワやサンクト・ペテルブルクみたいな大都市ではなく、バルナウールのようなシベリアの地方都市でそういう事件が起きたというのも、個人的には少々意外に感じたのでした。

例のスレにもこういう↓指摘がありましたが、

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36 : 便箋(アラビア)[]:2010/02/19(金) 15:54:13.02 ID:bUcUdw08
カザフスタンに近いなら、アジア系には違和感無いと思うけど それでも襲われるなら、振る舞いが悪かったかどうかしたのかもね

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カザフスタンに近いのみならず、アルタイ山脈にも近い。バルナウールは行政単位としてのアルタイ地方の中心都市なのですよ。“アルタイ”というのはあの“アルタイ諸語”の“アルタイ”です。

そもそも“バルナウール”という地名もテュルク系かモンゴル系の言語に由来するとされており、全然スラヴっぽくない。

我々にとっての北海道の地名と同じで、ロシア人たちは普段はあまり意識して無いでしょうが…。

アルタイ山脈の山側の方には、テュルク系の言語を話し、モンゴロイド風の容貌を持つ原住民族の“アルタイ人”が今なお住んでいます。

まあ、ロシア語版wikiに載っていた統計によれば、町の人口の9割以上をロシア人・ウクライナ人などのスラヴ系が占めるとのことで、町そのものは“ロシアの町”なんですけどね。でも、上述のアルタイ人や中央アジア方面からやってきた人々なんかも昔からよく行き来しているわけで、モンゴロイドに対する違和感なんてないでしょう。

管理人もあそこには何度か寄ったことがありますが、別に嫌な目に遭ったことなど一度もありません。それは他のシベリアの町でも同じなのですが。

この事件について、現地のメディアはどう報道したのでしょうか? あちらのニュースサイト“Politsib.ru”に、もっと詳細な記事がありました。

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「バルナウールにおける韓国人襲撃事件の容疑者は、地元の大学生3人組」
原文:В нападении на корейцев в Барнауле подозреваются трое студентов местных вузов
http://politsib.ru/news/?id=40655

2010年2月24日 アルタイ地方の検察庁捜査委員会・捜査局の副局長オーリガ=チェスノコーヴァが“ロシスカヤ・ガゼータ”紙に伝えた情報によれば、韓国人留学生に対する襲撃事件の容疑者として、3人が逮捕されたという。

 一方、2月22日には、バルナウールにて犠牲となったキョン=ビョン=ギル氏の告別式が行われた。葬儀には、犠牲者の両親に韓国総領事館の領事スィン=キュー=ホー氏、アルタイ国立教育大の学生と教職員、カトリック教会の代表が参列。他の韓国人留学生の一団は、2月23日に母国に向けて出発した。

キョン=ビョン=ギル氏にまつわる悲劇は、先週のバルナウールで最も論議を呼ぶ話題となった。

そう。あの2月15日の晩、外国人留学生の男女が3人の何者かに激しく殴打された事件である。

しかも、この事件が起こったのは郊外の辺鄙な路地ではなく、往来の盛んな通りなのだ。通りの傍には、スポーツ宮殿、プール“オビ(この地域を流れる川の名前)”、アルタイ国立大学の施設の一つ、学校(ロシアの公立学校は基本的に小・中・高が一緒)などがあった。

襲撃の際、女性の方が頭を殴られたのに対し、男性の方は激しく殴打されたのみならず、ナイフで沢山の箇所を刺されていた。管脈専門の外科医からなる医師団は、頭部に重症を負い、出血多量の状態にあった21歳の若者を5時間かけて手術。彼らは最善を尽くしたものの、望ましい結末に至る見込みは薄かった。2月18日の朝、キョン=ビョン=ギル氏は息を引き取ったのである。

昨年の秋にアルタイ国立教育大学とクヴァンジュ(=光州)国立師範大学の間で結ばれた学術協力に関する相互協定にしたがって、アルタイ地方の中心都市に韓国人の学生らがやってきたのは、2010年の1月末だった。このプログラムは2月の23日までということになっており、参加した若者たちの数は全部で20人。

その運命の日、キョン=ビョン=ギル氏とそのガールフレンドは気分が悪いといって講義には出席せず、学生寮に残っていた。しかしながら、夜になると、彼らは一行の滞在を世話していた責任者らに黙ったまま散歩に出かけ、あるレストランで夕食をとることにしたのだった。

“私たちは、留学生たちに警告していたのですよ。まだロシア語の知識が浅い以上、(現地人の)付添い人無しで町を歩き回ってはいけない、と。何らかのトラブルに巻き込まれてはいけませんから。”

アルタイ国立教育大学内の言語大学学長、エドゥアールト=クルリャーント氏はそう言って嘆いている。

“起こったこと全てが、教育大内に衝撃をもたらしました。というのも、我らが客人たちと本学の教職員や学生との間には非常に温かく、友好的な関係が生まれていたからです。”

この外国人留学生の殺害により、地域社会では多くの問題が意識されるようになった。 地方庁舎の建物から400メートルの、まさに町の中心で、どうしてこのような事件が起こりうるのか?

警察は、何故これまで犯罪を抑止するような策を講じてこなかったのか?(犯罪が起こった場所は、住民の間では以前から悪い評判があった。)

犯罪が起きてから一週間もの間、どうして当局のお偉方は事件の原因について発表しないのか?

ネット上の掲示板では、この事件を恥かしく思っているという反応が圧倒的に多い。

ところで、韓国人の学生らと付き合いのあったアルタイ教育大学の学生の一人が、“ロシスカヤ・ガゼータ”紙に語ったところによれば、

“(韓国人たちは)ある時、それとなくですが、うちらの町(=バルナウール)は良い町だけど、夜出歩くのはちょっと怖い、みたいなことを言ってましたね。”

また、アルタイ国立教育大学内、言語大学のアレクサーンドラ=スョ-ムキナ講師は、

“韓国人学生を相手にした最初の授業で、<熊が通りをうろついている>といった類の、彼らの意識内にある我が国についてのステロタイプを消し去るよう努めました。”

と、思い出しつつ語る。

“この計画のために、同僚たちはどれだけ頑張ってきたことか.....”

キョン=ビョン=ギル氏とそのガールフレンドは、現実には熊と出会うことはなかった。

その代わり、人でなしに遭遇したのである。

事件の捜査は警察が担当していたが、その後はアルタイ地方の検察庁捜査委員会・捜査局が引き継いだ。

2月18日、3人の容疑者が逮捕されたが、何とその全員が地元の大学生だったのだ!

検察庁捜査委員会・捜査局は2月の終りまでに彼らを起訴しなければならない。捜査グループは、殺人の動機についていくつかの説を検討しているが、その中には民族的なそれも含まれるという。

なお、韓国総領事館のスィン=キュー=ホー領事が“ロシスカヤ・ガゼータ”紙に明らかにしたところによれば、こうした事件が起こってしまったものの、2つの大学間の協力関係は続けていかなければならない、とのこと。

“我が同胞の非業の死は、このプログラムの組織者にとっても、両大学の当局にとっても、また彼の両親や韓露双方の友人たちにとっても、深刻な打撃となりました。しかしながら、それが教育的な教育的、文化的な接触、それにさらなる協力的プログラムが中止される理由となってはいけません。”

このプログラムの第二段-バルナウール教育大側の教職員や学生らによる韓国訪問は、 2010年の秋に行われる予定となっている。

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なるほど。 この韓国人留学生たちは、“留学”と言うよりは、元々1ヶ月程度の滞在予定でやってきた“語学研修生”みたいなものだったのですね。

で、ちょっと寮を抜け出して、自分らだけで町の方に食事に行ったら、路上で襲撃されたと。

不運としか言いようが無い.....。

※別のニュースサイト“news.nswap.info”によれば、彼らが食事をとったのは“スシ・バー”だったらしい。

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「バルナウールで刺された韓国人、息を引き取る」  2010年2月18日
原文:Порезанный в Барнауле кореец испустил дух
http://news.nswap.info/?p=29060

 (前略)

アルタイ地方内務局(=警察)の情報によると、“二人の学生-若い男性と女性-はスシ・バーに寄った後、通りに出た。そこで、三人の何者かによる襲撃を受けたのだ。

(後略)

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だとしたら、

たかだか1ヶ月くらいの滞在で現地人との間に怨恨が生じることなど有り得ないし、道を歩いている現地人を怒らせるほどのロシア語も出来なかったでしょう。

さらには、女子学生の方も同じく殴られているではありませんか。

例の韓国の新聞は、一体何を根拠に“被害無し”なんてことを書いたのか?

彼らは一方的に襲撃されたと考えて間違いない。

ロシア人どうしの喧嘩で女性を殴ることなんて普通はまず無いので、動機については人種的なものである可能性が高い。くどいようですが、彼らは見た目だけで日・中・韓国人を見分けることなど出来ません。

しかし、この記事に限らず、被害に遭った男女が大学側に無断で寮を抜け出し、町を歩いたことが妙に強調して報じられているのが気になりますね。

例えば、同じ“Politsib.ru”の、この↓記事とか、

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「殺害された韓国人留学生が学んでいた大学の学長、(現地人の)付添人無しで市内を歩き回るのは、大学側の指示に反した行為だったと主張」
原文:Директор алтайского ВУЗа, где учился убитый южнокорейский студент, утверждает, что тот гулял по городу без провожатых в нарушение инструкции
http://politsib.ru/news/?id=40629

2010年2月19日

(前略)

彼ら(←被害にあった韓国人学生2人のこと)は一行の滞在中の世話役を務める責任者に知らせることなく(韓国人学生らは全員いくつかの班か、小班に分けられており、各班ごとに必ず付添い人が割り当てられていた。)、 こちらの指示に反して寮を出て、街へとくり出してしまったのです。

(後略)

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現地の大学側が、交換留学生に対する監督責任を云々されるのを単純に嫌がっているのだろう、と言ってしまえばそれまでなのですが、彼らが留学生たちを自由に行動させたくなかった理由は、どうやら他にもあるようです。

→(4)に続く

“3.1”サイバーテロ事件と、バルナウール韓国人留学生殺人事件に対するロシア人の反応(2)

2010-03-27 23:44:56 | ロシア関係

→(1)からの続き

ところで、前回紹介した新聞記事で、韓国人がサイバーテロを起こした理由として挙げられていた2つの件の内、キム・ヨナの方は元々興味も無いのでまあ、どうでもいいとして、

もう一方のこちら↓

>最近、韓国人の留学生がロシアで惨殺された後、日本のサイトではこの
>事件への反応として、“ロシア万歳”という書き込みがあったというのだ。


はロシア絡みというのもあり、少々気になっていました。

流れからいって、この“日本のサイト”というのは2chのことでしょう。

検索してみたら、こんなスレ↓が出てきました。

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 「ロシアで韓国人留学生が襲撃され死亡 人種嫌悪による犯罪の可能性が高いものとみられる」

1 : 鍋(長崎県)[sage]:2010/02/19(金) 15:42:30.62 ID:Fe+mpW4I

ロシア韓国人留学生、道で刺される

ロシア大学に留学した韓国交換学生が18日、ロシア・バルナウルで現地若者に刺されて死亡した。

これまでロシアでは外国人に対する襲撃が頻発して来た上、刃物で刺され、被害者が金品を奪うことはしていない点から考え、人種嫌悪による犯罪の可能性が高いものとみられる。

バルナウルはモスクワから東へ3000キロ離れたカザフスタンとの接境都市だ。

18日、AFP通信によれば交換学生で現地大学に通ったカン某さん(21)は15日、現地の若者3人から襲撃された。一行はカンさんを刃物で攻撃したと現地警察が明らかにした。当時、カンさんは韓国人女子学生と歩いていて突然襲撃された。 カンさんは病院に移され治療を受けたが、3日後に死亡した。一緒にいた女子学生は何の被害も受けなかった。

現地捜査当局は、人種差別関連犯罪とは言及せず「容疑者を逮捕した後、徹底的な調査をしている」と明らかにした。カンさんの家族は18日、ロシア現地に出発した。

ブラジミール・プーチンロシア首相は最近「非ヨーロピアンを攻撃する人種差別犯罪はとても悲劇的なこと」とし「これを阻むために強力に対処する」と明らかにした。

今回の被襲事件前にもロシアでは韓国人が人種犯罪の標的になったことが数回あった。 2007年2月には留学生1人がロシアの青年たちから集団暴行を受け、1カ月後に死亡した。 同年10月にはモスクワで研修中だった韓国公務員が自宅近くで何者かに暴行された。
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=126395&servcode=400§code=430
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なるほど。 元のソースが韓国のどこかの新聞の日本語版なんですね。どうりで、“人種嫌悪による犯罪”とか“接境都市”とか、聞きなれない漢字語が目につくはずで。

とりあえず、全部の書き込みに目を通してみたのですが“ロシア万歳”wは見つからず。

その代わり、もっとアレなのがたくさんありましたよ。

以下↓はその一例。

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132 : スパナ(関東)[]:2010/02/19(金) 16:37:34.28 ID:EGYv3sJa
露助gj もっとだ


151 : ドリルドライバー(埼玉県)[]:2010/02/19(金) 16:48:40.40 ID:EtrGJPBE 日本でもやるべきだろ チョンは粛正しろ


158 : 上皿天秤(福島県)[]:2010/02/19(金) 16:53:19.59 ID:PUBhKtdw
これは日本も見習うべき


164 : ロープ(群馬県)[sage]:2010/02/19(金) 16:55:27.93 ID:wubH9JI6
なんだ害虫が駆除されただけか ロシア人は働きものだね


177 : はさみ(埼玉県)[]:2010/02/19(金) 17:02:29.50 ID:3RPlHmB3
 お前ら、あっちの連中に東アジア人の区別がつくと思うか?アジア人の時点で危険だろう・・・


191 : 接着剤(dion軍)[sage]:2010/02/19(金) 17:12:54.96 ID:r7fBDimT
 >>177
つく

韓国と中国と日本は大体見分けがつく


397 : 大根(関東・甲信越)[]:2010/02/20(土) 04:07:40.88 ID:zM6+jbGm
チョンなら殺しても誰も悲しまないよ

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これはひどい。

大分前のエントリーにも書きましたが、普通のロシア人は(というか、世界のほとんどの地域でそうだろうけど)、東アジアの諸民族を見た目“だけ”で見分けることなどできません。

顔かたちはともかく、服装とか髪型で分かるんじゃないか?という話もありますが、十年以上前ならいざ知らず、最近では日・中・韓いずれの国でもその手の流行は似たようなものになってきている訳で….。

まあ、確かに、中国内陸部の田舎からやってきたと思しき人々の、お盆がそのまま楽に乗りそうな文字通りの角刈り頭とか、花柄の刺繍の入ったジーンズとか、爆弾コントに即戦力として参加できそうな不思議なパーマ等々を見ていると、

こんな日本人いねえよ!

と言いたくなるのも分からないでもないです。

が、そういうのも、多分“旧ソ連圏(但し、バルト三国を除く)人”と“東アジア人”全体の違いの大きさに比べれば、些細な差なのですよ。

“旧ソ連圏(但し、バルト三国を除く)人”は多少の地域差はあるものの、ファッションに関しては概して保守的です。

特に冬になると、男性はことごとく暗めの色のコートやジャンパー姿になってしまう。髪形もほとんど同じような短髪で、長髪はあまりみかけません。男で髪を染めている人などは、ほぼ皆無でしょう。女性の方はそこまでではありませんが、冬は同じく地味目ですかね。

極端な話、そんな彼らにとっては、こちらで流行っている服や髪型だったり、冬場に派手な色の服を着ていたりするモンゴロイド風アジア人は皆一様に“中国人”と見えるのではないかと思われます。何せ、“そういう格好”をしているアジア人で最も数が多いのは中国人なので。

ちなみに、元々旧ソ連圏に住んでいるモンゴロイド風アジア系民族とは、

・(彼らにとって)変わった格好+髪型のモンゴロイド風アジア人日、韓、中、北朝鮮、ヴェトナム人のいずれか。

・旧ソ連人的な地味な格好+髪型のモンゴロイド風アジア人中央アジアのカザフ人やクルグズ(キルギス)人、ロシア国内に住むノガイブリャートカルムイクトゥバサハ(ヤクート)人などの少数民族。そして旧ソ連圏全域に住むスターリンによって強制移住させられた朝鮮人の子孫。


みたいな感じで、区別している節があります。

モンゴル人がこのどちらに見られているかは分かりませんが、最近は日韓など東アジア文化の影響が著しいので、今は前者の方に入っているかも。

参考:カルムイキア共和国の首都エリスタのバザールを歩くカルムイク人男性

撮影:管理人

そんな訳で、もしこれが本当に人種に基づく犯罪だったとしたら、
 
>チョンなら殺しても誰も悲しまないよ

なんていうのは、

“日本人なら殺しても誰も悲しまないよ”

と日本人自身が言っているに等しいことになる。

だからと言って、サイバーテロをやらかしてもいいって話にはなりませんけどね。

全体を読めば分かりますが、普通な反応もそこそこ見られるのであって、別にスレッド全体がこの手の書き込みで埋め尽くされている訳ではないですよ。

2ch全体に置き換えても話は同じで、年がら年中韓国のことが気になって仕方が無い板なんて、ほんの一部だろうに。

→(3)に続く


“3.1”サイバーテロ事件と、バルナウール韓国人留学生殺人事件に対するロシア人の反応(1)

2010-03-18 02:03:49 | ロシア関係
韓国“ネチズン”の大集団が一斉“F5キー16連射”で2chを攻撃してみたら、その被害は同じ在米のサーバを使っていた(米国の某政府機関を含む)各方面に及び、被害総額2億円以上。遂にはFBIまでが登場するに至るとか....

色んな意味で日本のネット界を震撼させた“3.1サイバーテロ事件”から2週間あまりが経ちましたが、ロシアのメディアは、この件について一体どう報道したのでしょうか?

テロが発生した日と同日、2010年3月1日付けの、ロシアの新聞“ガゼータ”紙の記事は、以下↓の通り。

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「日本の娯楽サイト、韓国ハッカーの攻撃を受ける」
原文:Японский развлекательный сайт был атакован хакерами из Южной Кореи
http://www.gazeta.ru/news/lenta/2010/03/01/n_1464100.shtml

2010年3月1日

日本の人気ポータルサイトが、韓国のネット民によりサイバー攻撃を受けた、と“レンハプ”通信が報じている。それによると、この行動には、一万人を超える韓国ネット民が参加したとのこと。

彼らの言い分では、攻撃の対象となったサイトは、韓国についてネガティヴな情報を広めていたという。

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.....これだけ?

本当に最低限の情報だけって感じですね。

しかも情報ソースは韓国メディアのみで、その攻撃がもたらしたオチについては何の言及もない。

何だかなあ。

他にどこか取り上げた所はないのか?と検索したら、通信社“ノーヴィ・レギオーン(Новый Регион)”のサイトにもう少し詳しいものがありました。

事件から3日後、2010年3月3日付けの記事です。

しかし、この↓怪しいイメージ写真は何だろう?w



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「日韓の間で情報紛争に火が点いた」  2010年3月3日
原文:Между Японией и Южной Кореей разгорелся информационный конфликт
http://www.nr2.ru/fareast/272803.html

3月3日、ソウル発(ノーヴィ・レギオーン、イーゴリ=シチェルバコーフ記者)

ここ何日かの間に、日韓の間で突如として情報紛争に火が点いた。 報じたのは“東亜日報”(韓国の新聞。
翻訳事務所“レイステイト”による朝鮮語からの露訳はこちら。)

韓国における、反日抵抗運動を記念する祝日である3月の1日、両国のネット民たちは“インターネット戦争”を宣言し、互いに“敵性”サーバの正常運営を妨害しようと努めたという。

3月1日の正午ごろ、韓国の人気掲示板“DC Inside”日本の有名サイト“2ch”攻撃の呼びかけが現れるや、その後僅か2分にして、双方のサイトに“アクセスが集中しすぎてサイトが開けない”という表示が出たのだった。

韓国人たちは、この紛争は日本側が挑発したものだと確信している。というのも、最近、韓国人の留学生がロシアで惨殺された後、日本のサイトではこの事件への反応として、“ロシア万歳”という書き込みがあったというのだ。

他にも、韓国人のフィギュア・スケートの選手キム・ユ・ナ(原文ママ)がオリンピックで金メダルを取ったのは、審判を買収したからだと主張する記事が日本語のネット上に広く出回ったことも、韓国ネット民による、3月1日の日本サイトへのサイバー攻撃を誘発することになった。

報復行動の準備に際して、諸々の著名な韓国サイトでは“サイバー義勇軍”“愛国者”などのグループが結成された。彼らによって活発なプロパガンダが行われた結果、その後三日間の間に8000人からなる軍勢が集まったのだった。そして決行日には、何と1万2千もの韓国ネット民たちが、2ch各板への攻撃を開始したのである。

韓国のIPからのアクセスが禁じられた後は、グーグル翻訳を経由して再度攻撃が行われた。結果として、日本側のリソースは長期間麻痺することになったのだ。

同紙(東亜日報)が指摘するには、攻撃に参加した韓国のネット民たちは、この行動を

“韓国人を侮蔑する日本人に対する相応の罰にして、韓国ネット民によるネット民族主義と愛国主義の発現”

だとみなしているとのこと。

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記事がソウル発だからか、こちらも韓国の新聞記事をただ露訳しただけ、みたいな出来ですね。テロを起こした当事者側の手前勝手な動機ばかりが語られて、それが2chとは無関係な人たちに与えた被害についての記述は一切無し。世界的に見ればもはや先進国の側に属するにも拘わらず、単に“反日”のお題目が付くだけで、こんな下らないことに一万以上の人間が動員されてしまうような、そういう奇妙な社会背景についての分析もありません。

というか、この記事を読んだロシア人は、“日韓双方で一万人同士が一生懸命F5キーを連打し合った”と考えるのではないですかね。

勘弁してくれよ.....。

それと、訳していてつくづく思ったのですが、何とも安っぽい“民族意識”にして“愛国心”ですね。

91年前の“3・1運動”の参加者たちは、日本の軍や警察に対し、死を賭して徒手空拳で立ち向かったというではありませんか。

たかだかF5キーを連打した程度で、そうした勇気ある先人たちと同じ“愛国者”を名乗るのは、不遜に過ぎるというものです。

大体、2chにどれほどひどいことが書かれてあったとしても、あれは日本語の掲示板なのです。基本的には韓国人や、他の外国人に向けたものではない。たまたま日本語が読めて気を悪くするだけならまだしも、それでサイバー攻撃をかけようなんていうのは、筋違い以外の何ものでもない。

実社会に置き換えれば、

庭をウロウロしていたら、隣家の親子が、我が家の娘はブスだと話しているのが聞こえてしまった。  
                     ↓
彼らは親子電話(古いか....)で話していたようだ。
                     ↓
実をいうと、隣家の主人(元ヤン)には子供の頃苛められていて、よくパシリとして使われていた。故に、もともと隣の一家全体が嫌いなのだ。
                     ↓ 
そういえば、今日は30年前に隣家の主人からパンを買いに行かされるのを最初に断った、記念すべき日だ。
               ↓ 
こんな日に、彼らが娘の悪口を言うのは許されない。それが彼ら同士であってもだ!これ以上けしからん会話をさせないためにも、電話を使用不能にする必要がある。正義は我にあり。  
                     ↓
どうやったかは分からないが、電話線を掘り出して破壊。  
                     ↓
ざまを見ろ!これが愛の力だ!相応の罰なのだ!ウラー!
               ↓
隣家のみならず、近隣一体の電話が麻痺。
                     ↓
そして警察へ .......


.......駄目だろう、これは。

“ネチズン(Netizen)というのは“Net(ネット)”と“Citizen(市民)”をかけ合せた造語だといいますが、感情の赴くままに公的インフラを叩き壊すような輩は“市民”の名に値しない。テロに参加した連中は、“ネチズン”ならぬ“Net”+“Mob(暴民)”=“ネトモブ(Netmob)”とでも呼ばれるべきですね。

まあ、そういうのはどうでもいいとして(セルカン氏風に)、結局ネット上で見つかったのはこの二つだけでした。

コメント等は無し。

他にこのネタが取り上げられた掲示板などが見当たらない所からしても、ロシアではまったく話題になってないと考えてよいのではないでしょうか。

→(2)に続く

速報への補足

2010-03-14 22:44:03 | トルコ関係
前回のエントリーで紹介した記事だと、セルカン氏は“黒海地方出身”となっていましたが、それに関して、氏のトルコ語版ブログの方に興味深い記述がありました。

以下、2008年7月19日付けの日記からの引用です。
http://anilir.blogcu.com/cay-elinden-oteye-gidelim-yali-yali/3809137

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私の母方の一族は、トラブゾンのシュルメネ郡バルックル村の出です….。

小さい頃は、バイラムの休みを利用して、よくその村に行ったものです。母の実家は、村の広場から階段を700段も登らねばならないような山の上にありました。朝になると、誰がパンを買いに行くかでよく喧嘩しましたね。私の祖母なんて、リューマチ病みの足で毎日どうやってその階段を登っていたのか、不思議でなりませんでしたよ。でも、青年時代を村で過ごした人たちからしてみれば、自らが生まれ育った土地への愛着は、きっと、こうした生活上の困難を意識させなかったのでしょう。私たちのような、町育ちの子供には分からないような形で。

※イスラームにおける断食月(トルコ語で“ラマザン”)が明けたことを祝う“シェケル・バイラム(=砂糖祭)”のことを言っていると思われる。この時期、トルコではちょうど日本の正月のように職場や学校が休みになり、親戚や友人の家を訪問し合うのが普通。

 ( 以下略)
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トラブゾンというのは、トルコの北東部、黒海沿岸の都市/県の名前です。グルジアとの国境にも近い。 まあ、これもまた嘘かもしれないのですが、母親の出身地なんて捏造や誇張をしても仕方がない話題ですから、大方事実ではないかと。

で、事実だとしたら、何故ドイツとかスイスに住んでいるのに“バイラムの休み”を利用しなければいけないのか?よく分からなくなりますが、その辺は深く考えないようにしましょうw。

件の記事を書いた記者は、この日記を見て勘違いしたのか?

それとも、この辺で生まれ育ったというのは実はセルカン氏自身の話で、そこからブルサ-イスタンブルと移住したのか?

謎ですね。

ところで、今こちらが住んでいる地域はネット環境が激烈に悪く、たまにネット屋に行っても記事の更新で手一杯という感じです。PCにも変なソフトが入っていて“AJAX”みたいな日本語変換ツールが使えないため、コメントへのレスが延々と滞ってますね。わざわざ書き込んでくださった方、すみません。

とりあえず、最近はセルカン氏ネタが続きすぎたので、そろそろ他の地域の話に戻ろうかと思っています。