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米国民の皆さんへ(トランプ政治の排除を!)

2021-01-11 17:08:46 | より良き世界のために

 米国大統領トランプ氏が7日大統領選挙での敗北を遠回しながら認めました。 勿論潔さは微塵もありません。これまで散々抵抗を続けてきたのに一転して認めることに転じたのは偏に今後の4年間の政治的影響力を保つためと思われます。

 この前日連邦議会では大統領選挙の投票結果を確認し、バイデン候補の勝利を確定する作業中でした。トランプ氏は正午にホワイトハウス前で自身の熱烈な支持者集団を前に演説し、議会議事堂に行って「不正選挙糾弾」のデモをするよう煽ったのです。これに呼応した一部過激派が議事堂内に突入して占拠し、議会警察との揉み合いの中で女性一人と警察官一人を含む5人の命が失われたのでした。

 この事態に対し、議会はトランプ氏の大統領罷免の可能性を探り始めています。憲法修正25条による権限移譲、弾劾・罷免、不信任決議などの手段が模索されています。既に政権交代まで1週間余りとなっていますが、是非罷免を実現すべきだと私は思うのです。さもなくばトランプ氏は影響力を温存し、今後のバイデン氏の政権運営を悉く妨害しようとすることでしょう。そしてそれに成功すれば4年後の大統領選挙にトランプ氏自身か又は第二のトランプ氏を当選させようと目論んでいると思うのです。

 トランプ氏が今殊勝な態度を見せているのはこの罷免される事態を何としても避けるためと考えられます。しかしもし仮に今、トランプ氏の罷免が叶わなかったとしても、21日からはトランプ氏の過去の罪状を改めて洗いざらい調べ上げて訴追すべきです。2016年大統領選挙に於けるロシア諜報機関を使った選挙妨害を始め、同時期に発覚したトランプ氏による複数の性被害、これとは別の不倫2件の口止め料に絡む選挙資金法違反と偽証、トランプ氏の不動産詐欺疑惑等々枚挙に暇がありません。多くの訴訟は現職大統領の特権に阻まれてきましたが、21日以降はそれが無くなります。訴訟が最高裁判所に持ち込まれた場合、トランプ氏が任命した3人の判事を含む保守派が多数を占めていてトランプ氏が有利ですが何とか保守派の一角に賛同してもらって有罪を勝ち取って欲しいものです。そうすればトランプ氏の政治生命は尽きることでしょう。

 トランプ政治の何が問題なのか?それは彼の政策が「自身の、自身による、自身のための政治」だったからです。全ての政策が2期目の大統領選挙に勝つため、つまり自身の支持層の要望に沿うものでした。例えば気候変動を抑えるためのパリ協定からの脱退、多国間経済連携を目指したTPPからの脱退、対中国貿易での高関税の吹っ掛け等々は自身の支持層である米国の主にブルーカラー層を喜ばせるための米国第一主義でした。確かに近年米国内の貧富の差は拡大していました。しかしそれは別途累進課税とセーフティネット等で緩和すべきものです。そして米国内の貧困は世界の貧困に比べれば豊かです。果たしてトランプ氏や支持層の彼らに1日1ドル以下で暮らす世界の貧困層1億人の姿が見えていたでしょうか。恐らくNoでしょう。彼らには地球温暖化のために海面に飲み込まれようとしている多くの島国の住民の姿が見えていたでしょうか。恐らくNoでしょう。彼らにとっての世界は身近な米国内に留まっていたのです。

 次にトランプ氏の中東政策を振り返りましょう。彼は18年5月にイスラエルの米国大使館をテルアビブからエルサレムに移しました。これはイスラエルの肩を持ち、パレスチナを踏みにじる行為です。歴代の米政権もイスラエル寄りではありましたが、あくまでもパレスチナとの平和共存を目指して来たのです。また昨年9月からはイスラエルとアラブ首長国連邦、バーレーン等アラブ諸国との国交正常化を仲立ちしました。これはイスラエルと対立するパレスチナを更に踏みつけ、多国間核合意を米国に破棄されて苦しむイランを更に窮地に追い込むことになります。これらもトランプ氏の有力な支持層である親イスラエル勢力を喜ばせて自身の選挙に資するための政策でした。長く対立してきた双方のうち片方の肩を持ち、もう一方を踏みにじることはある意味で安易です。しかしそれではかえって怨念を深め、和平は遠のくばかりです。

 かつて米国がその成立に関与した日本国憲法前文には以下のくだりがあります。「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり・・・」トランプ氏の政治はこれと対極にあったのではないでしょうか。

 米国民の皆さん、二期目のトランプ氏自身あるいは第二のトランプ氏による政治の芽を摘みましょう。トランプ氏のみならず、彼に続くトランプ氏的な政治の排除も大事なのです。そのためには20日までのトランプ氏の罷免を目指してください。もしこれが出来なかったとしても、その後の訴訟で有罪として下さい。罪に問うべき行為は枚挙にいとまがないのですから・・・。