今日の秋櫻写

こちら新宿都庁前 秋櫻舎

【レポート】 オリジナル・デザイン帯の発注会

2013年04月29日 18時16分05秒 | きもの

お次は「オリジナル・デザイン帯の発注会」。




いきなり逆光ですみません。

この会では東京友禅作家の上田環江さんと森川雄大さんに
来ていただき、帯のデザインからきもののリメイク相談まで
いろいろご協力いただいた。






たくさんの図案。
見てるだけでもわくわく!




イメージが湧きやすいように
「こんな感じになります」
とその場でさらさらと描いてくださる。







このきものに合う帯がほしい、と実際のきものを
ご持参いただくとさらに効果的。

きものとの対比で、模様の大きさや数、配置、帯の地色、
そしてそれをお召しになるご本人の雰囲気など
数多くの情報が上田さんの頭にインプットされる。






森川さんも上田さんもご自分の作品もお持ちくださった。
すーっ、すーっと反物が解かれ、その中身が顔を出していくときの
高揚感はたまらないです。






森川さんはかつて「こすもす賞」を受賞した作品と
その色違いをもってきてくださった。

実にヴィヴィッドですねー。








帯ではないのだけど、
今年の「こすもす賞」受賞作品の訪問着も。





これはお父さまの明洋さんの作品。
カラスウリがモティーフ。

着るとこうなるんだ。
予想どおり動きがあるな。




お父さまの羽織と長着(きもの)を
一枚のきものにリメイクして生き返らせたい、
というご依頼も。



これ、男前のすごく素敵なきものになると思う!
ものすごく仕上がりがたのしみ!




ひいおばあさまの黒紋付をなんとかして
着られるようにしたい、というご相談も。











明治ものの黒紋付なのだけど、これが見事。
すーっごく素敵なのだ。しかも江戸褄。すごい。
Tさんが何とかしたい、着てあげたい、と思うのも無理はない。

松の柄なのだけど、ひとつひとつぜんぶ
松の輪郭の中身が違うのだ。
技法も染めだったり、絞りだったり、箔だったり、刺繍だったり。
配色も絶妙の塩梅。

詳しくは比佐子さんのブログを読んでいただいて。
こちら


結局、黒の地色がだいぶん羊羹色に退色しており、
またTさんも人生で数回しか着るチャンスのない黒留よりも
もっと沢山着られるほうがいい、というので
訪問着にリメイクすることに。
寸法の問題もクリアーしたし。

具体的には、
裾の松模様からその中身の柄のいくつかを
胸元に散らす方向で。

散らす柄は、もちろんTさんのお気に入りにするのだ。

「これとこれがすきです。
 この部分の色のグラデーションの感じも好みです」

なんて。
たのしそうでしょ?
超たのしいんです。

もうひとつ。



これはこの黒留に染め抜かれていた家紋で松葉紋。
蝶々みたいに見えるでしょ?

Tさんもかわいいとお気に入りなので、
この紋は消さずに蝶々として生かすことに。

ちなみに、家紋が松葉紋だったから、
ひいおばあさまは黒留を松の模様にしたんじゃないかと思う。
これだけのおしゃれな方だもの。
きっとそうにちがいない。


この素敵な黒留については、
Tさん自身も事あるごとに幾つかの呉服屋さんで
相談していたのだけど、難しいという返答ばかりだったそう。
確かに難しいと思う。でも

「色の感じも、筆のタッチも、描き足したと分からないように
 同じようにできます」

と事も無げににこやかにおっしゃるのだ、上田さんは。
また泣きそうだ。

今回この黒留は100年以上の時を経て生まれ変わる。

すごくすごく不思議な感じがするし、
こういうのはご縁なんだろうなと思う。

ああ、胸がふくらむ。
どう仕上がってくるんだろう。
とっても待ち遠しい!


というわけで。
リメイク分野がすてきな盛りあがりを
見せている秋櫻舎なのだった。





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