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空席上の折鶴

2017-07-08 19:28:41 | より良き世界のために
 去る3月の国連本部での第一回核兵器禁止条約制定会議において、不参加だった日本の机上に一羽の白い折鶴が置かれていました。置いたのは世界的なNGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」で日本に参加してほしいという意味を込めたとのことでした。次いで6月の第二回同会議では2羽の折鶴が置かれました。置いたのは日本原水爆被害者団体協議会(被団協)で「日本は総論では核兵器廃絶をうたうのに、各論では米国に配慮して行動できていない」と、唯一の戦争被爆国でありながら、協議に参加しない日本政府への失望の意思表示ということでした。

 そして昨日核兵器禁止条約は国連本部の会議場で採決の結果、賛成122か国、反対1か国、棄権1か国で採択されました。やがて50か国以上の批准を経て発効が見込まれます。発効すれば核兵器は「国際的な不正義」となり、その廃絶に向けての大きな前進となることは必定です。この度議長を務めたコスタリカ代表が採決の直後感極まっていた様子でしたが、それ程に特筆すべき成果でした。ただし返す返すも日本の不在が無念でなりません。

 戦後長きに亘って世界の核兵器廃絶運動をリードしてきたのは唯一の戦争被爆国日本です。そしてその原動力となったのは既に鬼籍に入った多くの人を始めとする戦争被爆者の皆さんの熱意でした。例え今回米国からの不参加要請を受けたとしても、「唯一の戦争被爆国」という特別の立場をもって会議に参加し、賛成票を投じるべきだったのではないでしょうか。ドイツやオランダと同じ行動を取る必要は決して無かったと思うのです。